2015年10月24日 更新

SOLITUDE インタビュー

記事公開日:2015/07/15 - 最新作「REACH FOR THE SKY」のインタビュー。話し手に杉内哲氏(Vo)、西田亨氏(B)、大内“MAD”貴雅氏(Ds)。

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記事公開日:2015/07/15

2015年6月17日、最新作「REACH FOR THE SKY」をリリースしたSOLITUDE。MAD大内氏(元ANTHEM)加入後初であり、前作から五年半振りとなる本作、よりヘヴィメタルの直球ど真ん中な作風、ここ何年かの充実した活動によって培った自信と力を見事に封じ込めた快作に仕上がっている。最新作の話を中心に、メンバーに色々と聞いてみた。
SOLITUDE

SOLITUDE

L to R
Akira Sugiuchi (Vocals), Toru Nishida (Bass),
Shingo Ida (Guitars), Takamasa "Mad" Ohuchi (Drums)

SOLITUDE:杉内哲(Vo)/西田亨(B)/大内“MAD”貴雅(Ds)
インタビュアー:多田 進

僕らが好きだったヘヴィメタルってこんなのだったなって思い、初期衝動のようなものが呼び起された

--- 今日は宜しくお願いします。まず、前作「BRAVE THE STORM」から五年半振りとなる本作「REACH FOR THE SKY」をリリースしたわけですが、前作から五年半経ってリリースした理由を聞かせていただけますか。


杉内:時間について特にこれといった理由は無いですね。僕達のような年齢になってくると、曲作りや音楽の事ばかりを考えている時間が無限にあるわけではなく、それ以外にもメンバー各自の生活や考え方がある中で、いいものを作ろうとなると必然的に時間が掛かるわけで。でも、実際にはレコーディングを始めてから約一年でリリースに漕ぎつけたわけで、実質、その前の約四年間は(現メンバーになってからの)バンドとしての音を固めてましたね。MADのドラムはメロディを奏でるようにリズムを叩くスタイルなので、そこに僕達が合わせていくのに時間が掛かったのもあるし、じっくりといいものを作ろうという気持ちが強かっただけで、別に意識的に時間を掛けたつもりはなくて、気が付いたら、それだけの歳月が経ったというだけの話。それだけです。


--- 私的には1stの「VIRTUAL IMAGE」から「BRAVE THE STORM」に至るまでの九年、あの時は少々モヤモヤした感があって待たされた感が強かったんですよ。その後、MADさんが加入して約五年半、あまり待たされた感はなかったのですが、現在のメンバーでじっくりと腰を落ち着けて作りたかったのか、それとも機が熟したから制作に入ったのかなとも思いまして。


杉内:それは特に意識はしてないよね。楽曲は作っては壊し、作っては壊しの二十曲ぐらいから選定した八曲なので、それで時間が経ったというだけの事。あと正直、ライヴのフィーリングをそれぞれの楽曲に反映させたかったというのもあるんだけど、新曲を全部ライヴでプレイし、お客さんのリアクションを見て、グルーヴ感を含めもっと考えたりする時間も無かったので、そこは長年の経験で予測してレコーディングに突入したという感じですかね。


--- 「REACH FOR THE SKY」の制作にあたり、意識した点等を各メンバーさんに聞いてみたいと思うのですが。


大内:意識は無意識ですね(笑)。さっきも杉さんが言ってたけど、俺はメタルドラマーとしては少し特殊なので、(メンバーが)面を食らった部分があると思うんですよ。僕が加入して五年半、(加入する前の)今までの楽曲をライヴでプレイしてたわけだけど、(今までとは違う人が叩いていたものだから)それはそれで大変で、それを自分のものにするのに時間が掛かってて。ただ、今回のアルバムの曲に関しては完璧に俺のものだから、スタジオで一からリズムの感じを作っていくのとか全部自分で出来たので、素直に叩けるというか。俺はこういうメタルが一番好きで。元々、ANTHEMというバンドにいたんですけどね(笑)。知ってるかどうかは分かんないですけど(笑)。そこでは初期は割と速い曲なんかもあったんですけど、どんどんスローダウンしていくような傾向がありまして。だから、このアルバムでのテイストが自分にとっては素直に、一番ストレス無く出来るヘヴィメタル。こういうタイプの楽曲を用意してもらったという事で無意識っていう事ですね。バンドのアンサンブルの準備というのは、五年半掛けて出来ているので、特に何も考えず、頭よりも体で作った感じがあります。非常に精神衛生上宜しい職場でございます(笑)。


