宮尾敬一(SABBRABELLS)インタビュー

2015年10月30日 更新 インタビュー
宮尾敬一(SABBRABELLS)インタビュー
記事公開日:2015/10/30

もう二度とありえないと思っていたライブ。それが目の前で展開されている。ANTHEMの30周年を記念するHEADSTRONG FESのステージに立ったSABBRABELLSを見てそう思ったファンも多いことだろう。残念ながらバンドの顔であり最後までSABBRABELLSと共に戦った高橋喜一氏の姿はそこに無かったが、その代わりとしてステージに立ったDIOKEN氏の素晴らしいパフォーマンスに酔いしれたことだろう。SABBRABELLS featuring DIOKENとしてステージに立った経緯、そして思い出話を今回再結成に向けてバンドを引っ張った宮尾敬一氏にインタビューしてみた。そしてファンが一番気になっているであろう「あのこと」も…。
SABBRABELLS

SABBRABELLS

宮尾敬一氏

SABBRABELLS:宮尾敬一
インタビュアー:別府伸朗

あそこで「ウワッ」っという歓声を聞いて、歓迎してくれているんだなって思えましたから。

--- SABBRABELLSの再結成は実はHEADSTRONG FESの前からあったのですか?


宮尾:ここ数年、何度か高橋喜一と会う機会があって、「また昔のメンバー何かできたら楽しいかもね」みたいな話で盛り上がったことはありました。でも、具体的にSABBRABELLS再結成するような話には至っていませんでした。みんなで集まって気楽に音でも出せたら楽しいかなくらいの感覚ですかね。そしたら突然、直人さん(注:ANTHEMの柴田直人氏)から「宮尾ちゃん、SABBRABELLSは絶対不可能?」って話が来たんですよ。「喜一とそのうちみんなで集まれたら楽しいかもね。なんて話もあったんで可能性はゼロではないかも」って話をして、メンバーに連絡しました。喜一以外の3人からはOKが出たんだけど、喜一からはNOとの返事でした。それでその後、オレと直人さんとで喜一を説得したんですよ。それに3~4ヶ月かけて。最終的に直人さんが喜一と直接会ったんだけど、結論的にはダメだった。それで俺も喜一に「やっぱりダメなんだよね?」って電話したんだよね。それで「分かった、もうこの話は一切しないから」って。それで直人さんには「ヴォーカルに喜一でなくDIOKENなんて引っ張り出すわけにもいかないしね」って冗談を言って、笑って話は一度終わったんです。それから2~3週間後に直人さんからまた電話があったんですよ。「宮尾ちゃん、この前DIOKENでもなんて話したじゃん。それでSABBRABELLSはできないかな」って話になって。俺は「え~!」ってなって、「直人さん、それはまずDIOKENに話をしてからでないと」って。「それに俺の中でも整理しなくちゃいけないこともあるから待って」と話をして。そこでその話を俺の中で1ヶ月くらい考えたんですよ。他のメンバーにも話をしないで、これはアリなのかなって悩んで。


HEADSTRONG FES

HEADSTRONG FES

ANTHEM「HEADSTRONG FES.」
ANTHEM 30th ANNIVERSARY
■PROLOGUE 3■

ANTHEM(アンセム)/
OUTRAGE(アウトレイジ)/
DOUBLE DEALER(ダブルディーラー)/
SABBRABELLS(サブラベルズ)featuring DIOKEN

2015年7月25日(土)
OPEN 15:00 / START 16:00

http://clubcitta.co.jp/001/anthem-30th/

--- それは難しいですよね。


宮尾:それで一人で悩んでいても仕方がないので他のメンバーに相談したら、色々問題もあるしそのANTHEMのイベントに出なかったら二度とSABBRABELLSは無いかもしれないんでやってみようかという結論になって。直人さんには喜一がいないSABBRABELLSをやるのは不本意なところもあるから、そこの問題も上手くクリアできたらって。とりあえずまずはDIOKENに話をしてみるけど、そこでDIOKENから「NO」と言われたらそこでナシでと。その後、DIOKENに電話をして話をしてみたら彼もすごくビックリして。それでDIOKENも「宮尾さんと柴田さんの誘いなら参加はしたい気持ちはあるけど・・・」と色々と悩んで。重たい話だし、彼は凄くプレッシャーを感じていたと思う。でも「やりたくない」とは言っていなかったんだよね。それで直人さんと話をしていた時に「宮尾ちゃん、DIOKENに会いに行こう」ってなって。それで3人で会ったんですね。DIOKENは直人さんに対して恐いイメージがあったらしいんですよ。直人さんは体育系で「恐い人」「厳しい人」という世間での誤解もあるみたいだから(笑)。そういった恐さもあったらしいけど、実際に会ってみたらそんな誤解も解けて(笑)。それで悩んでいるDIOKENを半強引的に説得して動き出すことになりました。


