記事公開日:2015/10/15

「面白いと思うんですよね、今回の作品は肩の力が抜けて素直に作れたので。自由でしたよ。でも、コテコテのブラストも、スラッシュも、サイコビリーも、THIN LIZZYもスジは通っていると思うんすよね」こんな言葉をインタビュー終了後に放っていたMAZZY。リラックスした雰囲気であったが、この作品に対する絶対的な自信を感じたし、「俺たちはこんな作品を作ったぜ。お前たちグズグズしていると置いていくぜ」という聴く者への挑戦状とも思えた。覚醒した4匹の野獣が日本のラウドシーンの喉元に噛み付いたとも言うべきAWAKEDの最新作「ELEGY」。それについてMAZZYとYUKIにたっぷりと語ってもらった。ヘヴィメタル?ハードコア?ジャンルの壁を超越したAWAKEDの咆哮、逃すべからず!
AWAKED

AWAKED

MAZZY<Vo>(ex-SUNS OWL)
YUKI<G>
NAO<B>(ex-gnash、ex-藹々番地、ex-OCTPUS PRIEST)
HxSxO<Ds>(BUTCHER ABC、INTESTINE BAALISM、ex- OCTPUS PRIEST)

AWAKED:MAZZY<Vo.>, YUKI<Gt.>
インタビュアー:別府伸朗

泥臭くてメチャクチャでゴチャゴチャしている。その暴走機関車ぶりが俺たちなのかなって。

--- ニューアルバム「ELEGY」のテーマみたいなものはありますか?


YUKI:俺は無かったな。


MAZZY:僕たち(MAZZYとYUKI)の中で特に無かったですね。HxSxOも無かったし。ただ、ソングメーカーのNAOが言っていたのはシンプルとキャッチーさを狙っていたと。それはこの間、初めて聞いたけど。シンプルで旋律が聴こえる様な、展開も多くないものを狙っていたとか豪語していて(笑)。歌が載る前に聴いた時はちょっとポップな感じで大丈夫かなと。HxSxOと僕は、YUKIとNAOと比べるとそれほど長い付き合いではないから、大丈夫かなまとめられるかなという不安がありました。僕がスタジオに曲作りに参加できない時があって、2~3回曲の作り込みをした後に聴いたんですよ。キャッチーな感じだったので、歌を載せた時に悪い感じの不良ロッケンロール風にしてみた。そしたら色がガラリと変わって良かったというパターンが多かったですね。


--- 今回の作品は前作以上にジャンルに当てはめるのが難しいですよね。


MAZZY:それは分んないっす。それは逆に訊きたいし、一番の悩みだね。1stはawake時代(2010年にAWAKEDに改名)のものをキチンとやりながら、新しいエッセンスを少しずつ後から入った二人(HxSxOとMAZZY、2007年加入)が入れていければ良いかなという感じのニュアンスだったんですよ。四人が四人を理解しあえた作品だと思う。それが今回の作品はそれを超えてのものなんで、特に目標らしい目標も無く、気持ち良くできたのかなと。拘りというものは全員が納得するということ位で、全員が楽しいとか気持ち良く作ることができたかなと。本当に言ってしまえば自由だよね。


--- 今回、作品を聴く前に自分の中でチェックしようと思ったものがいくつかあって。その中に一曲目で「誰から始まる」というのがあったのですよ。MAZZYさんのヴォーカルか、YUKIさんのギターか、HxSxOさんのドラムかとか。そうしたらNAOさんの悪そうなベースから始まりましたね。


MAZZY:あの「ウドゥウドゥ」いうやつね(一同笑)。


--- そういったことも含めて曲順とか考えていたのですか?


MAZZY:何となくですけど、一曲目はイントロみたいなもの、1stでいう「Third Eye(※1stアルバム Trk.#1)」みたいな曲にしたいというのはおぼろげながらにはあったんですよ。だけどできあがった曲の並びでそこは壊してもいい感じだった。それで冒頭の部分はああいった形で納まった。最初はヴォーカルも入れるつもりはなかった。でも、聴いていたらカッコ良かったから俺も(ヴォーカルを)載せたいと。それで少し浮遊感を持たせたメロディでやってみました。


--- あの歌い方はMAZZYさんの中では珍しいと思ったのですが。


MAZZY:そうですね、あまりやらないパターンですね。でも、ずっとやりたかったパターンなんですよ。そこまで得意でもないし未知数なものだったけど、やってみたら良いんじゃないって感じになりましたね。


--- 前作と同じく日本語詞ですが、日本語の載せ方が前面に出た感じがしたのですが意識をしましたか?


