記事公開日:2015/07/10

国産若手メタル/ラウド系バンドで徐々に頭角を現してきている「Vorchaos」。
前作から2年弱の期間で新作「Singularity」をリリースした彼らのワンマン・ライヴ直前にインタビューを敢行した。次世代のメタル・シーンの担い手である彼らのアツい想いを、是非このインタビューから感じ取って欲しい。
Vorchaos

Vorchaos

L to R
淳(Vo), Kaz(Gt), Fuji (Ba), yuzo(Gt) , USHI(Dr)

Vorchaos:淳(Vo), Kaz(Gt), yuzo(Gt), Fuji (Ba), USHI(Dr)
インタビュアー:kuma

でもまだこれが正解だとも思っていませんし、正解なんてないものだと思ってるので

--- 2013年11月前作「Vortex of chaos」のリリースから今回の新作「Singularity」まで、2年掛からずの比較的早いリリースとなりましたが、制作に至るまでの経緯を教えてください。


Kaz : 前作のアルバムで全て出し尽くし、納得のいく作品を作れたので今作はまっさらな状態から曲作りをスタートさせる事が出来ました。ツアーやスタジオ、日々の生活から受けたインスピレーションやこれからのバンドのイメージを曲のアイデアとしてストックしていたのですが、ツアーが終わりこのメンバーで一から作った作品を制作したいという気持ちが全員一致していたので作曲に取り掛かりました。ちょうどセカンドアルバムをリリースしようという話が出た頃だったのでコンセプト、方向性そして僕たちのやりたい事を目指し完成したものがこのアルバムです。

--- 2nd アルバムに向けて曲作りをした、というよりも、あくまでも自然の流れだったと。


Kaz : はい。常にプリプロダクションも録ってましたので、特に大きなトラブルもなく、新曲のストックもスムーズに出来上がりましたね。

--- 新作では全編、徹底した日本語での歌詞となっていますが、英詞を全く取り入れなかった事へのこだわりなどありましたら。


淳 : 元々僕個人は日本語で歌いたいという気持ちがあったんです。日本のバンドだし、まず日本でたくさんの人に聞いてもらいたいっていうのがあったので。あとやっぱ気持ちをストレートに伝えやすいですからね。それと、最近は本当に英語が多いと思うんですよ。それは全然悪いことじゃないし、海外の人に知ってもらうには英語もなくてはならないとも思います。でも、単純に、英語だからかっこよく聞こえるとか、そういう感じにはしたくなかったんですよね。日本語でかっこいいものを作れれば何も問題ないんじゃないかなと。

--- 歌詞も情景が浮かぶような内容から、ストレートな言い回しまで、今回は様々な表現を使っていますね。ストレートな歌詞は一見パンキッシュになりそうですが、しっかりとVorchaosの音楽性にフィットしてると感じました。表現方法で気をつけている事などありましたら。


淳 : やっぱり、ストレートすぎても恥ずかしくなっちゃったりするし、遠回しすぎても結局伝わらない。なのでそこのバランスがやっぱり難しいなと感じながら作っていましたね。歌なので、ストレートな表現を少し多めに、且つリスナーの胸に届くような言葉を選んで、試行錯誤しながら自分の中で定まってきたバランスというのが今回のアルバムということですね。でもまだこれが正解だとも思っていませんし、正解なんてないものだと思ってるので、もっと色んな事、たくさんの思いをたくさんの人に届けて、共感して、僕なりのやり方で、ライブ会場を通して、リスナーの人達と共に歌を作り上げていきたいなと思っています。