--- SABBRABELLSは伝説になっていた部分もありましたよね。幻の1stも再発されて昔の音源に触れてこんなバンドがいたんだなって知ったファンもいるでしょうし。


宮尾:正直、(HEADSTRONG FESは)あんなに盛り上がるとは思ってもいなかった。完全にアウェイの気持ちでステージに立ったから。殆どANTHEMのファンでSABBRABELLSのファンなんて100人もいるのかなって気持ちがありましたし(笑)。でも、ANTHEMのファンの人たちが暖かく迎えてくれて本当に感激しました。


--- 僕の周りではSABBRABELLSを目当てで行ったって人が多かったですよ。


宮尾:蓋を開けてみたら俺たち目当てって人も結構来てくれてたみたいで嬉しかったですね。


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--- オープニングからしてガッチリとファンのハートを掴みましたよね。あのライティングがあってSEが流れてというのは鳥肌立ちましたから。


宮尾:直人さんの前説のおかげですかね。あれでファンの人たちがまず温まりましたよね。こっちも幕の後ろで結構笑ってリラックスできましたので(笑)。直人さんが煽ってくれたからファンが「ウワッ」となった部分もあったから、ありがたかったですね。本当に自分の中でアウェイ感が強かったんですよ。あそこで「ウワッ」っという歓声を聞いて、歓迎してくれているんだなって思えましたから。


--- 掴みから本当に良かったですよね。SABBRABELLSが見られるんだって。そういった演出があって1曲目が「Metal Sabre」でしたから。ヘヴィメタルのオープニングの理想みたいな流れでしたよね。


宮尾:トップバッターというのも大正解だったと思います。お客さんがフェスへの期待で盛り上がっていて、耳もできあがっていない一発目にドカンといけたから。順番も直人さんの狙い通りだったと思います。直人さんの「SABBRABELLSに恥をかかせたくない」って気持ちも伝わってきたし。何より直人さん本人がSABBRABELLSを本気で観たかったらしいから(笑)。SABBRABELLSは喜一と佐野が中学の同級生で、喜一と俺が高校の同級生で。松川とはバンドを始めてから知り合ったけど、浦和の楽器屋でたまに顔を合わせていたんですよ。関口とは高校を卒業した辺りから地元のバンド仲間と一緒にライブやったりしていた仲で。本当にガキんちょの頃からつるんでいた仲間なんですね。だから今でもメンバー同士でやり取りがあるから。当時のジャパメタのバンドってメンバーをあちこちから集めてきて、解散したらそこで終わりというのが大半でしょ?俺たちはガキの頃からの遊び仲間で作ったバンドだったから。ガキの頃から一緒に青春を過ごしてメジャーまで行って、ジャパメタ界では珍しい存在なんだと思う。それでバンドが無くなった今でも繋がっている。喜一とはSABBRABELLSを脱退する頃はあまりいい関係ではなくなっていたけど、それが数年もすれば嫌だったことも良い思い出になって、もう高校生の頃からの仲の良かった友人に戻っていたから。だから俺は喜一ともまた何かやれたらなと思ってる。(しみじみと)昔の仲の良かった連中と楽しかった頃に戻って、何かパッとやりたいなって気持ちが本当に強い。


それが最終のリハの時に事件があったんだよ。

--- こんなことを言ってしまうと失礼かもしれませんが、元メンバーの石橋さんは亡くなってしまいましたし(注:2010年5月に永眠)、皆さんそれぞれ年齢も重ねていますから。


