2015年10月24日 更新

SURVIVE インタビュー

記事公開日:2015/09/11 - 新作「HUMAN MISERY」のインタビュー。話し手にNEMO氏(Vocal/Guitar)とSHINTAROU氏(Drum)。

5,129 view お気に入り 1
記事公開日:2015/09/11

とにかく、舌好調だった。
頭の中でパンパンになったアイディア、ニューアルバムへの自信、海外でのツアーを通して上げた経験値、滾るライヴへの思い、そして、バンドのメンバーに対する愛情。もう、気持ちが溢れて溢れて止まらないのだ。
NEMOが饒舌なのは、もちろんSURVIVEがノッている証でもあるが、同時に、これから迎える戦いに武者震いしている時でもある。恐れもあるだろう。煮え湯を飲まされた苦い記憶を振るい払おうとしているのかもしれない。しかし、そんな時こそ胸を張るのが彼のスタイル。メタルミュージシャンはこうでなくてはいけない。強くなければいけないのだ。
よって、少々辛口なコメントもあるかもしれないが、それもメタルを愛するが故のことだと受け取っていただきたい。
また、そんな彼を見守るSHINTAROUの少ない言葉から、彼がバンマスであるNEMOのよき理解者であること、高い志を持ち、且つ地に足のついた冷静な判断が出来る人物であることも分かった。噛み砕いて言うと、超しっかり者。
彼の存在に、SURVIVEの「安泰」が窺えたことも、付け加えておこう。
SURVIVE

SURVIVE

Vo,Gt - NEMO Gt - GAKU Ba - SINJILOW Dr - SHINTAROU

SURVIVE:NEMO(Vocal/Guitar)、SHINTAROU(Drum)
インタビュアー:星川絵里子

「だって、俺らの業種、ミュージシャンっていうのは、サラリーマンじゃないんだから」

--- 前作から、大分お久しぶりになりましたので、少しバンドに起こった出来事を振り返っていただきましょうか。大きな出来事としては、イタリアのエージェントと契約したということがありましたが、まずはその経緯を。


NEMO:ちょうどね、忘れもしない『METAL BATTLE JAPAN』に出まして。


---『WACKEN OPEN AIR』(ドイツの巨大メタルフェス)に出られるオーディション、みたいなイベントでしたっけ?


NEMO:そうそう。「WACKENに行ける!」って。ちょうど日本で燻ってたし、どうにか自分たちの腕で切り開けないもんか、と。昔はね、ハウリング・ブルにいたりして、イケイケな事務所で時代も良かったから、それとなく出来ていたけど、そのうちバンドにとって逆風しか吹いてねえな、っていう状況になってきて。そういうしがらみとかじゃなくて、バンドの腕だけでなんか出来ないのかね?って話をしてたら、ちょうどその頃「(『METAL BATTLE JAPAN』に)出ませんか?」みたいな話が来て…これはね、誤解されたくないから言っておくけど、本来は自分たちでエントリーするものらしいんだよね。でも間違いなく、うちはメールでオファーが来たわけ。最初は「胡散臭えな」と思ってたし、まずもってルール違反だよね(笑)。


--- 他のバンドから、「うちは声かけられたんだけど、おたくも?」みたいな話は聞かなかったんですか?


NEMO:しないしない。俺たちはメールが来たから、「WACKEN行けるらしいよ!」みたいな(笑)。


--- 「もうこりゃ決まったな」と。


NEMO:そうそう。正直、「こんなメンツ蹴散らして行けるっしょ!」って思ってたし、ガチリハーサル何回もやってさ。そしたら、まんまと落ちて(苦笑)。


--- イベント自体に客を寄せたり、盛り上げる為に名前の知れてるバンドも入れときたい、みみたいな意図だったんですかねぇ。


NEMO:あとで考えたら、1回目だし…まあ、向こうは全面否定するだろうけど、なんかしらの思惑はあったんだと思うよ。俺はそこでポジティヴに捉えて、ほら、昔METALLICAがグラミーで演奏したのに、JETHRO TULLが受賞した、ってことあったじゃん。俺METALLICA好きだから、どこまでもMETALLICAみたいなことになるんだな、と思って(笑)。それで「まあいいや、○○○○○覚えてろよ」ってね(笑)。


--- ○○さん、ですか?


NEMO:そう。「受賞者は、HONE YOUR SENSEです!」って、今でも忘れないよね(笑)。こだましてるもん、ディレイかけちゃう感じで(笑)。「やられた!」ってさ。その時色んな人に社交辞令でね、「SURVIVEだったら自分たちで外国行けるから」って言われたけど、はっきり言って、「自力で行けたらこんなん出ねえんだよ!」って思っちゃって(笑)、ただ、ライターの増田(勇一)さんにだけは「力で行ってくれ」って熱いまなざしで言われたから「増田さんだっけすよ、本心で言ってくれてるの」って。


--- 気休めじゃなくて、期待とか希望、という感じ?