--- では、バッキング/演奏面でのこだわりなど。


yuzo : 先ほどKazが言ったように、前作ではその時点での全てを出し切った作品になったのですが、今回は前作でのカラーを残しつつ、新作ではメタルを聴かない方々にも聴いてもらえるように曲調のバリエーションを増やして制作しました。アルバム・タイトルになっている「Singularity」は従来の激しさに加えて、サビがキャッチーであったりと、一曲の中にこのアルバムの方向性が凝縮されていると思います。例えば「lm!」は激しさがメインのメタル気質の曲だったり、他にもバラード調の曲があったりと、全ての曲がこのアルバムにおける役割がありますね。自分のプレイに関しては、これまでがハードな曲調が多かったので、バラードや緩急がある曲ではピッキングも変えてみたりと、自分なりのチャレンジもありましたね。また、USHIが味付けを残しておいてくれていたので、そういったところも勉強になりました。また、バラードに関しては淳の歌詞や歌で感情移入したプレイが出来ましたね。結果、激しい曲はより激しく聞こえたりと、いいバランスで収録出来たと思います。

--- アルバムを通して聴いてみて、その緩急がそれぞれ引き立つ曲順になっていると感じました。


yuzo : 曲順もそうですね。それぞれの曲が聴く人により伝わるような配置を意識しまして、バランスがいい曲順になったと思います。新作は勢い一辺倒ではないので、昔からのお客さんと、新たに知ったお客さんの反応も楽しみにしているところです。

--- 今回のアルバムではメンバー全員が作詞・作曲のいずれかにおいてクレジットされていますね。その中でも2曲あるインスト曲はベースのFujiが担当となってます。


Fuji : 前作でもSEやインスト曲は自分が担当してましたので、今回もその流れで担当しました。今回作ったインスト曲はどこに挿入しようとなった時に、バラード曲の前の浮遊感漂う流れから、そのままアルペジオが入るようにつなげてみたり、ラストの曲では、インスト曲ですが歌詞を一文挿入したりと、前作にはないアレンジを試してみました。また、前作では、足音や爆発音など、聴いた時にその画が浮かぶような感じで作りましたが、今回はそれよりもアルバムのテーマが決まった時点で、曲の世界観に寄り添った形を意識して作りました。

--- そしてドラマーのUSHIも「lm!」でクレジットされてますね。


USHI : サビの部分をみんなで考えていて、それぞれの案の中で僕のが採用されました(笑)基本的にドラムパートに関しては皆から出たアイデアを元に、各楽器とのバランスを考えて土台をつくる感じですね。

Kaz : 「lm!」のサビに関しては、「みんなで合唱できるようなメロディ何かないかな」とスタジオで合せている時に、USHIが冗談半分で口ずさんだメロディを淳がそのまま歌詞を乗せて採用しました(笑)。なので「lm!」のサビはほぼUSHIが作ったという事です(笑)。

--- なるほど、何かがUSHIに降りてきたわけですね(笑)。新作ではこうしてメンバー全員が楽曲制作に携わっていますが、前作で感じたバンド名の如き混沌とした音楽性から、本作では前作での勢いや混沌さを残した上で、いい意味で楽曲がまとまったという印象です。


Kaz : ひとつあるのは、前回の曲が長すぎてイベント出演時のライヴだと4曲くらいで持ち時間ギリギリだったりするので「ヤベえなこれ」と(笑)。なのでそういった要因もあるのですが、1曲をシンプルにまとめようという意識では作ってましたね。
--- 確かに無駄がなく、かつメンバー皆がやりたい事もやれていると思います。
Kaz : はい、無駄は削ぎ落とした感じですね。曲は短くなりましたが、前作よりは1曲1曲詰まっていると思います。「ドカーン」と広がる感じよりもギュッと凝縮されているかと。

--- 新作の「この曲のここを聴いて欲しい」など、各メンバーの推したいポイントを教えてください。


淳 : 今回はバリエーションに富んだ曲が揃ってますが、「光溢れる場所」のように、静かなパートから激しくなる切り替わりの瞬間であったり、歌詞もその展開に連動しているので、そういった「表」と「裏」の表現など、これまでに無かった試みをしています。1曲の中でも凝縮はされているのに広がりがある、そういったところも気にしてもらえると嬉しいですね。

Kaz : Vorchaosはリフもこだわりがあるので、曲がキャッチーでポップでも、その裏に隠されているリフやフレーズにも注目して頂ければと!リフがメインでドーン!というよりも全体の中でのリフ、というのがあちこちに隠れてますので、そこも楽しんでもらえればギタリストとしては嬉しいところですね。