MAZZY:そうなんですよ、それは凄く意識しました。究極の目標なんですけど、前作は「メロディラインやアンサンブル、塊としてのグルーブを大切にする」ということをテーマにしていたので、意味というものも、表現したい言葉というものも、そちらのグルーブに寄せていった。韻をきちんと踏んで、自分が言葉として逸脱しない様な形で作品に仕上げたんですよ。それを今回は痛烈な単語や感情表現を直接そこに書いたものでぶつけたかった。その方が日本人として生きている自分としては自然かなと。メッセージ性も色々な比喩やリズムの縦のラインや横のラインをキチンと載せるとなると、本当はキツイ言葉で載せたいけど言葉をよく分らない曖昧な言葉にしなければならないことってあると思うんですよ。そのルールをぶち壊した。こう言いたいとなったらこう載せるとワガママを言って。「こう来たんですね」と。それをレコーディングの寸前まで繰り返して。だからそこの違和感とか、そこが前回と違うというのはその通りで。そこを一番意識しました、僕の中では。普通のヤツがこの単語で歌うとカッコ悪いという世の中を、自信持ってカッコ良いと。やってカッコ良いと言わせたら勝ちだなと。


AWAKED / MAZZY<Vo>

AWAKED / MAZZY<Vo>

--- AWAKEDの前は英語で歌っていたと思いますが、歌詞の載せ方も発音も全く違うと思うのですが。


MAZZY:違いましたね。発音はちょっとした語尾の韻とかは気にしましたけど、それ以外はとにかく感情を出していくということにシフトしました。


--- 英語詞と日本語詞だったらどちらが歌に載せるのが楽でしたか?


MAZZY:日本語ですね。日本語の方が感情を入れられるし。「FUCK」と言っても、普段誰かに「FUCK」なんて言わないし。「テメエ、この野郎ぶち殺すぞ!」って方がきますよ。それを音に入れたいし、それを聴く殆どはライブハウスに来る日本人だから。「俺、怒っているんだよね」って、本当の口語的なものを伝えたかった。この間の某インタビューでも言ったのですが、僕が18~20歳の時だったかな?高円寺20000Vで活動していた狂乱ってパンクバンドがいて、そこのヴォーカルが歌う日本語がとにかく痛烈だったんですよ。「殺す」とか「死ね」とか本当に凄かったんですよ、超パンク!それを英語に直せば「FUCK」とか「KILL」になるんですけどね。とにかく痛烈な言葉をドロドロとした言葉で入れていってたんですよ。オーディエンスとしてそれが分って見えていて、とにかく恐かったんですよ。凄い気持ちにさせられて、パンクって凄い、言葉って凄いって。そしてこんな気持ちにさせられるんだって。例えば僕が好きなPANTERAやSLAYERだったりとかを現地の英語が分かる人が聴けば(日本人である僕たちよりも)、ピンとくると思うんですよ。その気持ちを感じて欲しい。それはHIZUMIさん(JURASSIC JADE)もそうだと思いますよ。そういった人たちの音楽は面白いし、好きですよ。僕はソッチ側でありたい。英語で歌ってもアメリカン大好きなアメリカンナイズされた人には良いとは思うんですよ。でも僕はそうではないんですよ。ライブに来ているお客さんの9割9分は日本人ですから、そういった人たちに理解してもらいたい。僕たちがどういったバンドか知って欲しい。そういった所の表れですね。


YUKI:俺は日本語の方が好きですね。それの方が伝わると思うし。特に狭いライブハウスみたいなところで英語だと、ヴォーカルが何を歌っているのか分らないことが多いことがあって。それが日本語だと聴こえるし、母国語だから言っている意味も直ぐに分る。例えば俺らが海外に行ったとしたら、(歌詞を)英語に直すのは反対です。そこは日本語で行けばいいのにと思います。だってLED ZEPPELINが日本に来たって日本語ではやらないでしょ。


MAZZY:せっかくこの国に住んでいて、この国の人にしかできない発声方法があって単語の組み合わせだからそれを生かしたいですよね。


--- それって日本のロック界の永遠の課題かと。ロックって英米から輸入されたものだから英語でやらないというのと日本人なんだから日本語で歌った方が自然だとか、そんな論争もありましたから。


MAZZY:どういったジャンルのどういった音楽に近寄らせたいというのだったら、そういうのもあると思いますが、僕らみたいな全楽器陣がよく分らない個性的な音を出しているバンドはどうなのかと。どこかに寄せていくのはおかしいかなとも思って。勿体無いしね。好き勝手やってそれが個性になって魅力になるのか、一番の僕らの、何だろう・・・、ポリシーかな。


YUKI:言葉としてよりも「音としての日本語」、そんな感じで日本語を使っても良いのかなって。音として捉える日本語。


MAZZY:ポルトガル語っぽい載せ方の音楽に似ていると思うし、南米的なものもそうかな。ブラジル的なのも。でも日本語って繊細な部分もあって、例えば一語一語はっきりと「ア!イ!ウ!エ!オ!」まで言わなくても伝わる微妙なところとか。まだその微妙なところを僕はできていないけど、いずれ出していきたいですね。