宮尾:石橋はもう逝っちゃったけど、こう言ったら何だけどまだ昔の仲間の関口がいるからね。石橋にはどうこというのは全く無いし悪いけど、関口との付き合いはさっきも言ったけどガキの頃からのものだから。ある時喜一が遊びに来て「ヒロちゃん(注:佐野氏)がバンド作りたがっているんだけど、宮尾ちゃんベース弾かない?」って。それで喜一がもう1人のギターとドラムを連れてきたんだよね。それで演奏陣は揃ったけどヴォーカルがいなかったんだ。その時、喜一はシャケ(注:木暮武彦氏、元レベッカ、レッドウォリアーズetc)とストレートってバンドをやっていて、そのバンドでベースをやっていたんだよね。俺たちはヴォーカルどうしようって時に喜一が、「ヴォーカルが見つかるまで取りあえず歌うよ」って。そんな感じで最初は助っ人のノリで入ってきたんだよね。それでスタジオ入ったら喜一が曲を作って持ってきて。それが「束縛」と「破壊」、その2曲だった。その後に、当時銀座にローディープラザ(注:オーディオメーカーの日立が展開していたショールーム。ここでライブや録音会が行われていた)っていうのがあって、そこでSABBRABELLSに改名する前のREADINGってバンド名で3曲位で初ライブをやりました。友達とか来て皆カセット持ってきて録音して、ライン録りのとんでもないものができてたよ(笑)。それ1回でそのメンバーでのバンドは止まっちゃて。その頃、浦和の柏屋楽器店で松川と彼の友人のドラマーがコンビでいたんだよね。それでたまたま俺と喜一がそこで二人と知り合って、暫くしたら喜一が「ねぇ宮尾ちゃん、ギターとドラムをあの二人にしようと思うけどどう思う?」って言ってきて。ドラマーはその頃浦和の東口に住んでいて、今は無いけど電気屋の息子だったんだよね。そこで音は筒抜けだったけど、そこでドラムの練習をしていたんだよ。喜一が「そこでタダで練習できるでしょ」って言ってきて、俺は「それは良いんじゃない」って(爆笑)。それで松川と関口の前任のドラムが加入したんだよね。


--- こうしてSABBRABELLSをやって色々と思い出したこともあったんじゃないですか?


宮尾:SABBRABELLSの最初期の頃は、松川がマネージメントとかしていたんだよ。松川がブッキングもしてたし、リハーサルの予約もしていた。その後にウリ川本がマネージャーになったんだよね。ウリとの出会いも面白いんだよね。浦和のレンタルレコード屋があったんだよね。俺と喜一で車に乗っていて、信号待ちしていたのがそのレンタルレコード屋の前だったんだよ。そうしたら喜一が「このレンタルレコード屋、バイト募集しているよ」って。それでちょっとしたら喜一がそこに面接に行ったんだよ。その時喜一はベルボトムにロンドンブーツを履いていて。そしてその店のドアを開けたら、そこにいたのはベルボトムでロンドンブーツを履いていたウリだったんだよ。お互いその姿に「え~」ってなって、喜一は即採用。そこでウリはその本部か何かの社員だったんだよ。それで彼は浦和店を立ち上げるので来ていたんだよね。そこからの付き合いで、俺たちの音を聴いたらすごく喜んでマネージャーをやるって話になったんだよ。ウリとの思い出話はいっぱいあるね(笑)。


--- HEADSTRONG FESで演奏されたのは全部インディー時代の曲でしたよね。


宮尾:そうなりましたね。みんなが望んでいるのもソコでしょ!?(笑)。直人さんには「ルルドの泉」が聴きたいとリクエストされていたけど、あの持ち時間で「ルルドの泉」は長すぎるから却下(笑)。あの曲は喜一でしか再現できないと思っているしね。それでメンバーと45分のセットリストを相談して、あの選曲になりました。


 (8246)

--- 僕は実は「破壊」を聴きたかったんですよね。


宮尾:それはマニア筋の人からも言われましたね(苦笑)。だけどフェス形式のイベントであの時間でしょ、「破壊」はあの場では無いなって


--- 「重い」ですからね。


宮尾:ああいった対バンのお客さんだから、ある程度イケイケの曲で盛り上がってもらおうと。それで代表曲はやらないといけないでしょ。「あと何ができる?一番短い曲なんだっけ?」って相談して決めたのが「Wolf Man」だった。それで初っ端に「Metal Sabre」と「Wolf Man」ってイケイケの2曲を持ってきた。


--- ところで何でDIOKENさんにヴォーカルの白羽の矢を立てたのですか?他に候補は考えていなかったのですか?