西田:僕はですね、昨日の自分よりも今日の自分は半歩でもいいから前進したいって常々そう思ってるんですけど、今作も前作よりさらに比べものにならないくらい進化した自分が出せればいいなっていう気持ちで挑みましたね。それと、前作をリリースした後、ENFORCERやSKULL FISTといった海外の若いバンドと一緒にツアーを回る機会があって、若い連中のパワーとか色々と感じるものがあったんですよ。そういう刺激もあって、今回はもっともっとパワーアップ、進化しなければならないっていう気持ちになって。音の面、リズムの面、もう一回見直さなきゃって思い、大内さんにいっぱい鍛えてもらって、個人練習も入ったりもしたんですよね。音も前作は統一の音で録音しちゃったんですけども、今作では全曲音を変えて。僕の録音って、ドラム、ギター、ベースの順番で、バックの中では基本的に最後なんですよ。エンジニアと杉さんと僕の三人でディスカッションしながら、最終的にいい音を選んで録音したという感じで、ホント音作りは時間掛けましたよ。逆に録音している時間のほうが短いぐらいでしたね。


杉内:結局、クオリティを上げようと思うと、音作りから全て時間を掛けなければならないんですよね。だから、変な話、レコーディングに時間を掛けられないバンドっていっぱいいますけど、僕達はそうではなくて、恵まれた条件でここまでのアルバムが作れたというのがありますよね。(質問の内容は)意気込みでしたっけ。僕はさっき西が言ったようにENFORCERやSKULL FISTといった80年代を意識したような若いバンドがどんどん出てきているのを見て、尚且つ一緒にライヴをやったりして、僕らが好きだったヘヴィメタルってこんなのだったなって思い、初期衝動のようなものが呼び起された感覚があった。今の音楽ってカテゴライズ化され過ぎちゃって、やれスラッシュメタルだ、やれデスメタルだって、もうそれしか聴かないって人が増えてきてて。


--- そう感じるところは確かにありますね。


杉内:僕らはSOLITUDEという看板でやってきてますが、一般的には王道、正統派ヘヴィメタルって言われてるんですけれども、その王道とか正統派ヘヴィメタルって(言われるカテゴライズの音楽は)、この日本では全く人気が無いんですよ。それは僕らがライヴをやってても痛感する事で。ですけど、海外では王道や正統派ヘヴィメタル、80年代を意識したような若いバンドが世界中で数え切れないぐらいどんどん出てきているのに、そういった土壌が日本には無いんですよね。でも、それって、僕らにも責任があるんじゃないかなってすごく感じてて、ならば、僕らがそういったバンドになお一層ならなければならないし、若い人達に「カッコいい!」と思わせるような音楽を作らなければならない。これは凄く感じてた事。尚且つ、例えばスピードのある音楽しか聴けない人っていますよね。そうなると、スラッシュメタルとか速いものになっていくんですけども、でも、元々、ヘヴィメタルって破壊的なパワーとスピードを持っていたはずなんですよ。それがスラッシュメタルやブラストビートの速さとはちょっと違うんですけど、でも、僕らの出せる音楽でスピード感のあるものを出したらどうなるかなって思って、楽曲を作っていった結果、こういった楽曲になった。そこは凄く意識しましたね。


結局、簡単に手に入れたものは、簡単に失ってしまう、“Easy Come Easy Go”

--- 今作の収録曲ですが、よりベーシックなヘヴィメタルになりましたね。


杉内:そうですね。結局、僕らは今回に限ったわけじゃないんですけど、自分達が若いバンドと同じ事をやろうとは全く思ってなくて、これまでに通ってきた音楽のルーツをそのままストレートに出しているだけなんですよ。そうでなければ自分達の存在意義が無いし、やってきた事に対しての胸を張るところも無いので、とにかくルーツをストレートに出して、自分達の作りたい音楽を作りたい音で作ったのが今回のアルバムであり、僕らが聴きたい音楽を体現した結果の産物だという事が一番ですね。


