CASBAH インタビュー

2015年10月26日 更新 インタビュー
CASBAH インタビュー
記事公開日:2015/10/25

80年〜90年代に多大な衝撃を与え、大きな足跡を残したCASBAHが活動を止めたのは2000年9月の事。それから断続的にライヴはあったものの、13年後の2013年9月完全復活、そして、16年振りに最新作「REACH OUT」のリリースとなった。再始動作である本作、アグレッシヴでありながらも、フレキシブルでもあり、それでいて、全体にストロングな芯がビシッと通ったサウンドはCASBAH以外の何物でもなく、再始動の気負いも無ければ、時流に呑まれてもいない、CASBAHの堂々たる存在感と自信の程が伝わってくるアルバムだ。衝撃は過去形では無く、現在進行形であり、再び大きな足跡を残してくれるに違いない。今回のインタヴューでは再結成の経緯や最新作「REACH OUT」の話等、VoのTaka Hatori氏に色々と聞いてみた。
CASBAH

CASBAH

Shu Ishikawa <Ds>
Ryo Murayama <G>
Taka Hatori <Vo>
Koichi Mitani <B>

CASBAH:Taka Hatori <Vo>
インタビュアー:多田進

新生CASBAHとして動き出すんだって事をファンの皆に伝えたかったと思う。

--- 2000年の活動休止以降、何度か断続的に再結成ライヴを行っていましたが、今回、本格的な再始動となりました。再始動へと踏み出したきっかけを話していただけますか。


Taka:当初は本格的な再始動という話では無く、今から2年前の2013年にCASBAHが結成30周年を迎えた事から始まった話なんだ。その1年前の2012年に村山(G)と飲む機会があり、そこで「来年は(CASBAH結成)30年だね」って話になった。ここのところ断続的にライヴもやれてるから、ここは節目だし何かやろうかと。そこで考案したのがまず新曲数曲を録音したデモを作り、ライブを企画し、来てくれたファンのみんなにそのデモを無料で配布しようと。そこでメンバーの話に移り「ならばメンバーはどうしようか?ROADRUNNER時代もあるけど、やっぱりオリジナルメンバーだよな」ってことで、とりあえず三谷(B)はすぐに連絡が取れOKをもらったんだけれど、臼井(Ds)は幾度か機会があったライブでは叩いてくれてはいたんだが、本人が音楽からずっと離れてしまっていた事もあり、今回は残念ながらNGになってしまった。であれば(臼井の)後任の小林に頼もうと手紙を送り暫く待ってみたが、こちらは返事をもらえず諦めた。そこで白羽の矢が立ったのがCASBAHが活動休止していた時に村山とやってたULTIMATE LOUDSPEAKERの石川で、お願いをしたところ快諾をしてもらいようやく今回のメンツが揃ったんだ。ただし、この段階ではさっきも言ったように30周年に向けての単発的なものだったのでそこからパーマネントに活動をしていこうという話になったのはしばらく後のことだった。スタジオに入り曲作りをするようになってから、元来数曲の予定だったものがあれよあれよと曲が完成して行き、メンバー皆の意欲が凄かった事を今でも覚えているよ。


--- やっていくうちに何かが蘇ったと。


Taka:そうだね。スタジオワークを重ねているうちに「これはデモだけで止めておくのは勿体無い。アルバムにしよう!」と、徐々に皆のモチベーションが上がっていき、これは皆本気だぞと。ただその先の事は誰も口にはせず、とにかく30周年に向けて頑張ろうと、とりあえず作曲活動に専念していたよ。


--- スタートラインがあって、モチベーションが上がって、様々なものをクリアしていった結果が今に至るわけですね。


Taka: その後Disk UnionのBxTxHxレーベルから正式にアルバムリリースのオファーをいただき、アルバムを作る目標ができた事が最終的な(再始動へ向けての)決めて手となったね。


--- 2000年の活動休止から今回の再始動の間、かなりのブランクがありますが、その間、村山さんは先にも出たようにULTIMATE LOUDSPEAKERで音楽活動を続けてましたけど、羽鳥さんと三谷さんは音楽活動からは離れてた状態だったんですか?


