2015年10月5日 更新

第二回:欲望が満たされるカタルシス。それこそが現の世を生きる糧となる。

記事公開日:2015/01/19

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記事公開日:2015/01/19

2015年になり、1月も半分が経過してしまいました。
毎年、夕方のニュースで沖縄の成人式を楽しむ時期を過ぎると、つい2、3週間前のお屠蘇気分がすっかり抜けてしまい、「あゝ、こうしてまた年を取り、死に近づいていくのか」と実感します。
いい年かっぱらって思春期のこじらせ乙女のような発言ですが、特にきっかけもなく14歳くらいから、この季節になると妙に死を恐れるようになったので、もしこれを中二病と呼ぶならば、私は20年以上のキャリアであります。しかも、年々悪化しております。重症です。
しかし、これは決してネガティヴなことではありません。
むしろポジティヴです。ポジティヴ・メタル・アティテュードなのです。
何故なら、死を悲観するということは、逆に「生」に対して執着があるということだから。
この歳になると、いつまでも元気だと思っていた人が病に伏してしまったり、いつでも会えると思っていた人と突然お別れをすることになってしまったり、死や病気が身近な人に降りかかることが多くなります。
2014年は、特にそんな出来事に多く見舞われ、「人の命は有限である」と改めて痛感。
だからこそ、人生の終わりに後悔のないよう、やりたいことをめいっぱいやり、欲しい物を手に入れ、会いたい人に会うべきなのだ!と思い直した一年でした
と、まずはヘヴィーに語ってみました、2015年も体重がヘヴィーな星川です。
皆様、寒中お見舞い申し上げます。
先日、居間のソファでうたた寝のレベルを超えた睡眠をむさぼっていたのですが、便意を催し立ち上がったところ、同じく椅子で舟をこいでいた夫が「あ、山が動いた…」と半分寝言のように呟いておりました。
ほぼ無意識下でこの発言…。
兎にも角にも、ここ2、3年で加速した肥満も寝転がってばかりでは解消されまい!と、今年に入ってからコントレックスをがぶ飲みしたり、毎日NHKの「みんなの体操」をやってみたりしましたが(努力ちっせー)、とうとう腰痛まで引き起こしてしまい、「もう私の肥満は単なるダイエットではどうにもならない。医療レベルでどうにかしなければ」と、最近は本屋に足しげく通い、医学書を漁るのが趣味になっております。
出口で痩せているかはさておき、入り口は知識から。これが私のダイエット美学です。
だいたい結果は出ず、知識と共に体も肥やしている不思議…。