--- 今回の作品は根っこの部分はしっかりと繋がっているけど、色々な表情の曲が並んでると感じたのですが。


YUKI:ギタリストのエゴとか無くって。曲作りはNAOと二人でスタジオに入って、あっちが作ってきた曲を教えて貰ってからギターのフレーズを考えてという作業をして。(NAOからの)注文もあるし、その曲はこういった感じだからそれしかないでしょって。必要最低限なシンプルにやって。できあがってみたら曲がバラエィに富んでいるなと思って。


MAZZY:全メンバーが全メンバーに対してあんまり干渉しないんです。スタジオでは殆ど干渉しないよね(笑)。スタジオでも極たまに「ここは譲れないよ」ってところをチョイチョイやりあう位で。殆どは「いいんじゃん」「らしいよね」「そうそう、その通り」って、勝手にやって勝手にできあがったからこれで良いよって感じ。


--- でも、4人が4人の音で聴くとバトルしてますよね。


MAZZY:その感じが泥臭くてメチャクチャでゴチャゴチャしている。その暴走機関車ぶりが俺たちなのかなって。「今回のアルバムはこういうテーマでこの曲はこういう感じでいって作ろうよ」っていうのはできないですね。みんな頑固だから。ドラムはドラムであんなだし、ベースもギターもメチャクチャやりたいようにやっているから(笑)。僕も言う事きかないですし。「やりたいって言ったら、やりたいんだ!」って、そうなったら「じゃあ、やろっか」って。


--- 今回のレコーディングで苦労したところはありますか?


YUKI:俺は結構早く終わったし、別に(無い)。トータル1週間で、全員前回より作業はササっと終わりました。


MAZZY:前回は肩に力が入っていたから、1stだったし。今回は2ndだしね。別に気を抜いているのではないですが、らしくというか自然に出たものが俺たちでしかないし。こういうやつ等だってことも認識されているし。前作よりも今回の作品が面白いと思って欲しいなって位はあります。どうなんすかね・・・(暫く沈黙)、何か良いことを言いたいけど無いんですよ。


--- それだけ自然体だったんですかね。


MAZZY:凄く自然体にやれました。無理した?(とYUKIに振る)


YUKI:全然。リハスタでやっているのが場所と風景が変わっただけの感じ。HxSxOがレコーディングを録る曲順を気にしていた位かな。


MAZZY:きっちり(笑)。


YUKI:あとは皆で「次、はい次」って早かったです。


MAZZY:(録る曲順を気にしていたのは) HxSxOの膝とかにダメージがあって、体力の部分とかも気にしないとだったから。


AWKED / HxSxO<Ds>

AWKED / HxSxO<Ds>

今までの年輪という部分での哀愁を伝えたかった。そういったことでの哀愁と挽歌。

--- 「ELEGY」ってタイトルに込められたものはありますか?


MAZZY:僕たちのバンド名がAWAKEDで1stが「BLOOD」、次はCが良いのかDが良いのかとか考えたんですよ。アルファベットがずっと続いていく感じでの良いかなとか。でも「~OF~OF」とか長いものは考えていなくて。スパンと短く決めたかった。これは言葉の勢いでもあり、ELEGYの意味での挽歌とか。哀愁というか、戦っている男の背中ってカッコイイじゃないですか。キズだらけなんですよ、皆長いこと激しい音楽をやってきて。NAOはレコーディング当日に謎の手の腫れが右手に出て、パンパンに腫れた手で弾いてたり。HxSxOは膝がぶっ壊れてたり。僕は体調があまり良くなくて、喉がヤバイねとか言いながらのレコーディングでした。YUKIは全然無敵だったよね(一同笑)。僕たちはスマートに生きているわけではないし、スマートに売れてきたわけでもないんですよ。今までの年輪という部分での哀愁を伝えたかった。そういったことでの哀愁と挽歌。戦いの挽歌じゃないですけど、戦い続けてきた結果がこれだということ。戦う時には怒りも勢いも必要じゃないですか、悲しみも悩みもそこにあるし。そういった感情の塊、ハードコアでエクストリームな心の塊の中にいる。アートワークにもそういったエッセンスを盛り込みたいなと思って。だからジャケットの表では怒り狂って、今から殺しに行くぞって自分たちの気迫を込めて。それで裏を見るとまさに「ELEGY」なんですね。あれは遠吠えに見えるし、風とか雨の中に決して負けないぞって前に進んでいくぞって意味を込めてます。


--- 歌詞を読むと怒りに満ちてると感じたのですが、タイトルはその逆をいっていると思っていたんですよね。


MAZZY:怒った後って、怒って良かったってことも、後悔したことも悲しくなることもある。失うこともあるし。そういったことをずっと繰り返しているんですよ。僕はこういう風に不器用に生きてきたんで。それを共感してくれる人が喜んでくれたら良いかなって仕上がりになってます(笑)。


--- アートワークは4人の化身で合ってますか?