宮尾:(他のヴォーカルは)全然考えていなかった。DIOKENが喜一に似ているって話を色々なところから耳にしていて。似ているってのは顔とか雰囲気ね(笑)。DIOKENはロニー(ジェイムス・ディオ)でしょ。喜一もロニーっぽいところがあってかなり意識していたし。俺も初めてDIOKENを見た時に確かに「喜一に通じるところがあるな」って思って。DIOKENのいるRE-ARISEとは何度かやる機会はあったし、俺の知っているヴォーカルで色々と考えてみたけど、SABBRABELLSで喜一以外に歌ってもらうならDIOKENしか考えられなかった。直人さんに最初冗談で言ったのは、単純に顔や雰囲気が似ているからってことだったけどね(笑)。遠くから見たらみんな意外と気付かないんじゃないかって。冗談ですけど…(爆笑)。


--- 昔からDIOKENさんとは知り合いってことではないのですよね。


宮尾:RE-ARISEの前から、その何年か前にDIOのコピーバンドとかやっていた頃からの知り合い。一度、ブラック一味で対バンしてるし。


--- -DIOKENさんはDIOのコピーバンド以外でも何かやっていたのですか?


宮尾:色々やっていたらしいけど、特別名前の知れているバンドはやっていなかったみたい。SABBRABELLSのメンバーよりも若いから、俺たちが現役の頃は高校生ぐらいだったんじゃないかな。彼は洋楽専門でジャパメタを聴いてこなかったらしいんだよね。だからSABBRABELLSは見たことも無くて、まともに日本のバンドで聴いていたのはLOUDNESSぐらいだったらしい。高校時代に同級生とかがSABBRABELLSってイイよって言われても聴いていなかったって。


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--- それがまさかそのバンドで歌うことになるとは思いもしなかったでしょうね。


宮尾:でしょうね(笑)。SABBRABELLSを観たことも聴いたこともない。喜一を意識しなくて、真似もしなくて好きにやってもらったら、逆に面白いかなと思って。


--- 真似しないでとのことでしたが、ステージでのDIOKENさんを見ると凄く研究したんだろうなって感じたのですが。


宮尾:DIOKENが参加を迷っていた時に、SABBRABELLSを知ってもらおうと映像を送って観てもらったんだよね。そうしたら「宮尾さん、喜一さんってとんでもないヴォーカリストですね。上手い下手とかそういったレベルでの話じゃないです。あれが高橋喜一なんですね。音域的にはなにも問題ないけど、あれをコピーしたり、真似することは正直キツイです」と連絡してきて。


--- もうステージでの存在感ですよね。


宮尾:「どこまでやっていいのか難しい」って言ってきたから。「それも何も任せるから。真似したければ真似していいし。まずは好き勝手やりたい放題でやってよ。リハとかでやってダメならちゃんとダメ出しするから」と話を進めて。そうは言っても彼は本番寸前まで悩んでいたよ。どこまでやればいいかって直前までね。彼もリハーサルやる度に迷っていたけど、リハーサルをやっている内にイメージが出来上がっているのかなっていうのは感じた。SEのアイデアも実はDIOKENから出たんだよね。「SABBRABELLSはやっぱりSEもやらなくちゃダメですよね」と言ってきたから。それで知り合いにそういったSEを作れるクリエイターがいるからとも言ってきて。どうせやるなら「Dog Fight」はどういったストーリーの曲なんですかって。それであれはドイツの戦闘機のメッサーシュミットの話だって伝えて。じゃあ本当なら空襲警報はドイツのものでなくてはいけないんですねって。だからこの間の空襲警報はドイツの空襲警報なんだよね。それがアイツのこだわり。それとSEのモーツァルトにしてもやっぱりやらなくちゃダメですよねって。


--- あれは本当に演出として見事だったです。最初にも言いましたが、あのSEとライティングの演出が素晴らしかったって。


宮尾:ライティングはクラブチッタの人に任せてたけど本当に素晴らしかったよね。


 (8245)

