2015年10月30日 更新

第1回:SAVAGE GREED

記事公開日:2015/07/18

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目次

記事公開日:2015/07/18

 初めまして別府伸朗と申します。「お前はどこの馬の骨だ???」なんて思っていらっしゃる方が多いと思いますので、簡単な自己紹介をば。って、他にコラムを書いている人の様に華々しい経歴も何もないので、昔からヘヴィメタルやハードコアのライブにシコシコと足を運んで、たま~~~にバンドさんのお手伝いしている、それで済んじゃいます。本当に簡単でしょ、以上、それだけ(笑)。立ち居地で言えばこのコラムを読んでいらっしゃる皆さんと同じくタダのファンでございます。音楽以外で言えば、埼玉のド田舎で人間のクズを長年真面目にやっていると正々堂々と胸を張って言えます、エヘン!
 さて、このコラムでは今まで私がライブハウス等で見てきたバンドについて書いていこうかと思います。名前の知れている有名バンドのことを書くこともあるとは思いますが、 名前の知られていないバンドのことを書いても面白いかなと。
 今回コラムに取り上げるバンドはSAVAGE GREEDというバンド、多分ご存知の方は殆どいらっしゃらないはず。正式な活動期間は1993年から1995年の僅か2年間、残した音源はデモ・テープ2本(内1本は資料用のもので殆ど出回らず)にオムニバス(「EXTREAM HOT CANDY」)アルバムとビデオ。ビデオというのが時代を感じますね、だってこのオムニバスがリリースされてから21年経つからね。うへぇ、年は取りたくないもんだ(苦笑)。
 私がSAVAGE GREEDを初体験したのは1993年末に行われたHOWLING BULL RECORDS主催の『HYPER PSYCHO SYNDICATE』というオールナイトで行われたイベント。品川にあった寺田倉庫というところだったかな?SAVAGE GREEDは現CHURCH OF MISERYの三上氏が在籍していたプログレッシブパワーメタルバンド、SALEMの代打としての出演でした。SALEMについては機会あれば書いてみようかと思いますので、その時に。当時、大好きだったSALEMが出演キャンセルと会場で知らされてガッカリして、「SAVAGE GREED…、誰だよ???」って感じ、ちょっとネガティブな目で「SALEMの代打バンド、SAVAGE GREED」の登場を待ってました。オープニングSEはCARCASSの「Necroticism - Descanting the Insalubrious」から”Inpropagation”当時CARCASSのこのアルバムが大好きで聴き狂っていたこともあって「おお!」とちょっと気分は上がっていたのを覚えています。でもまだ「SALEM見たかったのになぁ」という思いから来るネガティブな先入観は拭い切れてはいませんでした。ステージにメンバー登場、演奏時間は20分程度であったろうか?終わってみたら先のネガティブな思いは遥か彼方に吹っ飛んでいました。曲間も殆ど無くどこからどこまでが曲なのか分からなくて、曲構成はグラインドコアに近いのかもしれないけど曲調や歌い方は限りなく正統派メタルに近い、今まで聴いたことの無い衝撃を味わい、終わってみればあっという間の出来事に全ての感覚が奪われていました。何が何だか分からなかったけど、とにかくカッコ良くてカッコ良くて、言葉もありませんでした。完全KOでした、本当に。当時は今みたいにネットが発達していなくて情報を集めるのもかなり苦労した時代。会場で必死になって彼らの情報を集め(シャイなんで会場で彼らの事を話しているファンの話を盗み聞きしていただけですが)、配布していたチラシはチェックして大切に持ち帰りました。因みにそのチラシは今も家のどこかのファイルに挟んである・・・はず(笑)。

