記事公開日:2015/10/23

前作『SPIT ON AUTHORITY』をPIZZA OF DEATH RECORDSからリリースした大阪ハードコア・シーンの雄、SAND。彼らから早くも4thアルバム『DEATH TO SHEEPLE』が届いた。これがまた超ド級のインパクトを放つ一枚になっている。これまで以上に毒を吐くリリックと共にMAKOTOのヴォーカルは憤怒にまみれ、BLACK SABBATH並みにヘヴィな重さで加速しながら、さらにカオスな渦を作り上げる演奏も圧巻としか言いようがない。今作は数度の海外ツアーを経て、よりストレートなアプローチを心がけたようだ。しかし、聴き手を無条件にさらっていく竜巻のごとき激重グルーヴにぶっ飛ばされること間違いナシ! 何度も背筋がゾクッとする瞬間が訪れる戦慄のハードコアがここにはある。MAKOTO(Lead Vocals)にじっくりと話を聞いた。
SAND

SAND

MAKOTO - lead vocals
ISHI - guitar, vocals
KOSHIN - guitar
OJIRO - bass
RYOTA – drums

SAND:MAKOTO(Lead Vocals)
インタビュアー:荒金良介

俺、アメリカ出発当日の日、マスタリングのチェックしてましたからね。

--- 今作は前作『SPIT ON AUTHORITY』からちょうど2年ぶりですね。早く次の音源を出そう、という気持ちはありました?


MAKOTO:いや、今年「THIS IS HARDCORE FEST 2015(※1)」というアメリカのフェスに誘ってもらったんですよ。そこで手ぶらで行くの嫌だから、レーベルの方に新しいMV(※2)を上げてもいいですか?って聞いたら、行く前に次のアルバム完パケで出してよーと言われて。あっ、マジっすか?!みたいな。


10/7発売!SAND -THE MARCH OF CRUELTY(OFFICIAL VIDEO) - YouTube

※2

--- (笑)。


MAKOTO:だから、鬼のペースで録りました。俺、アメリカ出発当日の日、マスタリングのチェックしてましたからね。自分から言ってしまった以上、しょうがねえなと。


--- 今作のきっかけはまずMVを作ることから始まったと?


MAKOTO:そうですね。アメリカツアーは去年も行ったし、また同じ音源を持っていくのもあれだから。


--- 一昨年、昨年とヨーロッパ/アメリカ・ツアーを行いましたけど、反応はどうでしたか?


MAKOTO:毎回新しいものを感じますね。それが何かと聞かれると、答えに困りますけど。何か新しいものを感じたと思うけど、忘れちゃいました(笑)。今年はさすがに覚えてますよ。


--- 是非教えてください。


MAKOTO:すげえ良かったです。いい感じでレスポンスもらえて、アメリカでSANDハマッてんじゃねえのって。


--- リアクションが良かったと。


MAKOTO:そうですね。4日間のフェスで僕らは土曜日に出て、たしか金曜日に韓国のTHE GEEKSというバンドが出たんですよ。ちょっとナメていたわけじゃないけど、THE GEEKSどうなんだろうと思っていたら、ものすごく盛り上がって。これやべぇぞ!って、俺らはこれ以上にいかなきゃマズイなと。ハードルを上げられて、焦っていたけど、何とかいけました。


Sand - Poser @ this is hardcore 2015 - YouTube

--- ハードコア系のバンドが多かったんですか?


MAKOTO:ハードコア、パンク、いろいろでしたね。BIOHAZARD、MISFITS、EXPLOITED、SNAPCASE、 AMERICAN NIGHTMARE、H2O、CRO-MAGS、BANE、ヘッドライナーはその辺ですかね、そりゃあ、もう大変でした。


--- 大変というのは?


MAKOTO:せめぎ合いがあるじゃないですか。行くからにはカマさないといけないから。みんな気合いが入ってますからね。


--- 日本でライヴをやるのと、また違いますか?


MAKOTO:そうっすね。だけど、超緊張して頑張ってます!みたいな感じは出したくないから、俺は余裕だぜ。みたいな顔をしてました(笑)。ナメてるわけじゃなく、別にってスタンスですね。


--- 海外ツアーの経験も今作に影響を与えてますか?


MAKOTO:あると思いますね・・・よりシンプルにって感じですかね。シンプルだけど、途中で聴き飽きないようにしたかった。自分たちがやれる範囲でバラエティに富む感じにしました。


--- 過去に海外ツアーは何度かやられてますよね?


MAKOTO:うん、6回目ぐらいですね。海外に行くたびに、楽曲をシンプルにしようと心がけるようになりました。それはずっと思ってることで。


歌詞はみんなが言わないようなことをあえて下品にストレートに言ってます。そっちの方が面白いでしょ。

--- わかりました。今作を聴かせてもらい、1曲目の「The March Of Cruelty」から不穏なイントロで始まりますね。作品一枚通しても、背筋がゾクッとするような極悪感が強まった印象を受けました。


MAKOTO:凶暴な方が好きですからね。


--- よりそっちに寄せようと?