MAZZY:そういう感じで動物に例えたらと絵描きの人間と相談したら、ああいった感じになりました。


AWAKED / ELEGY

AWAKED / ELEGY

--- 誰がどの動物とかは教えてくれるのでしょうか?(笑)


YUKI:それは内緒でしょ(笑)。


MAZZY:それを言っちゃうとね。干支も関係ないですよ(笑)。


--- それと4匹の野獣のそれぞれTHIRD EYEが開いてますよね。


MAZZY:そこに目があったらピンとくるじゃないですか。僕らのアーティスト名は『AWAKED』だし。「覚醒している」「普通じゃないよね」「他の力が出てきてる」といった気持ちでやっているし、そういう方が良いんじゃないかって。世の中のルール、理屈や理論に右へ倣えや気をつけするんじゃなくて、皆それぞれ色々なポテンシャルを持っているんだからそれを開放しようぜって。俺らも開放していくし、見る人も聴く人ももっともっと開放していくし。人間ってもっとやれるでしょって。


--- 開放という意味で凄く深読みかもしれませんが、「Mind(Trk#8)」の歌詞に「今夜オマエ何見せてあげよう」と繋がっていたりしますか?


MAZZY:全体的に繋がる部分があるので、あそこだけではないですね。


--- そうなのですか。あの歌詞が凄く突き刺さったので。


MAZZY:あれはTHE STREET SLIDERSですから。実は今回僕の中で「リスペクト」が盛り込まれていて、気が付いてくれる人がいたら一緒に飲めるなってのが実は沢山入っているんですよ。今回THE BLUE HEARTSも入ってますから。


--- それは歌詞の部分ですよね。リフにもそういったものが込められていますか?アレっと思ったところがあったので。


YUKI:それは「Mask(Trk#7)」ですか?(笑)。あの曲が面白くて、最初にこういった曲ができたって持って来て。その時に「アレ」をイメージしたって言っていたんですよ。


MAZZY:「Mask」なんてTHIN LIZZYですから。


YUKI:(THIN LIZZYの)「Jailbreak」なんですよ。


MAZZY:「Mind(Trk#8)」はMOTÖRHEADだし。


AWAKED / YUKI<G>

AWAKED / YUKI<G>

--- 「Mask」「Mind」と続いていく後半の流れが最高ですよね。「Hawks(Trk#9)」なんてリズムがサイコビリー風じゃないですか。


MAZZY:あれは曲名が決まるまでは仮タイトルが「サイコビリー」でしたからね(笑)。


YUKI:でもコード進行はIRON MAIDENと一緒ですからね(一同笑)。


MAZZY:そういう仕掛けがあるんですよ。


--- もう随所にそういったものが仕掛けられているんですね。


MAZZY:「こんなことをやっちゃっていいの?」ってラインが僕たちでも分らないんです。僕たちがどういったジャンルであるのか、どういうアーティストであるべきかとか、そういったことは分らないし決めたくもないし。「Hawks」も最初は「何か変なの持ってきたね、スラップぽくてサイコビリーみたいだね。いいの?」って。


--- あと今回の曲の並びってA面とB面を意識した並びとかになっていますか?


YUKI:前作はそんな気がしたけど、今回は無いかな。


MAZZY:アルバムを通して聴いてくれる人がいるなら、この流れで聴くのが一番オイシイですよってのを気にした位。この流れがコース料理になってますよって。


--- コース料理ですか!それで納得です。


MAZZY:美味しく食べられる並びになってますから(笑)。


--- アルバムタイトルと同じく、曲のタイトルもシンプルでスパンっとした感じですよね。「Tower(Trk#11)」って確か最初ライブでは「Tower Of Holocaust」って言っていたと思うのですが。


MAZZY:そうです。それは「Tower Of Holocaust」にしちゃうと暗黒に寄り過ぎちゃうので。そうなると暗そうな悲しくて殺伐としたイメージになるじゃないですか。そういった風にタイトルで思われちゃうのがイヤで。ギリギリまではそうだったんですよ。それで普通だったら「The Tower」ですよね。でも「Tower」は「Tower」だろって。これ「Mask」、これ「Mind」、これは「Tower」、それで良いかなって。


--- 簡潔な単語にして聴く人の想像力をかきたてるということも特には無かったですか?


MAZZY:そこまでの戦略はまるで無いですね。でも、もしそういった風になったら楽しいですね。


--- 「Tower」の話になったのでもう一つ。使われているSEって何なのですか?