Fuji : ベースはトータル的にはガッシリとリフを刻むのと、ところどころチョイチョイと面白いフレーズをやってますので気付いてくれたらなと。例えば、音源を聴いてもらって、「ここはどう演奏しているんだろう?」って気になった所をライヴで観て確認して欲しいですね。後、インスト曲なんですが、ラストに入っている「-Zero-」は実は0曲目でして、アルバムのイントロという位置付けなんです。なので是非リピートで繰り返し聴いて頂いて、その細工も楽しんでもらいたいですね。

yuzo : 自分が作った「lm!」なんですけど、使っているリフが往年のメタルの先輩方が使っていたような雰囲気で作ったりと、自分のバックボーンをチラつかせるという意図も入ってますね。例えば淳はJ-POP/ROCKであったり、メンバーそれぞれのバックボーンをアルバムを通して感じ取ってもらえたら嬉しいです。後は「光溢れる場所」というバラード調ですが、一番最後の大サビが終わった後のギターソロがあるんですけど、そこのウルッとする枯れた感じの雰囲気が大好きですね。自分はバックで「ジャーン」と白玉で弾いてるだけなんですけどね、グッとくる場所なんです(笑)

USHI : 「G.Y.A.H.」という曲ですが、このご時世では珍しく8小節もドラム・ソロが入ってますので、自分的にはオイシイところですね。ほぼ一発録りでライヴ感が出てますから、ノリやすい曲かと思います。後は総じて、ドラムのマッピングというか音階ですが、誰がどこの音を出しているかという事を把握して、そこに使うべき楽器(ドラム)をしっかり当てたりしましたね。今回は先に打ち込みでドラム・パターンを作ってから増やしたり減らしたりをしたので、音階も含め作曲作業に近い感じで作りました。


ライヴでも無いのにひたすら汗をかいてサウナ状態でしたね(笑)。

--- 今回の制作に至るまではスムーズに進みましたが、レコーディング中のエピソード等ありましたら。


USHI : 僕はいつも1日しか与えられないので「一撃必殺」でした!!

--- USHI、1日で全曲録りだったんだ(笑)。


USHI : はい!!なかなか大変でしたよ!!気合です、もはやアスリートです(笑)。

一同 : (笑)。

--- 他のメンバーは何かありましたか?


yuzo : 僕はギターのバッキングを何本も録ったんですけど、座って弾いていて何か調子が悪いと思って普段通りにストラップ掛けて立って弾いてみたら出音がバリバリ元気になりまして(笑)。それからはライヴ中と同じスタイルで最後までレコーディングしてましたね。

--- ライヴ感を出すにはいい方法ですよね。出音は明らかに違ってましたか?


yuzo : ですね。やはり座って弾くのと立って弾くのでは、慣れている手首の角度も違ってきますので、ひたすら立って全曲弾きましたね。音もクリアになったというかキレも良くなりまして。

--- それ、結果的に本人のキレが良くなったからなのでは(笑)。やはり慣れてるスタイルがベターだったりしますね。


Fuji : その流れですと、僕はずっと頭振りながらレコーディングしてました(笑)。「やっぱノリってこうでしょ!!」みたいな感じで、ライヴでも無いのにひたすら汗をかいてサウナ状態でしたね(笑)。ジムでトレーニングしてる人みたいな。

--- なんだか気合ノリのアスリートバンドみたいになってきましたね。


Kaz : 僕はレコーディング・スタジオまで車で行き、ほぼ家には帰らない感じでしたので、やたらスタジオ近辺の地理が詳しくなりましたね。ナビが無くてもどこにでも行く、みたいな。

--- 時間がある時は徘徊したりと。


Kaz : はい。自分の録りの次の日なんかはスタジオ周辺をドライブしたり散歩したり。いいスポットや美味いラーメン屋、銭湯とかいろいろ見つけましたね。

--- では次のレコーディングもそのスタジオなら近辺情報は完璧ですね。


Kaz : はい、完璧です。ナビ使ったの初日だけであとは一度も使いませんでしたから(キッパリ)。

--- 全然プレイと関係無い話ですよね。


Kaz : はい、関係無い話ですね。

--- はい。…では淳は何かありましたか?