MAKOTO:それもありますかね。自分は1回聴いただけで、耳に残るようなフレーズが好きなんですよ。なんかいいんだけど、耳に全然残らないなーというのは嫌だから。それは意識しました。


--- リリック、演奏のフレーズ、楽曲展開、どれか引っかかればOKみたいな?


MAKOTO:そこもわかりやすさですね。シンガロングできたり・・・その方がお客さんと楽しめるじゃないですか。


--- なるほど。前作と比べて、カオス感も増してるなと感じました。


MAKOTO: ああ、そうですか? それは嬉しいですね。みんな仲良くしようぜ!とか、俺みたいなもんが言ってもしょうがないから。ほんとはいい人なんですよ(笑)?  いい人というか、普通の人なんですけど。バンドなんで、歌詞はみんなが言わないようなことをあえて下品にストレートに言ってます。そっちの方が面白いでしょ。


--- その気持ちは前作以上ですよね?


MAKOTO:強いですね、うん。ポピュラー、大衆に対して、FUCKなんでしょうね・・・これ太字行きっぽくないすか(笑)?


--- ははは、意識しなくても大丈夫ですよ。


MAKOTO:要するに大多数に対するアンチテーゼですよ。歌謡曲、ポップスとか。だせぇロック風歌謡曲とか。


--- 子供の頃は普通に聴いていたわけですよね?


MAKOTO: そうなんですよ。だから、矛盾してますね。難しいですね(笑)。ブルーハーツやBO ØWY、BLANKEY JET CITY、長渕剛などすごい聴いてたけど、俺の中ではそれ等は相当尖ってましたから。それでツン!とする嫌な子になったと思うんです(笑)。その流れで パンク、スキンズ、Oiパンク、NYハードコア、ハードコアなんかを聴き出して、そっちに興味もって。それからは歌謡曲的なのはほとんど 疎遠に。


--- ロック、ハードコア、パンクにどんどん惹かれていった?


MAKOTO: かっこいいじゃないですか。ライヴに行っても危険だし、なんだかゾクゾクしますからね。でも歌謡曲にもいい歌があるから、困るんですよね (笑)。今回も DESOLATEDのツアー中に運転手をやってたんですけど、AMラジオから荒井由美(現・松任谷由実)の「卒業写真」が流れてきて、いい歌ですよね。


--- 好きなんじゃないですか!


MAKOTO:ね〜いいものもあるんですよ。まあ、クソみたいなものが多いから、そのクソ限定ってことですよ。


立って聴きながら、自分がノれなかったら即ボツにする。座って曲を作ったり、座って聴くのやめました。

--- 今作でMakotoさんのヴォーカルはより過激になってるし、音の重心はさらに低くなりましたね。


全体の音はそうっすね。もっとシンプルにしたい、もっと悪くしたい、もっと怒ってる感じを出したいなと。バンドは曲を作るときに、こねくり回しちゃうじゃないですか。あれはやめようと。僕らがやってるハードコア・パンクはテクニックでちょろちょろやったところで、海外のクソみたいなハコでやっても聴こえないですから。


--- それがどんどんシンプルになってる要因にもなっているんですね。あと、今作に3曲のインタールードも挿入されてます。これは作品の流れにいいフックをもたらしてますね。


MAKOTO:あれは完全に趣味全開ですね。


--- MAKOTOさんの趣味ですか?


MAKOTO:そうですね。こういう感じで作ってと言って、メンバーにやってもらったんです。ああいうユルいのも好き。ゆっくりするとき。


--- 僕は寝るときも普通にメタルを聴きますが。


MAKOTO:いいですねぇ、病気ですね!(笑)


--- すいません(笑)。


MAKOTO:いや、テンション上げたいときは聴きますよ。カツ丼好きだけど、そればっかりずっと食えないじゃないですか。それと一緒ですね。


--- 今回インタールードを入れようと思ったのは?


MAKOTO:ふいに思いついただけで。ゆるいループ好きなんだけど、実演奏で、できる?って言ったら、できるよってメンバーも言ってくれて。これもなにげに楽しかったですね。


--- ヘヴィな音と爽やかな音は、MAKOTOさんの中で同列という感じ?


MAKOTO:オンとオフですね。考えたら、全然作れそうだなと思ったし、それだけなんです。極端だけど、ありかなと思った、両方好きですから。


--- そして、前作に引き続き、ANARCHYを迎えた「Treatment feat. ANARCHY」もめちゃくちゃかっこ良かったです!


MAKOTO:あざす。どうせなら誰も想像つかないものを2人でやりたいなぁって。2つくらいトラックを用意したんですよ。一つは普通のBPM、もう一つは速いBPMを作って、どっちがいい?と聞いたら、即行で速い方がいいと言ってきて。マジで? これめちゃくちゃ速いよと言ったら、こっちの方が乗せやすそうと言ってきて。狂ってんなーと(笑)。


--- また違う形のミクスチャー・サウンドを狙いたかった?