YUKI:渋いっすね(笑)。


MAZZY:渋い質問持ってきましたね(笑)。(「Tower」のSEは)ある演説を逆回転させているんですよ。少しメッセージ性のある、想像させる、ある有名な政治家/有名人が演説しているものを逆回転させて。そこに賛美歌的なものを歌っている子供たちの曲を逆回転させて一緒にして。それが不穏な感じというかCHAOSなものにしたかった。それは「Tower Of Holocaust」っていう部分ではなく、音で何か凄いぞってのを出したかった。政治的ポリティカルな部分に寄り過ぎず、そういったものを駆り立てる演出で雰囲気を出したかった。


--- そのSEに使われているものは何かっていうのは教えていただけるのですか?


MAZZY:こういうのは言わないほうが良いよね(笑)。もしそれが分ってしまうと「反~」とか決まっちゃうじゃないですか。あの曲というのはTHE BLUE HEARTSの「アノ曲」なんですよ。他のメンバーも気が付くかなと思ってたけど。


YUKI:勿論(笑)。


--- この曲ができた時にMAZZYさんが「ヤバイのできました」って言っていたのが印象に残ってて。


MAZZY:「Black Swan(※1stアルバム Trk.#3)」のできた時が僕らの第一の過渡期だったの思うのですよ。あの曲は僕たちのそれぞれのパートのカッコイイエッセンスが凝縮したヤバイ曲が出来たって当時話していて。次にできたのが「Tower」なんですよ。僕が少しだけこういった感じの曲をやりたいんだよねってちょっぴりだけエッセンスに他の皆が9割がた肉付けしてくれて。それでああいった壮大で勢いのある作品になりました。後半のブラストになったり速くなっているパートの歌詞は壮絶っすよ。僕のメッセージをあそこに込めてます。痛烈過ぎたかなって思っちゃう位(に壮絶)。


--- それだけ強烈だと、その曲がバンドのイメージだって言われちゃうのも・・・


MAZZY:違うんですよ。沢山ある表情の一つなんですよ。それもELEGYだし、それを感じてTHIRD EYEを開くのもそうだし。


--- 話をきいていると、今回の作品は曲を聴いて歌詞を読んで深読みの作業ってありそうですね。


MAZZY:凄くあると思います。前作よりもかなりあります。30代中盤以降、何だったら40代中盤から50代に手が届いている人たちの方がヤバイよねって読み取ってくれるかなって。20代前半の子は反応しないかなと。してくれたら凄く嬉しいけど。


--- 逆にそういった子たちにどうやったら届いたり、届けたりできると思いますか?


MAZZY:若い子たちは丁寧に生きているから。ヴィーガンで食べ物に気をつけて、タバコも吸わないで、お酒も飲まないで健康重視、お金も無駄使いしないで。だからといって周りにいる人たちに優しさを与えたりというのがハッキリと見えないんですよ。「個」が重視されている感じで。昔はすぐ手を伸ばせば仲間や友達がいて、暖かさや血や涙があったり。そこに体温があったんですよ。でも今はそんなに体温を感じない時が多くて。それは僕たちが若い頃に先輩達が感じていた僕らのイメージと同じかもしれない。単純に歳をくったからかもしれない。そういったスタイリッシュに生きている人たちに5年後位に来るかなって。そのうち「飽きる」と思うんですよ。そういった若い子に音楽を届けることを放棄しているわけではないですよ。若い子でもマイノリティに刺さるんですよ(笑)。メッセージとか暑苦しいところでなくても、「HxSxOさんのブラスト、ヤベェ」とか、「NAOさん、ベースすげぇヒドイ音」とか(笑)。「ギターのYUKIさん、スゴイ滅茶苦茶」とかも良いですけどね、「MAZZYさん、太りすぎ」それもOKです(笑)。アンチテーゼですよ、僕の中では。


--- それはスタイリッシュなものに対しての?


MAZZY:『生命力』ですよ。戦い抜く生命力みたいなもの。


--- 今の若い子はスマートですよね。音楽を聴くにしても、遊ぶにしても。


MAZZY:失敗を恐れていたり、成功を求められ過ぎていたりとか、何かあると思うんですよ。上の世代の人たち、バブル世代の人がお金で失敗したりとか。そういった人たちが親であったりとかで見ているから、質素に生きていかなくちゃいけないというのがどこか根っこにあって、心にダメージがあるかもしれないですね。だからそこまでチャレンジできないし。皆が教科書どおりになりすぎちゃっているけど、生きるってもっとシンプルだし、命もシンプルだと思うんです。特に日本は生まれてから死ぬまでこんなにスムーズに生きられる国なんて無いし。そういったことに対して、色々と見たら掴めるものあるしというものは伝えていってあげたい。それはアーティストとしても人間としてもね。「MCとかどうでもよくね~」とか「何でここで絶対頭振らなくちゃいけないの」とか「何でTwitterやらなくちゃいけないの」とか、もっと何かあるじゃんって。自然体ですよ。皆、教科書通りにしちゃうから面白くないんですよ。