--- SEとライティング、そして「Metal Sabre」でドカンと来て。完璧でしたね。


宮尾:俺たちよりもDIOKENの中でリハーサルを重ねていくうちにSABBRABELLSってイメージがどんどんできあがっていって。それで色々と仕掛けをやりたいですねとアイデアも出してきたし。SEもそうだよね、やりたいなら自分で作ってきてねって(笑)。RE-ARISEの時はそういった仕掛けをやらないバンドだから、逆に楽しいって。そういうことは楽しいとは言っていたけど、歌に関しては最後まで悩んでいたね。
それが最終のリハの時に事件があったんだよ。リハーサルのスタジオの隣の隣の部屋で喜一のバンドのSaiuNがリハーサルをやっていたんだ。俺たちは喜一がスタジオに入っているのを知らなかった。それで俺たちがリハーサルをやっていたら、扉の窓からコッチを覗いているヤツがいて。それでYO-JI(注:SaiuNのベーシスト)がこっちを見ているのが見えたんだよね。その下から覗いていたのが喜一で「あっ、喜一だ」って。丁度SaiuNが休憩時間で覗いてたんだよね。それでこっちは「Dog Fight」をやっていたのかな?そしたら曲の途中で喜一が入ってきて、こっちは演奏止めないでそのままやっていたらDIOKENのマイクを奪って「アアアアア~」って3回シャウトして。それで曲が終わってから「何やってるの」って言ったら、喜一は「そこでリハーサルやってて」と言って。その後、喜一がDIOKENと握手して、そこで一言二言話をして出て行ったんだよ。こっちはリハーサルを続けて、こっちが休憩の時には向こうはリハーサルが終わってもういなかった。それでDIOKENはSNSにも書いていたんだけど、それで吹っ切れたって。喜一さんがいるのに俺がSABBRABELLSでステージに立っていいのかというのもあったらしい。それが喜一さんが来てシャウトを決めてくれて、そして握手してくれたからと。それは「頑張れよ」って言ってくれたんだろうなって。それでDIOKENはDIOKENとしてSABBRABELLSのステージに立つので良いんだなって気持ちになったみたい。俺はDIOKENがそう言ってくれて良かったなって。RE-ARISEからDIOKENを借りているんだって気持ちも強いから。そこも責任を感じているから。もしSABBRABELLSとしてステージに立ってくれるDIOKENの評判も落としたらいけないってプレッシャーもあったし。結果、DIOKENに歌ってもらって良かったと思う。重責も果たしてもらえたし、今回のライヴでRE-ARISEってバンドを知ってくれた人もいると思うから。


でも、現時点では全くの白紙ですね。

--- 分裂して2つのSABBRABELLSがあったとウィキペディア(注:筆者が確認した時点ではVo不明でバンドが分裂したと記載されていた)に書いてあったのですが?


宮尾:え???2つのSABBRABELLSなんて無かったよ。EMOTIONになってただけで。俺たちが抜けて、喜一はメンバーを集めてSABBRABELLSを続けていた。だけど松川と石橋は岸本友彦とでEMOTIONを始めたんだよ。実は俺たちがSABBRABELLSを辞めようって時にレコード会社からは俺、石橋、松川の3人で新しいヴォーカルを探してバンドを始めなさいって。君たちがSABBRABELLSを辞めるなら新しいバンドを作ってやりなさいって。それでそのままアルバムを作るからって話になって。それで実は俺はEMOTIONの最初のリハーサルに参加しているんだよ。でね、俺は「違うな」と思って。違うなってのは俺は無理だなってこと、音楽的に無理だろうなって。そこでEMOTIONとして岸本が持っていた曲かな?その時2曲位スタジオに入って「イントロこんな感じ?」とかやって。それで2回スタジオに入ったけど、1回目のリハの時には俺には「違うな、厳しいな」って感じていて。2回目のリハをやっていた時にやっぱり違うなって思って、休憩の時、外でタバコを吸っていた時に「ごめん、俺就職する」って辞めちゃったんだよね(苦笑)。で、本当に就職。その後、4~5年はたまにセッションに参加したりしていたけど、その後バンドをやれる環境じゃなかったんで、15年くらいは一切楽器に触れることもなかった…(苦笑)。


--- そうだったのですか、ウィキペディアにはヴォーカル不明で脱退したメンバーが喜一さんのSABBRABELLSとは別のSABBRABELLSをやっていたっていう風になっていますが。


宮尾:そんなことやってないから。やってないから、書いておいて(苦笑)。(口調が強くなって)分裂ってのは無いから!俺たちが脱退しているだけだから。


--- じゃあSABBRABELLSは1つしかなかったのですね。


宮尾:分裂してやっていたって言われるなら5~6年前にやってたブラック一味(注:宮尾氏、関口氏、松川氏の元SABBRABELLSメンバーと元SAVAGE GREED、VOLCANOの瀬戸氏がメンバーのバンド)のことかな? あれはSABBRABELLSでも何でもないから。だって、BLACK SABBATHやTHIN LIZZYなんかのカバーが中心のバンドだもん。SABBRABELLSの曲は自らがやりたいんじゃなくてお客さんに求められてやってた感じ。SABBRABELLSありきでブラック一味をやっていたわけじゃないんだよ。「SABBRABELLSの曲もやらないとしょうがないよね」って感じだったんだよ。サブラのメンバーが3人もいたんだから仕方ないけどね(笑)。


--- -あとSABBRABELLS再結成って噂が何回かあったと思うのですが。そういった話は無かったのですか?