--- 今作は閉鎖した映画館に機材を持ち込んでのレコーディングという形でしたが、このような方法を選択した理由を教えていただけますか。(先の映画館は改装され、現在は「Tapestry Recording Studio / タペストリー・レコーディング・スタジオ」として生まれ変わった)


杉内:もう、これは意地ですね。デジタルが出てきてからというもの、デジタルの恩恵というのは僕らも受けてはいるんですけれど、そのデジタルになり過ぎちゃって、何でもモノがイージーに作られていく世の中、それが何か嫌だなっていうのはメンバーといつも話してて。結局、簡単に手に入れたものは、簡単に失ってしまう、“Easy Come Easy Go”って言ってるんですけれど、そういうものが多くて。デジタルになって、尚且つCDというものが出てきてから、誰もがミュージシャン、誰もが作詞・作曲家になって、作品という形で出せるようになった。しかも、プレス代とかも安い。だから、「プレス代とかが安いのに、何でこんな高い値段で売ってるの?」って、どんなアーティストだって言われるわけですよ。でも、本当に力を入れて、時間を費やして作ったものと、そうではないものとは明らかに違うはずなのに、聴く側は(制作の背景等を知らずに)全部一緒くたに見て、これもあれも一緒だよねって、モノの良し悪しを判断出来ない人達が増えたと思うんですよ。


--- 例えばペン一つをとっても、100円ショップで売っているものと、そうではないものの差ってありますからね。


杉内:そう。100円ショップで売っているものと、国内のメーカーの職人が丹精込めて作ったものとでは、書き味の一つをとっても違うように、それと同じように、もの作りの中には言い方が悪いかもしれませんが、似ていても全然違うモノを作る人とモノを後世に残し影響を与え続ける人との境目があったはずなんですよ。いつの間にかその境目がどんどん無くなり、そういった中にアンダーグラウンドやメジャーといったシーンも存在することになり、しまいにはアンダーグラウンドがカッコいい、メジャーはダメだという連中が出てくるようになって。僕らSOLITUDEはメジャーだとは思った事が無いけど、でも、別にアンダーグラウンドだと思った事も無くて、ただ、やりたい事をやっているだけ。それって70年代や80年代、NWOBHMのバンドが出てきた時、更に遡ればパンクもそうなんですけど、当初はメジャーのレコード会社が自分達の音を取り扱ってくれないから、自主製作の7’EPを制作して、スーパーマーケットで売ろうよって発想で始まったはずなのに、いつの間にかアンダーグラウンドである事が美徳であり、悪い言い方をすれば隠れ蓑的になっちゃってて、アンダーグラウンドだから音が悪くてもいいんだよ!だとか、そんな考えの人達が増えてきているように感じられて、それはおかしいんじゃないかなって思うようになったんですよね。僕らみたく70年代やNWOBHMを体験している身としては、あの当時アンダーグラウンドのフィールドにいた連中って、本当はメジャーに行きたかったけど、行けなかった連中がそう言われただけであって、最初からアンダーグラウンドを目指していたはずではないでしょと。もしかしたら、僕の考え方とは違って、元々アンダーグラウンドを目指してるバンドもいるのかもしれない。だけど、それじゃないんだなっていうのがあって、そういう人達に僕らのメジャーでもアンダーグラウンドでもなく、そういう意識をしてないものを見せたかった。あと、バンドの活動のスタンスで感じてた事なんですが、SOLITUDEってメジャーでもアンダーグラウンドでもないから、中途半端な立ち位置のバンドだと思われるように感じてたんですよ。だけど、僕らは自分達でいい作品を作って、いいプレイをするっていうのが原点なので、別にさっきのような事を思われてるんだったら、もっとそれを研ぎ澄ませていかなければ、皆が納得してくれないんじゃないのっていう意地みたいなものがありましたね。レコーディング方法もそうですし、曲作りも、ジャケットも全部意地ですよ。


--- これまで以上に力が入った作品だと感じましたね。


杉内:今のシーンに対して、かなりの危機感を感じてますね。確かにカッコ良ければ関係ないんですけどね!間口が広くなるのも結構。


--- 先の話にも出てきましたが、アンダーグラウンドをよしとするのが美徳だというのも変な話だと思います。


大内:楽になっちゃダメなんですよね。カテゴライズに入ると、とりあえず安心するじゃん。それがサムいなあって思いますけどね。


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