--- そういったところからAWAKEDは真逆の位置にいますよね。


MAZZY:そうですよ、レコーディングでもクリック使いませんから(笑)。


--- 野蛮で泥臭いですよね。


MAZZY:面白いって言わせる自信はあるし、ジャンルなんてメディアが作ったもんだし、最近はいいよそんなもんって。これだけジャンルが細分化されてきたのってここ15年?それ位じゃないですか。昔なんてレンタルCD屋の棚なんて全然別れてなくて、そういったのって大切だと思うんですよ。それを引っくり返すアクションというのはどうしたら良いのか分らないけど、やり続けるしかないのかなって。メタル、ハードコアだったのが、何たらメタル、何たらハードコア・・・、もう分らないし。そこで線引きされすぎたことで面白くなくなってきたことが多いと思う。


--- AWAKEDは線引き関係無いですよね。


MAZZY:もっと活動の場を広げたいですけどね、営業力無いけど(笑)。


とにかく「アツイ」ヤツとやりたいです。とことん自分をやり抜いているヤツと。

--- そこでですが、今このバンドとやってみたいというのはありますか?


MAZZY:ラブコールですか?(笑)。細かいジャンルで言えば色々ありますけど、とにかく「アツイ」ヤツとやりたいです。とことん自分をやり抜いているヤツと。僕とYUKIはGUEVNNAが大好きですね。あと僕はもうZAGIO EVHA DILEGJ大好きで、今もシャツを着てますから。あとこの間熊谷で見たTainted DickMenも最高でしたね。ジャンルが好きというのではなく、見ていて「快活」なんですよ。もう「スカッと爽やか、コカコーラ」みたいな感じ、あの感覚なんですよ。やりきっていてとにかく見ていて気持ち良いんすよ。曲も分らない、音もガーっとしているけど、ステージでの一生懸命戦っている姿とか集中している様を見ていると「こういうもんでしょ、ロックって」と感じます。そういたものが本当に好きなんですよ。


YUKI:人間椅子とやってみたい。中学生の頃からずっと好きで、ドラムは変わっているけどフロントの二人は変わってないですからね。スゴイなと思って25年になります。


AWAKED / MAZZY & YUKI

AWAKED / MAZZY & YUKI

あと僕はもうZAGIO EVHA DILEGJ大好きで、今もシャツを着てますから

--- また人気再燃してますからね。


YUKI:それで嬉しいけど、ちょっと寂しいんですよね。遠いところに行ってしまった感じで(笑)。


MAZZY:大御所だからね。そういった好みも皆バラバラなんで、面白いですよ。それぞれ知らない単語がポンポン飛び出してきますからね。そういった部分では僕が一番薄いですね。ザックリと良い感じだったら好きかなって。HxSxOからはD'ERLANGERって単語も出てきたし。


YUKI:オカズとか借用しているみたいだし(笑)。


MAZZY:X-JAPANとかENTOMBEDとかも好きって。


YUKI:ニッケ・アンダーソンが好きみたいですよ。


MAZZY:AIONといったのも出てきたし。NAOは割りとベタなヤツが好きだよね。いつもMORBID ANGELのシャツ着ているけど・・・。


YUKI:デスメタルが好きなんじゃなくて、MORBID ANGELだけが好きっていう(笑)。


MAZZY:MORBID ANGELって存在が好きみたいで。あとMr.BIG、IRON MAIDEN、MEGADETHといったバンド名はよく出ているけど、突っつくと浅くない感じの返答が長くて大変なんで(一同笑)。「OK、大丈夫だよ。好きなら良いじゃないか」って(一同爆笑)。YUKIはAC/DCやMOTÖRHEADも大好きだよね。


YUKI:俺もベタですよね。


MAZZY:しょこたんも好きだし(笑)。


--- 弦楽器隊はベタなところ好きですけど、出している音は個性があって、言ってしまえば変態的ですよね(笑)。


MAZZY:何でなんすかね?