Taka:三谷に関しては、詳しくは分らないが、ジャズ系のセッションバンドみたいなものをやっていたらしく、音楽活動は継続していたようだよ。ただ、今回の再始動で久し振りにエレキベースを手にしたって言ってたな。自分は完全に(音楽からは)離れてたね。正直な話、自分の場合CASBAHが一度活動を止めた時点で、今後一切やる事無いだろうし、この世界から足を洗うぐらいの気持ちがあったんだ。ただ、そうは言うものの、昔のバンド仲間からの幾多の連絡で繋がりを改めて実感したし、長い年月を通して知らず知らずのうちに築いた強い絆も活動から退く事で改めて気づかされた。そんな中、断続的な再結成ライヴが頻繁に続くようになって、また(音楽を)やりたいなって気持ちが沸々と湧き上がってきてたタイミングで30周年という区切りの年が目前に来てこのような経緯をたどったってわけさ。そういえば、自分がオーストラリアに留学してた2000年初頭にOUTRAGEの丹ちゃん(丹下眞也氏)が彼が参加してたバンドCERBERUSのレコーディングでオーストラリアに来た事があって、「よかったらレコーディングスタジオに遊びに来てよ!」って連絡もらい遊びにいったところ、いきなり「一曲コーラスで参加してくれない?」って言われて(笑)、「マジかよ!?」って思いながらもヘルプで歌った事があったんだ。音楽から率先して離れていこうとしていた時期だっただけに、あれは衝撃だったね(笑)。でも、スタジオに久し振りに入って雄叫びあげたら流石に血が騒いだな。


--- 休止中に行われた再結成ライヴを観に行きましたが、音楽からは離れていたとは思えないぐらい、力が漲るライヴで熱くなりましたよ。


Taka:(ライヴで)演奏した曲はどれも今まで長年やってきたもので、もう体に馴染んでるものばかりだったからね。新曲を披露したわけじゃないし。でも、やるからにはリハとか最低限の事はやらないと(半端なライヴは)お客さんに対して失礼だっていう気持ちはたとえ一夜限りの再結成であろうがあるんで、それなりに練習したからな。


CASBAH DISCHARGE 2010 - YouTube

CASBAH Reunion 2010 Ikebukuro CHOP Tokyo Japan 動画は2010年に東京・大阪2回のみ行われたオリジナルメンバーによる再結成LIVE。 2013年はCASBAH結成30周年にあたり、以下のスケジュール限定で記念GIGを行う。 9/15(sun) 東京 高円寺HIGH 1...

--- 2013年の再始動一発目(9月15日高円寺HIGH)ですが、いきなり新曲から始めましたよね。その大胆さに驚きつつも、ああ、何かCASBAHらしいなって思ったんですよね。


Taka:ああ、そうだったね(笑)。一曲目“Naked”だったね。


--- 何故、そのようなセットにしたのかなって思いまして。


Taka:初っ端から新曲をかます事で、新生CASBAHとして動き出すんだって事をファンの皆に伝えたかったと思う。三谷に至っては、あの頃バンド名変えてもいいんじゃないかって言っていたくらい全員新鮮な気持ちでやっていたしね。それ以降のライブでも新曲多めのセットリストにしたのも、同じ理由からだよ。それと、アルバムを作る上で、新曲をライヴ演奏する事で曲のニュアンスが変わっていくし、レコーディングに向けての準備じゃないけど(笑)、意識的にライヴでガンガン演奏しようとやっていたよ。あとは多田君も承知してるかと思うけど、昔から(予想を)裏切るのが好きなバンドなんでね(笑)。


--- それは昔から変わりませんよね(笑)。昔の話になりますが、NUCLEAR ASSAULTのオープニング(90年6月川口MONSTER)で、アコースティックギターを持って登場したのは度肝を抜かれましたね(笑)。


Taka:やったね(笑)。三谷はウッドベースだったしね(笑)。NUCLEAR ASSAULTのイベントでアレは普通はやらないよな。


--- そういうのを踏まえているから、改めて思うと、再始動一発目で新曲からスタートも「ああ、CASBAHだなぁ」って納得しましたけど、でも、最初はちょっと戸惑いましたね。


Taka:本邦初公開の曲だったからね。でも今となっちゃ慣れっこのことでしょ(笑)。


--- でも、CASBAHらしさをビンビンに感じさせる曲だっただけに、自分はすんなりと受け入れられましたけどね。


Taka:そう言ってくれると嬉しいよ。自分たちの自信作のひとつだから。


--- 再始動一発目のライヴ、全七曲のうち、三曲が新曲でしたね(“Naked”、“Revolt Against”、“Inside Me”の三曲)。


Taka:そっか、そんなにやったんだ(笑)。


--- そこに新しいCASBAHの意気込みを強く感じましたね。


Taka:さっきも言ったけど、再始動ライヴの時には既にアルバム制作を意識していたんで、それに向けての曲固め演奏固め、さらに言うとお客さんのリアクションも見たいって気持ちもあったな。モノになるまで時間は掛かったけどね。(アルバムが出る前までは)ライヴでしか聴けないわけだから、それを如何にファンのみんなに馴染ませていくかっていう違った挑戦もあった。