宮尾:それはいつ頃の話?


--- 1990年ぐらいだったかと。


宮尾:俺が覚えているのはSABBRABELLSを俺たちが辞めて、何年だったかは覚えていないけど・・・、5年後位かな?その時に川口のモンスターってライブハウスで一度だけやっているんだよ。その時に一度だけやっている。それはメジャー時代にファンクラブをやっていた女の子たちがいて、その中の1人が「元気?」って電話かけてきたんだよ。それで久々に会って浦和辺りで飲まないかってなって。どうせならメンバーに声かけてみるよって言って。そうしたら皆集まったんだよね。別に再結成するでもなくだったから、その時に声をかけたのは石橋でなく関口だったんだよね。幼馴染が集まるって感覚だったし。そして飲んでいたら「そういったノリ」になっちゃったんだよね。その「やろうか」がね、当時もう喜一が続けていたSABBRABELLSも終わっていたと思う。


--- それは3人編成で続けていた最後のですよね。


宮尾:うん。終わってないとしたら喜一はやらないから。その時に「告知も何もしないで、川口のモンスター辺りで本当に身内の30人とか40人には声をかけて。それでやるのはどう?」って言ってやることになったんだよ。それは楽しそうだねって。完全に身内だけを集めてやろうかってノリでね。だけどなかなかリハーサルもできなかったんだよ。そうしていたらモンスターがスケジュールを告知しちゃったんだよね。俺たちは「え~、内緒のアレじゃなかったのかよ。シークレットライブじゃなかったのかよ」って。その時「Dog Fight」と「Water Night」をやったと思うけど、関口は(音源では)叩いていないんだよ。アルバムではもう石橋が叩いていたから。そんなのでやったけど、モンスターに入りきらないほど人が来ちゃったんだ。ちょっとヤバイよってなって。だってリハーサルは一度のみ2時間だけしかできなかったんだから。演奏もボロボロよ。佐野は歪み系エフェクターは売っちゃって持って無かったし。それでテレキャスターを持ってきてさ、歪み系無しマーシャル直結でペランペランな音で(笑)。彼一人だけTHE ROLLING STONESみたいだった(爆笑)。そんな再結成ライブは一度だけあったよね。


--- その時やった曲というのは?


宮尾:覚えてないなぁ・・・、1時間位はやったのかな。インディーズ時代の楽曲しかやってなかったと思う。ウチにあの時のステージの横から録っている映像はあったかと思うよ。家で探さないと出てこないけど(笑)。その時、石橋は観に来ていたんだよ。そのライブはロッキンfか何かにレポートが載っていたはずたね。「リハーサル不足で演奏はちょっと・・・」って。でも「あの5人が集まってライブをやったことに意義がある」みたいなことが書いてあったと思う。


--- 5人揃ったというと、ブラック一味と喜一さんのGinga(注:高橋喜一氏がギターで参加していたバンド。恐らく現在は解散)で対バンした時に揃ったことありませんでしたっけ?SNSで写真を見た気がするのですが。それを見てほっこりした気分になったのを覚えています。


宮尾:どこかで対バンしているね。ブラック一味で出た時で喜一はGingaか何か別のバンドだったかな…?あと、ブラック一味が終わってDEVIDED WE FALLの時に、本格的にライブをやる前に飛び入りでライブをやって。その時のイベンターさんが喜一とも共通の知り合いで、喜一がセッションで出ていたということもあったよ。そこでも楽屋とかで話をして盛り上がったね。


--- 来年、SABBRABELLSメジャーデビュー30周年なんですがやっぱり再結成はありえないのでしょうか?


宮尾:みんなに期待してますって言われるし、個人的にはオリジナルメンバー5人で一緒にお祝いしたいという気持ちはあるんだよ。でも、現時点では全くの白紙ですね。高橋喜一が参加しないなら30周年はやる意味がないと思うし、そのステージに喜一がいないことは誰も許してくれないでしょう(笑)。現在の喜一はヴォーカリストではなく、ギタリストとしてSaiuNで頑張っているし、喉を壊してるって話も聞いているから正直厳しいかもしれない…。でもHEADSTRONG FESは4人が揃っただけでも本当に楽しかった。喜一を含めた5人が揃ってやれればもっと楽しいに決まっているよね。SABBRABELLSのメンバーはガキの頃からの仲間たちなんだから…。


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