MAKOTO:自分たちではミクスチャーとは思ってなくて。それぞれがこれ一本しかやらない職人のタッグみたいな。彼はヒップホップ、俺はハードコアしかできない。それが一緒にやったらおもしろいでしょ。


--- なるほど。「混沌のなかに一瞬見える 完璧なまでの調和した狂喜乱舞」(※訳詞)という歌詞がありますけど、これは作品全体に通じるような言葉だなと。この歌詞はどんな気持ちで書いたんですか?


MAKOTO:モッシュ、ダイブでぐちゃぐちゃになる瞬間、スローでものすごくキレイに見えるときがあるんですよ。俺が言うのもあれだけど、芸術としか思えなくて、ゾクッとするんですよね。それを言葉にしたら、こうなりました。


--- 曲作りでもライヴはイメージします?


MAKOTO:全然しますよ。ここでバーッと大人数がダイブしたらかっこいいだろうな、とか考えながら。


--- それは前作よりも強くなってます?


MAKOTO:そうっすね。なによりまず、自分たちの音源を椅子に座って聴くのをやめたんですよ。立って聴きながら、自分がノれなかったら即ボツにする。座って曲を作ったり、座って聴くのやめました。ライヴに行って、座って聴くことってないじゃないですか。BPMを探るときも、立ったままの方がここがベストだ な、とかいうのもわかりますから。これアーティストっぽくないですか!?・・・太字行きすか(笑)?


--- (笑)。


MAKOTO:まあ、自分がノれるかどうか、それはフレーズや展開を含めて全部そうですね。


--- 「Straw Man」もいままでにない曲調で、今作の中でも特にカオティックで大好きな曲なんですよ。


MAKOTO:この曲はドロドロしてますね(笑)。


--- 歌詞では手当たり次第文句を言ってますが。


MAKOTO: 思ったまんまです。何も考えずに書いてるから。この曲のイントロは怖くて耳に残るようなフレーズからイメージを広げていきました。地下何十階、絶対日の光を浴びないようなフレーズですね(笑)。湿度が高くて、地下何十メートルみたいな地獄のような隔離された場所で、一生もがいてるようなエグさも出したいなと。ただただぶっ殺したいみたいな。人間の狂気の部分ですね。まあ、でもヒドいリリックですね(笑)。自分で書いてビックリしますけど、でも感じちゃっ たんでね。まぁ対象はこれもカス限定ってことで。


--- 歌詞の中でも触れてますけど、MAKOTOさんが思う本物のハードコアとは?


MAKOTO:これは音楽の話ではなくて、人間の話ですね。ISHI(G/Vo)もよく言うけど、何がクールで、何がクールじゃないか?という判断が、最近の日本人はおかしいというか、そういう考え方自体、あるのかないのか。簡単に言えば思慮深く、物事の本質を見抜けるようなビシッとした男であれよって事なんだけど、 有名でも無名でも関係なく、頑張ってる=偉い、カッコいいという理屈は通用しないと俺は思う。頑張ってる? そんなの知らねえよってなる。頑張ってる=偉いとか、カッコいい!になるなら、金のために頑張ってババアのクソ食うホストは、かっこいいし、偉い!ってなる。自分が感じてる違和感はそこで。俺たちは何がクールで、何がクールじゃないのか。何がダサくて、何がかっこいいのか。それをストリートや音楽を含め、いろんなものから教わったから。


SAND 最新音源情報

SAND / DEATH TO SHEEPLE

SAND / DEATH TO SHEEPLE

アーティスト:SAND(サンド)
タイトル:DEATH TO SHEEPLE(デス トゥー シープル)
型番:PZCA-74
レーベル:PIZZA OF DEATH RECORDS
発売日:2015年10月7日(水)
価格:2,190円(税抜)

<収録曲>
1. The March Of Cruelty
2. Lalalala
3. Treatment feat. ANARCHY
4. Drowsy (interlude)
5. Vapid
6. Paint It Black
7. Breezy (interlude)
8. Off The Table
9. Hazy (interlude)
10. Straw Man
11. Intro

SAND ライブスケジュール

<2015年>
11月22日(日)大分 T.O.P.S BittsHALL
12月5日(土)札幌 COUNTER ACTION
12月6日(日)札幌 ZEPP SAPPORO
12月13日(日)大阪 soma
12月19日(土)横浜 Bay Hall

<2016年>
1月30日(土)心斎橋 SUNHALL
3月12日(土)四日市 CLUB CHAOS
3月19日(土)福岡 graf
3月26日(土)新宿 ANTIKNOCK
4月2日(土)心斎橋 CLUB DROP
4月24日(日)心斎橋 VARON

※ 詳細は SAND Official Websiteをご覧ください。

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