--- “Revolt Against”はシンガロング出来るパートもあるから、自分の中では早々と馴染みましたね。


Taka:なるほど。それは狙い通りだったな(笑)。


--- 話は少し変わりますが、先日のライヴ(2015年9月5日 WildSide Tokyo)では久し振りに“Mr. Mess”(「BAREFOOTED ON EARTH#1」収録、99年リリース)をプレイしましたね。ROADRUNNER時代のCASBAHも好きなので、あの時代を封印しなかったのは嬉しかったです!


ROADRUNNERの時期とはベースもドラムも違い、三谷、石川とも関わっていなかったわけで、再始動した当初は(以前の曲は)三谷が在籍していた時の曲に限定してやろうってスタートしたんだ。ただ必然的にライヴを重ねていくうちに、ファンの人たちから「ROADRUNNER時代の曲はやらないの?」って言われるようになって来るわけで。そこで三谷と石川に当時の音源を聞いてもらい、今回は“Mr. Mess”を「やろう!」ってことになったんだ。ライブで手応えもあったし今後はROADRUNNER時代の曲も少しずつだけど、セットに加えていきたいなって思ってるよ。当時はあまり演奏していない曲も、今のメンバーでプレイしたら楽しそうだなって曲もいくつかあるので。


あの頃のストレートでシンプルなのものをやろうって話はしたな。

--- さて、新作アルバム「REACH OUT」の話に移りたいと思うのですが、復活作は90年代以降のCASBAHの音楽的要素を集約したアルバムだと感じました。


Taka:どの時期だとか、こうであるべきだとか、特にそういった意識はしてない。ただ作り手が一緒なので、以前からCASBAHを聴いてくれている多田君のような人にはそういう印象を与えたのかもね。今回自分達の中では初心に帰ってやろうっていう意識が強く、当時影響を受けたものは何だろうって話になって、“Russian Roulette”を作った頃に自分達が物凄く影響を受けたバンドの一つがS.O.D.で、あの頃のストレートでシンプルなのものをやろうって話はしたな。


--- 一曲目の“Act”で勢いよく始まって、畳掛けるように“The Killing Machine”で流れを上手く掴んでますが、構成や曲順とかで意識した点はありますか。


Taka:収録曲の九曲全部が出来上がった時点で、曲順の案をメンバーで出し合って、ライヴでやった感覚とかも含めて、色々と試行錯誤はしたよ。メンバー中一番若い石川の感性を大事にしたいっていうのが自分にあって、最終的に石川がいいって言わなかったら、OKにはしたくなかったんだ。何回か曲順を変えたけれど、最終的には石川がこの曲順がしっくりくるという事でこの曲順に落着した。曲間も全部彼の感性に任せて、一曲目の”Act”と二曲目の”The Killing Machine”の間が他の曲間よりもちょっと短いんだけど、これも石川の案だよ。


--- アルバムには色々なタイプの曲が収録されてますが、特にキャッチーで浮遊感のある四曲目“Five Thousand Feet”は異色なタイプの曲ですね。


Taka:よく言われるよ(笑)。


--- でも、この曲でのキャッチーなメロディとグルーヴ、曲全体を引っ張っていくようなベースラインと、自分の中では「DEMO 92」のCASBAHの進化形の一つがこの曲なんじゃないかと感じたんですよ。


Taka:この曲、ベーシックなところは三谷が書いてきた曲なんだけど、今言ってくれたようにベースが引っ張っていく曲だから、三谷じゃないと出来なかった曲だと思う。そういう意味では三谷が在籍していた「DEMO 92」のCASBAHを彷彿させるという意見は納得できるな。


--- “How Long”、これもCASBAHらしくない曲ですよね。


Taka:らしくないよね、これは(笑)。アメリカンロックだとも言われたよ(笑)。


--- この曲、ギターソロもエモーショナルでいいなって思いました。


Taka:このソロ、俺も大のお気に入りだよ。村山のこのソロを聴くたびになぜかSlash(GUNS N' ROSES)の姿が浮かぶんだ(笑)。村山のルーツにあるメロディアスな旋律が存分に発揮されているなって感じるね。