NEMO:俺はそう思ってる。でも、他の奴らは「落としておいてよく言うなぁ」って感じで(笑)。藁をも掴む思いでここに来て、そんで蹴落とされて、何を信じればいいんだよ?(選ばれたバンドは)「若いから」とかいう理由だったりして、「そりゃよかったね、俺らSINJILOW(B)がいる限り無理だよ」ってSINJILOW本人に言ったら、あいつ「俺のせいかな~」って落ち込んじゃって(笑)。


--- 平均年齢を上げている人にそれは言ったらいかん!(笑)


NEMO:そんなことがあって、まあちょっと今っぽい発想なんだけど、FacebookとかSNSを使って…バカなヤツは相手にしたくないし、「お近づきになりたいです!」みたいな、邪なヤツはこっちからシャットアウトするけど、外国への橋渡しとして使えないかな、と思い始めたのよ。顔の見えない人とやり取りするっていうこともあって、インターネットってあんまり好きじゃないんだけど、とりあえずバンドの友達でも作ってみよう、と。その時たまたまイタリアのMECHANICAL GOD CREATIONっていう凄いアングラな、プログレッシヴ・デスメタルって感じの、いかにもイタリアっぽいバンドと友達になって。女性ヴォーカルなんだけど、これがまた(ex-ARCH ENEMYの)Angela Gossowばりにパワフルで、カッコいいのよ。彼女にこっちからも「これ、俺のバンドなんだよ」って情報送ったりしてメッセージのやり取りをしてたら、そこのエージェントの社長も動画を見たらしくて、「おおーッ!!なんだよコレ!?」って反応だったみたい。「私のFacebookのフレンドで」って言ったら「今すぐコンタクトを取ってくれ!契約したい!」って。それが、『METAL BATTLE JAPAN』が終わってから、2ヶ月くらいの話。でも、最初は俺も全然英語分かんなかったから…まあ、今でもそんなに分からないけど、向こうは凄くいい事言ってくるわけ。「君たちは最高だ!」とか「スターとしての素質がある」とかナンタラって。「ふざけんなよコイツ、ジャパンマネー取りに来ようとしてるだろ?」って疑って、結局放置してて。でも、結構こまめにコンタクトをくれて、「もしかしたらホントじゃないか?」って思い始めたから、前にハウリング・ブルで通訳やってた人に頼んで、電話して話してもらったの。そしたら、「これ、ちゃんとやってくれそうだよ」って確認出来たから、じゃあ契約しようか、と。


--- ホント、人の力を借りずにやったんですね。


NEMO:むしろ借りたくなかったから。やっぱりね…世間の人も知っていると思うけど、崩れゆく音楽業界の中では、自分のやりたいように出来ないわけ。自分たちが命がけで作ったアルバムを、右から左に流しているような人間にお金をいっぱい吸い上げられて、俺らには全然入らない、そんなのバカらしいよ。銭金の話じゃないけど、でもやっぱり、売り上げが芳しくないと、「お前らの曲がダサいから売れないんだ」とか、「もっとポップにしたらどうだ」とか、「流行りの音を入れろ」とか始まるわけでしょ。そういうのにもう飽き飽き。逆に、今の俺らをいい状態まで持って行ってくれる人がいないからそういうこと言うんでしょ?例えば、外国のバンドでよく、日本盤に「アルバムのデモ」みたいなのがボーナストラックで収録されてるけど、とんでもなくショボいじゃん。それが、プロデューサーが入ると、如実に良くなるでしょ。俺がそれを一番感じたのは、Slipknotの1stとかだよね。デモ入ってるけど、全然違うバンドじゃん。あか抜けない、田舎のへヴィーなバンドだなって感じなのに、プロデューサー1人入っただけで、まるで違うバンドになっちゃう。それが出来ないヤツらが言い訳し過ぎ!じゃあ、こっちからあれやりたいこれやりたいって言った時に、日本だとまず後ろ向きなことを言われちゃう。人によっては、「いや、お前らまだそんな立場じゃないでしょ」とか。だって、俺らの業種、ミュージシャンっていうのは、サラリーマンじゃないんだから、「アルバム1枚作りました、じゃあ毎月20万ください」っていうんじゃなくて、そりゃ売れりゃあ金も入るんだろうし、売れなきゃまあ、お店に残っちゃってるんだろうし、そのリスクは当然分かってやってるわけだから、今更そんな話したくないって。やるかやらないか、それでいいんだよ。そういうことを言うと、年功序列の世界だから、生意気だのなんだかんだ言われるけど、それをやらないと、いつまで経っても上に行けないし、上の人が死ぬの待ってなきゃいけないから。極論で言うとね。俺は結構、極論で話をするけど、バカは相手にしないから、ちゃんと察する人に読んでほしいね(笑)。だから、今の日本のメタル界の、何が本当か分からない部分に飽きちゃったから、それで外国に行っちゃいましょう、と。


「照れくさいから、『SINJILOW、もうちょっと気合い入れてベース弾いて』って(笑)」

105 件

関連する記事 こんな記事も人気です♪

第一回ゲスト:吉田HALLY良文(UNITED)× NEMO(SURVIVE)

第一回ゲスト:吉田HALLY良文(UNITED)× NEMO(SURVIVE)

記事公開日:2014/12/18 - 第一回目のゲストはUNITEDの吉田HALLY良文氏とSURVIVEのNEMO氏を迎えた。
別府伸朗 | 1,905 view
第一回:大谷慎吾氏(UNITED)× 丹正篤史氏(ESP)対談

第一回:大谷慎吾氏(UNITED)× 丹正篤史氏(ESP)対談

記事公開日:2015/10/26 - UNITEDの大谷慎吾氏とESPの丹正篤史氏との対談。

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

星川絵里子 星川絵里子

おすすめの記事

今注目の記事