YUKI:目標というか好きな感じはAC/DCとかLED ZEPPELINの音を現代風にアレンジしたギターの音を狙っているんですよ。


--- 二人とももっとテクニカルなものを狙っているのかと思っていたのですが。


MAZZY:シンプルですよ。NAOに関しては一緒に車に乗っている時に、「そんなに変拍子や何やらテクニック的なものがあるならMESHUGGAHとか好きなんじゃない?」って言ったら「全然ダメです、血が通ってないです」って(笑)。僕は大好きだから「ウッソ~、血が通ってるじゃん」って言っても、「ああいうのはダメです」って言うんですよ(爆笑)。だから分らないです。トリガー感とかがダメなんだよね。


YUKI:ちゃんとしたAメロ~Bメロ~サビじゃないからダメだと。


MAZZY:それがダメなんだ。


YUKI:サビでこういった壮大なメロディじゃないとって。


MAZZY:これは機会があれば彼の深みなのか別途訊いて欲しいですね。彼は変わっているので(一同笑)。出音もそうだし、エフェクターの並びもそうですよ。それで一番変わっているのが好きなラーメンなんですよ。誰も食べないような家系の豚骨のベタベタでドロドロなヤツ、これはスープでないよ固形物だよってのが大好きなんですよ。ちょっとさっぱり美味しいラーメンや連れて行っても、「全然パンチ足んないっす」って(笑)。お腹壊して具合が悪くなる位に濃い、イッているのが好きなんですよ。


YUKI:(ラーメンを食べた帰りは)気持ち悪くならないといけないらしいですよ(笑)。


MAZZY:あっさりなのを食べさせると不機嫌な感じで「全然来ないっす」って。本当に変わってます。


YUKI:そんなに濃いのが好きなクセに超猫舌ですからね(一同爆笑)。


MAZZY:ライス頼んでそれで舌を冷していますから(笑)。アイツを掘り下げたら面白いし、ああいうヤツが天才でアーティストなんでしょうね。センスもそうですよ。ズボンにジャラジャラ沢山着けてたりして。「それ全部使ってるの?」って言うと「全然使ってないです」って(笑)。「何で、何でそうするんだよ」って言えば「何かカッコ良くないっすか」って、もう好きなことをやっていいよ、君はその道をいこうって(爆笑)。


AWAKED / NAO<B>

AWAKED / NAO<B>

--- こういう話を聞くと、バンドの仲はかなり良さそうですね。


YUKI:この前、バーベキュー行きましたから。


MAZZY:毎年恒例のバーベキューを屍(現在活動停止中)とAWAKEDとサトツ(END ALL)とで行きましたからね。少しずつメンバーが増えていって、僕たちの中では重要なファクターになっているのですよ。それが無いと一年が終わった気がしないんですよ。最初はいつもライブハウスやスタジオで会っているだけだとツマラナイよって僕が言って。暗くて陰気臭いところでタバコ吸いながらお酒飲んで話しても、大した話はできないよって。勝手な論理ですけど、外で広い空と近くに川が流れていて肉の焼ける美味しそうなニオイがあったらいつもとは違う話ができるんじゃないかって。そこから知り合える根っこや人間性という部分で繋がりたいんだよねって。それがカッコよく言えばあったんですよ。それをマメに毎年続けていったんですよ。一回だけ天気が悪い時があって開催できない時があったんですよ。屍のベースのタツヤ君が「あれをやってくれないと夏が終われないっす」って、「それ分かる分かる。俺たちもそう思っていたよ」って。今年はレコーディングも終わったし天候も良かったから、音楽の話は半分した様なしない様な感じでした。肉焼けたから配って食べて、暑くなったら川に飛び込んで。適当ですよ。その絆というのもあるから。


YUKI:(MAZZYは)何もしないようですけど、朝一番に行って場所取ってますから(笑)。


MAZZY:場所取りして、テント持ち込んで、鉄板やら何やら運んで、火をおこしたりしてます。


--- マメですね。イメージ的には逆だったのですが(笑)。


MAZZY:楽しいんですよね。


YUKI:その日だけはスゴイです(笑)。


MAZZY:それに関してはちょっと影響されたバンドがいて、前のバンドの時にオーストラリアにツアーに行った時に仲良くなって。そいつらはFRANKENBOKてバンドで、ロードランナーオーストラリアから作品をリリースしていたのかな?そいつらは一軒家を借りてるのか買っていたのか。向こうの家ってでかいじゃないですか、それで壁なんかピンクに塗っていて壁にはメタルやらハードコアの色々なものを貼っていて。スプレーでも落書きしていて、ここに扉が欲しかったってハンマーで崩して人がそこから出入りしていて、メチャクチャですよ。その家の中の一部屋がスタジオみたいになっていて、ヤツラはそこで練習しているって。部屋のニオイは柔道部でした(一同笑)。庭には木が二本あってハンモックがぶら下がっていて。そいつらに家に招待された時にバーベキューをご馳走になって。バーベキューとなると近所のメタルやハードコアが好きなヤツラが集まってきて。庭では酒飲みながら分厚くて固い肉を食べて、ハンモックでリラックスしながら一服して、爆音でSOULFLYとかも流したりして。家と家との間隔も離れているから音とかは気にしなくていいし。それで仲良くなれたし、スタジオで練習しようあれしようこれしようってよりも人間らしい付き合いができるなって。それがヒントなんですよね、人間らしい付き合いをするならって。それでバーベキューを開催したら楽しくて、色々な人間の別な面も見られたりね。こいつはスタジオでは遅刻してこないけどバーベキューは遅刻して来るとか、あいつは仕込んでくるんだとか、そいつは片付けの時は動いてくれるんだとか。そういった部分が見えてくると人間的に面白いし。HxSxOが川でかなり先まで流れていく様を見ているとか、ゾウリの片足を無くす人がでてきたりとか(笑)。