みんなの体操 - YouTube

読書家ではないのですが、タイトルや装丁を眺めるだけでも楽しいので、もともと本屋は暇つぶしスポットとして好きな場所でした。
たとえば癌の医学書一つ取っても、一方で「免疫力を上げて癌を治す」と謳っている本があれば、もう一方で「免疫療法に騙されるな!」なんてタイトルが躍っていたり、はたまた「使い方次第で抗がん剤は効く」という本の隣に「抗がん剤だけはやめなさい」って本があったり。どっちじゃーい!!と端から突っ込んでいると、時間があっという間に過ぎてしまいます。
で、最近の突っ込み書籍No.1は、ズバリ「断捨離・シンプルライフもの」です。
断捨離、数年前から流行っているようですね。
余分なものを捨て、余計なものを買わず、ミニマムに暮らすことが美とされているということなのでしょう。
これ系の本で、コーナーが出来ている書店もあるくらいです。
これらの本を買って断捨離に目覚めた人は、まずこの本を真っ先に捨てるのかしら?とか、そもそもこんな本を買っちゃう人はすぐに余計なものを買うタイプだからそう簡単に目覚めることはないのでは?読むだけで満足しちゃうパターンじゃないの?(あれ?ダイエットのそれと似ているような…)とか、疑問が次々と湧いてきてしまいます。
中には「フランス人は10着しか服を持たない」なんて本もありました。
10着って、下着や靴下、コートなんかも合わせて10着だとしたら、かなりこまめに洗濯しても間に合わないし、もしかして毎日着替えてないの?不潔!それとも、それぞれのパーツが10着ずつってこと?それって逆に多過ぎやしないか?…と数分悶々。
何より、これらの本に対する最大の疑問は、「物が欲しい、所有したいと思うことは、そんなに悪いのか?」ということ、です。
確かに、きちんと片付いている部屋は気持ちがいいです。
しかし、それと「物がない生活」が気持ちいい、というのは、決してイコールではないと思うのです。
我が家は半年ほど前に引っ越したのですが、その際に大量のCDを収納する為、大きめの棚を造り付けてもらいました。
これまで段ボールに仕舞っていたCDをアルファベット順で棚に収めた時、何千枚ものCDが整然と並ぶ美しさに、胸が高鳴ったものです。
正直、もう聴いていないCDも多数あるのですが、処分しませんでした。
いつか聴きたくなった時、そこにある喜びを、捨てたくなかったからです。
加えて、断捨離をし、物がない生活を保つ為には、「むやみに物を欲しがらない」というスタンスにつながりますが、それがどうも、魅力的に映らないのです。
欲しい物の為に一生懸命お仕事をしたり、やりたいことの為に道具を揃えたり、はたまた衝動的に「欲しい!」と思ったものを勢いで買ったりと、物欲のある人は、あらゆる欲求に正直で、パワーを感じるからです。
そういうタイプの人、今は流行らないのでしょうか。
ガツガツするのがみっともない?無欲なことがオシャレ?草食系男子ってヤツ?
「上質なものを少しだけ」なんつって、セレクトショップで寸足らずのズボン買ったり、アシンメトリーの前髪にしたり、ス○バでパソコンやタブレットを開いてアンニュイな顔をしてる男子がモテるの?
まず、草食系ってなんだよ?人間の男ならタンパク質摂れよ!
これを読んでいるヤング・メタル・ガールズに言っておく。
そういう男が「僕って、こういうお店にも入れちゃう人なの」とアピールしたくて、シブ好みの赤ちょうちんとかに誘ってくるかもしれないけど、大抵はホッピーの作り方知らねえから!素人だから!カシスオレンジでも飲んでろボーイ!
おっと、少々取り乱しました、失礼。
草食系男子に対する偏見の深さに、自分でもびっくりです。
草しか食ってなくても強い生き物は世の中にいっぱいいるもんね、カバとか。
それはさておき。
昨年、私の母がiPhone 6を手に入れました。
それまで、らくらくフォン的なものを使っていたのに、急にハイスペックな物を手に入れ、姉の指導を受けながら悪戦苦闘しております。
いや、むしろ指導している姉が悪戦苦闘していると言うべきか…とにかく、71歳、新たなる挑戦です。
母はもともと、行動的な人でした。
5年前、夫である父に先立たれ、「もうお父さんの病院に行かないし、あんまり出かけることもないから、お母さん、なんにもいらないの…」と、最初こそションボリしておりましたが、徐々に習い事やサークルにいきいきと通い始め、その種類は、油彩、社交ダンス、俳句、パソコン、麻雀など多岐に渡ります。
趣味は部屋の模様替えで、こまめに何かしらの重たい家具を動かしています。思い立ったら夜中でもやります。超馬力あります。
更に、模様替えをして気に入らないと思った家具は、思い切って買い換えます。
よく出掛けているので衣装持ちですし、年に数度ある油彩の展覧会では、ラメの入ったド派手な服でめかし込んでいることも。
iPhone 6は、「お友達がLINEを始めたから」と、自分も欲しくなったそうです。
昨年は愛犬も亡くなり、一人で生活しておりますが、まだまだパワフルで独居老人の悲壮感は微塵も感じません。
わが母ながら、逞しくてステキだと思っております。
オシャレして出掛けたい場所があるから服を買い、友人や家族とつながりたいから70歳を過ぎてもスマホを買う、チャレンジする。
そう、物欲には、「好きな物に囲まれて暮らしたいから」、「やりたいことがあるから」、「行きたい場所があるから」など、理由づけになる「意欲」が付き物です。
その意欲こそ、人間が生きるための糧なのだと、母を見てつくづく感じます。
マイブームの医学書にも、どんな難病でも「生きたい」という気持ちが強い人ほど、治療に効果が表れ、且つそこには「なぜ生きたいのか」、「生きて何がしたいのか」という、明確な目標が必要になると書いてありました。
非科学的な物言いかもしれませんが、物欲は、その人の意欲の証であり、生命力の源であり、強く生きる為に持ち続けるべき特効薬であると、私は信じています。
断捨離、無欲、シンプルライフなんかクソ食らえ!物欲って素晴らしい!!
と、御託を並べましたが、物を買うのって、単純に楽しいでしょ?
私は、人が高額商品を買うか買うまいか迷っているところを、買う方に焚き付けるのも好きで、「あ~、買っちまった~!!」と支払いをしているシーンなんかワクワクしちゃいます。
何故なら、その人も背徳感たっぷりの表情の向こうに、喜びを隠しきれずにいるから。
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