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その後、短い期間であったが関東で行われた彼らのライブは全て行ったと記憶しています。ライブを見る度に彼らは変化し、無駄な贅肉を排除し、加速度も増していきました。「MCなんて余計なものもいらないぜ」といった感じでパフォーマンスと音に全てを研ぎ澄ませ、最後に見た時には10分にも満たないライブだったと思います。演奏曲は初期ライブに比べて増えていったというのに。ステージのセッティングも音が進化していくと共に独特なものになっていきました。ステージの右or左にセッティングされたドラム・セットとそれに向かい合うような弦楽器隊、このインパクトもかなりのものでした。但しセッティングに時間がかかり、本編よりセッティング時間の方が多かったことも(笑)。
 彼らが残した数少ない音源、その1つである1994年にリリースされた「A METAMORPHOSIS ADDICT」デモ・テープ。今聴いてもその先鋭性は衰えていないし、強烈なインパクトは時間を超越していると個人的には思います。とても一発録りで作られたものとは思えない完成度の高さ。当時再発した分210本と極少数しか出回らなかったこの傑作デモテープ、もしチャンスがあればいつかリリースして多くの人に再評価してもらいたい作品の最有力候補です。今聴いても背中がゾクゾクとし、21年前に味わった感覚を思い出します。因みにこのデモテープのジャケットを描いたのは現在フィギュア造形作家として活躍されている 竹谷隆之氏、かなり有名な方なので彼の作品をお持ちの方もいらっしゃるだろう。私もその一人。「A METAMORPHOSIS ADDICT」と竹谷隆之氏でピンと来た方はスルドイ、彼の作品のタイトルでもあります。どういったものなのか興味ある方は是非ネットで調べてみても面白いかと思います。
SAVAGE GREED / A METAMORPHO...

SAVAGE GREED / A METAMORPHOSIS ADDICT

短い彼らの歴史の最終章、彼らは解散宣言もすることも無く、まるでそれまでのことが夢幻の如く「ス~」っとシーンから消えてしまいました。結果的に東京最終ライブとなったステージ、最後の曲は音源として発表されることの無かった新曲。新たに導入していったシーケンサーを使った組曲形式の曲でプログレッシブな面が強調されていったものでした。最後に音が静かに消えていく感じの曲で、最後の音が鳴り終わってメンバーも静かにステージを去っていったと記憶しています。強烈なインパクトを残しながらステージからも、そしてシーンからもス~っと消えていった彼ららしい最後の楽曲だったと、今振り返るとそう思います。
 「Grinding Metal」、ステージの最初と最後に組み込まれたことが多かった彼らの代表曲。「グラインドコアと融合したメタル」と思っていたが全く違っていて「メタル貫き抜けたとこにあるメタル」という意味に近かったらしいです。一歩先に進んだ「新しい形のメタル」、SAVAGE GREEDは先に進みすぎていたのかもしれない。短い期間にあれだけ強烈なインパクトを残しながら彼らのフォロワーらしきバンドがシーンに登場しなかった、いや、できなかったことがそれを証明していると思います。当時の日本のアンダーグラウンドシーンは暗黒時代、バンドだけでなくシーンそのものが生き残るにも精一杯の時代。彼らについて残された資料等も殆どありません。活動当時のインタビューは1995年3月のDOLL誌のみだったとか。当時私が参加していたファンジンのKABBLA誌のVol.29号でトリビュートインタビューをやりましたが、それも現在では入手困難。(資料性もかなり高かったと思うので、このコラムを読んで興味を持っていただけたら是非読んでいただきたいのだが・・・)SAVAGE GREEDは代表曲にその身を捧げ、先の見えない暗闇の中、光を浴びることなく消えていった、今振り返るとそう思います。
 その後中心メンバーだった瀬戸氏(Vo)は藹藹番地(ギターは元HELLCHILDの鈴木氏)~VOLCANOと渡り歩き、元SABBRABELLSのメンバーと「秘密結社ブラック一味」というバンドで活動。ライブではBLACK SABBATHやSABBRABELLSのナンバーを熱唱していましたが、このバンドも現在では消滅。現在はTHE CULTのカヴァーバンドで歌っている模様。また新宿でバーも経営されております。もう一人の中心メンバーであった佐伯氏(Gt)はSAVAGE GREED解散後の長い沈黙期間を経て再結成SHELLSHOCKに加入。古くからの両者を知る者からは『適材適所』との声も少なくありませんでした。佐伯氏が加入した再結成SHELLSHOCKの一発目のライブを見たのですが、佐伯氏は久しぶりでしたが水を得た魚の様なパフォーマンスで本当に楽しそうであり、その姿をフロアーでは瀬戸氏が見守っていました。この時、新メンバーということで佐伯氏を紹介する時に「元SAVAGE GREED!」と紹介されていたのですが、それが本当に嬉しかった。これを機会にSAVAGE GREEDというバンドがシーンに存在したということだけでも頭のどこかにでも記憶してくれれば、それだけでもこのコラムを書いた意味があるのかなと思います。
さて、第一回目いかがでしたでしょうか?こんな感じで書いていこうかと思いますのでよろしくお願いいたします。

別府伸朗

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#芋男爵 #ベルボ芋記者 #高崎線 #腹神様信仰
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