--- 私生活では仲の悪いバンドとかの話も多いのを耳にしますけどね。


MAZZY:青い空、白い雲、木々、山がある、川がある、一緒にいれば友達ですよ。一緒に焼いた肉を食おう(笑)。そこにアコースティックギターと小さなステージがあって何かできればもっと良いかもですけど。オススメですよ、ツアーにバーベキューセットを持っていって全国に行きたいですよ。ここはAWAKEDの重要なファクターですから(一同笑)。変な話を凄く膨らませちゃったよ(一同爆笑)。


【AWAKED / skull and bones】kampsite.jp - YouTube

ライブ全編を御覧になられたい場合は、下記のURLをクリック!! ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ http://www.ustream.tv/recorded/21633489 ========================== 【skull and bones/AWAKED】 AWAKED http:/...

--- 最後にこのアルバムを引っさげてやりたいことと、次のアルバムまでの課題みたいなものはありますか?


MAZZY:アルバムを引っさげてやりたいことは、近くの日程で言えば仙台まで行きますけど(※10月3日、公演済)、それまでは北は茨城で南は名古屋までという小さい活動をしていたので北では盛岡、タイミングが合えば札幌、南ではPALM、EDGE OF SPIRIT、ゆーこときかず、GxSxDxとかと何かできたらとか。九州のヤツラとかともやりたいし。色々なところでやりたいなと。まとめた日程でのツアーは無理だけど、単発で色々なところへ行きたい。(関東の)外の人たちにアルバムを引っさげて見せてあげたいですよね。俺の課題で言ったら次のアルバムまでに歌詞を早めに仕上げるですね。いつもギリギリなんで。(YUKIに向かって)俺を見るな(笑)。


YUKI:遅っそい、遅っそい(一同笑)。僕は一年位で次の作品を作りたいですね。来年の今頃には3rdを出したい勢いなんですけどね。


MAZZY:次のアルバムは決めていることがあって、『完全なコンセプトアルバム』を作りたいんですよ。一つのドラマを作りたい。さっき話していたのとは真逆のことなんですけど、歌詞から楽曲から全部リンクしている10~12曲の流れを作ってみたいんですよ。勿論これまでもそれなりのテーマはあるんですけど、本格的にやりたい。歌詞やちょっとしたリフから、ベースの音から、ドラムの色々なオカズ、それをコンセプトアルバムにしたい。本当は2ndでそれをやろうって話もなっていたけど、無理だろうってなって。


--- それを一年でやるのは大変ですね。


YUKI:それは無理だよ(笑)。


MAZZY:コンセプトアルバムを作るとなるとシナリオが必要で、それは僕がやらなくちゃいけない。こういう意味でバンドの物語を作らなくちゃいけない。それが無いといつもの感じのアルバムができちゃう。


YUKI:「OPERATION:MINDCRIME」(※ QUEENSRYCHE、1988年リリース)を超えるやつを(笑)。話は戻りますが、ライブをとにかく沢山やりたいです。どこでも場所を選ばないで、軽いフットワークでやれればね。あと次のアルバムでは作詞もやってみたいですね。


MAZZY:お~、助かる(笑)。


YUKI:だって歌詞ができてこないんだから(笑)。


MAZZY:すまないね(笑)。


AWAKED 最新音源情報

AWAKED / ELEGY

AWAKED / ELEGY

ア-ティスト:AWAKED(アウェイクド)
タイトル:ELEGY(エレジー)
発売日: 2015年10月21日(水)  
レ-ベル: B.T.H. RECORDS
フォ-マット:CD
定価:2,400円(税抜価格)
規格番号:BTH-060

<収録曲>
1. FULL MOON 
2. W.A.R.
3. SUNRISE 
4. CLUCK
5. CITY BABY 
6. RELIGIONS
7. MASK 
8. MIND 
9. HAWKS 
10. DAMNED 
11. TOWER

AWAKED ライブ情報

2015年11月8日(日) 新宿 WILD SIDE TOKYO
2015年11月29日(日) 渋谷 CYCLONE
2016年1月10日(日)新大久保 EARTHDOM
2016年1月16日(土) 新宿 ANTIKNOCK
2016年1月23日(土)四日市 CLUB CHAOS

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