淳 : 僕は…レコーディング期間で3kgやせましたね!!

--- --- 3kg!!(羨ましい)


淳 : 予想以上に汗かいてたんでしょうかね? 後は歌のキーだったり、リズム的なノリも新たにチャレンジしていたので気が張っていたのもあったかもしれません。とにかく一杯一杯でしたね。

--- 食べ物とか気をつけたり?


淳 : 好きな物は特に制限しませんでしたね。辛い物とお酒以外は。

--- それで3kg痩せたと(クドい)。自分も頑張ってまずは3kg痩せたいと思います。


淳 : えぇ、痩せましょう!(笑)。

--- 今回は比較的タイトな時間でのレコーディングだったとの事ですね。


Fuji : なので気持ち的には、激しい曲でメタルの戦場に行った後、静かな曲になかなか戻れなかったですね。戦場に行きっぱなしみたいな(笑)。

--- 気持ちの切り替えが出来てないまま、次の曲に突入してしまうと。


Kaz : それが1曲の中の展開でもあったりしたので大変でしたね。

--- では今回は大きなトラブルもなく順調にレコーディング出来たわけですね。


Kaz : というよりもトラブルがあったらその時点でアウト、みたいなスケジュールでしたね。もうやらざるを得ないと云いますか、ミスは許されない状況で(笑)。

--- メンバー全員の集中力が詰まったアルバムになっていると(笑)。


一同 : そうですね(笑)。

見出し

--- さて、その集中力が詰め込まれたアルバムのリリース後にはワンマン・ライヴとレコ発ツアーが控えています。


Kaz : 1stと2ndの曲では狙い所も違いますので…と思いきやライヴを観ればいつものVorchaosと思います(笑)。ワンマンでもツアーでも、新作の曲をどうライヴで演奏するのかというところも楽しみにして欲しいですね。

--- 7/10がワンマン・ライヴですね。


Kaz : 新作の曲がもちろんメインにはなりますが、せっかくのワンマンなので曲以外にもソロのセクションがあったり、1stと2ndの曲のつなぎなども「あぁ、この曲からこうつながるんだ」といった感じで伝わると嬉しいですね。

--- では最後にこのインタビューをご覧の皆様に一言!!


yuzo : 元々はハードコア寄りのメタルでしたが、そこからこういった広がりを表現して来ているVorchaosというバンドを知ってもらいたいので、ジャンルは関係なく良いものは良いと、一度体感してみてください!!

Kaz : 新作はライヴで一体化出来る曲、内容となってますので、是非、聴いて頂いてライヴで楽しんでもらえると嬉しいです!!

Vorchaos 最新2ndアルバム情報

 (3087)

バンド名:Vorchaos (ヴォルケイオス)
アルバムタイトル:Singularity
発売元:Technobreak Records
発売日:2015年7月3日(金)
価格:2,000円(税抜)
品番:VORC-0003
フォーマット:CD

<収録曲>
01. Singularity
02. lm!
03. -Black Star –
04. 零れ星
05. Alien
06. 光溢れる場所
07. G.Y.A.H.
08 . -Zero-

【Vorchaos】Singularity【MV】 - YouTube

【Vorchaos】Singularity【MV】 2015年7月3日発売の2nd Album「Singularity」に、表題曲として1曲目に収録。 Vorchaos's 1st music video from album "Singularity". Vorchaos Vo.淳 Gt.Kaz Gt.yuzo...

Vorchaos ライブスケジュール

2015年7月10日(金)渋谷 CYCLONE ※Vorchaos One-Man Live「Singularity」
2015年7月19日(日)大阪 BRAND NEW
2015年8 月1日(土)大阪 SOMA
2015年8 月2日(日)京都 MOJO
2015年8月8日(土)横浜 CLUB SENSATION
2015年8月20日(木)渋谷 THE GAME
2015年9月12日(土)さいたま HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3
2015年9月26 日(土)吉祥寺 CRESCENDO
... and more

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