--- それと、アルバム全体を聴いて、様々なタイプの曲があるからというのもあるんでしょうけど、羽鳥さんの歌がよりエモーショナルになったように感じました。


Taka:意識していた事だけにそう言ってもらえると嬉しいな。今回肩の力がすごく抜けた状態で歌えたのが大きかったかな。今回はボーカルレコーディングの際にエンジニアの菊池さんにも歌詞を読んでもらったんだ。前半の録音時には以前のようにどんな曲調であれいつも通りストロングに歌ってたら、菊池さんからダメだしもらってさ。「ちょっと待って!これ歌詞どんな内容よ?説明して!こんなストロングタイプの曲じゃないでしょ?もうちょっと気持ちを込めて歌わないと!」って言われて、ハッと気づかされ、そこから、かなり感情移入が出来て歌えるようになった。CASBAHでずっとお世話になってるSTUDIO NESTの菊池さんがヴォーカルの指導とまではいかないけれども、感情移入の部分で色々とアドバイスをくれて、気持ちよく歌えたね。“Inside Me”はとりわけ感情移入が出来て、自分でもビックリするぐらい、今まで出せなかったエモーショナルな表現ができて、自分でも大好きだね。


--- アルバムのジャケットの話になりますが、これは壁画をイメージしたものなんでしょうか?


Taka:元々はアルジェリアのカスバ(アラブ諸国で城塞に囲まれた居住地区)の一角で、労働者階級の若者達が螺旋階段のところに集結して記念撮影のような事をしている物凄く古くてインパクトのある写真があったんだ。その写真をジャケットとして使いたかったんだけれど、著作権上色々と問題が出そうな可能性もあり、断念したんだ。そこでそのイメージをデザイナーさんに渡して、想像を膨らませてもらって作っていただいたのが今回のデザインというわけ。赤く塗り潰されて判り難いかもしれないけれど、幾何学模様みたいになって下に見えてるのはカスバなんだよ。候補案の中には同じ素材の画像で黒いものも作ってもらったんだが、この手の音楽ってどうしても黒が多いじゃない?黒Tシャツとかさ(笑)。ここは捻くれもののCASBAHなんで赤だろ!と。デザイナーさんにも音源を渡して聴いてもらってデザインお願いしたので、そこから赤のイメージを提案してくれた感覚も新鮮でよかったな。


CASBAH / REACH OUT

CASBAH / REACH OUT

ジャケット

---燃える赤ですね!


Taka:そうだね。ただ赤といっても真っ赤じゃなく、黒みを帯びた赤ってところが気に入っているんだ。


--- 今後の予定を教えていただけますか。


Taka:レコ発とは謳っていないが、12月23日に自分達の企画「REVOLT AGAINST」(渋谷CYCLONE:鉄アレイ/IDORA/JURASSIC JADE)がアルバムリリース後初のライヴになるよ。来年には大阪、名古屋でのライブが決まってる。


--- 読者の方にメッセージをお願いします。


Taka:16年振りにアルバムを出しました。メンバー全員が自信を持って制作した作品です。今のCASBAHを是非聴いてもらいたいです!昔から応援してくださっている皆さん、今作を機に初めてCASBAHに触れる皆さん、アルバムを聴いて曲を覚え、ぜひライブに足を運んでください。いつでも熱いライヴをやるんで、是非ライヴを体感しにきてください。そして一緒に歌って踊って暴れようぜ!


--- どうもありがとうございました。


Taka Hatori × 多田進

Taka Hatori × 多田進

インタビューオフショット

CASBAH 最新作品情報

CASBAH /Reach Out

CASBAH /Reach Out

アーティスト:CASBAH(カスバ)
タイトル:Reach Out(リーチ・アウト)
発売日: 2015年10月21日(水)
レーベル:B.T.H. RECORDS
フォーマット:CD
定価: 2,400円(税抜価格)
規格番号:BTH-059

<収録曲>
1. Act
2. The Killing Machine
3. Revolt Against
4. Five Thousand Feet
5. How Long
6. Blow It Up
7. Unsung Heroes (Song for the Heroes)
8. Naked
9. Inside Me

CASBAH/REACH OUT【Trailer】 - YouTube

ジャパニーズ・アンダーグラウンド・シーンのカリスマ CASBAH。遂に完全復活! CASBAH New Album 『Reach Out』 diskunion/B.T.H. RECORDS/BTH-059/¥2,400(+tax) 2015 .10.21 on sale!! http://diskunion.ne...

CASBAH ライブ情報

2015年12月23日(水・祝)渋谷 CYCLONE
2016年1月30日(土)大阪・難波 BEARS

※ 最新情報はCASBAH Official Facebook Pageをご参照ください。