記事公開日:2014/12/18

Metallization.jp企画会議 第一回目

Metallization.jp企画会議 第一回目

L to R:
NEMO(SURVIVE), 吉田HALLY良文(UNITED), 小川(Metallization.jp事務局), 別府伸朗

プロフェッショナルにやりたいって考え始めた切っ掛けです。それが92年とか93年。(NEMO)

別府:お二人がバンドを始めようと思ったのは?

吉田: 俺はバンドを一番最初に始めたのが高校一年生だね。俺なんかの時代で勉強もしないし運動もしないってやつはバンドやるか暴走族をやるかどっちかだったから(笑)。バンドやれば女の子にもモテるなってそんな単純な理由です。物凄いロックスターになるんだとかそんなことは考えてなくて、女の子にモテてカッコいいって言われたらいいかなって。どっちか選べって言われてバンドを選んだってクチです。

NEMO:今UNITEDで歌っている湯浅と中学二年生の時に一緒になって、お互いの両親が楽器好きでギターが常に周りにある恵まれた環境も大きかったと思います。自然何かやろうよってなって、俺が先にギターをやってたから「お前はベースなって」湯浅がベースを弾くようになりました。

別府:バンドをやっていて遊びから本気になったって言い方は変かもしれませんが、それまでの活動から一線を越えたのはいつ位からですか?

吉田: そういうのがあるって言うヤツもいるけど俺はそういうの意識した事無いんだ。いきなりライブハウスに出てたし、高校一年生の時には渋谷のセンター街にあった時代の屋根裏とかも出てたから。そんな風に都内のライブハウスに出て、先輩のバンドのプレイ見ながら一緒にやらせてもらって。そういう線引きが無くて俺はそのまま今に至る感じ。夜にライブハウス出なくちゃいけない時は昼のリハに合わせて学校サボってたりもしていた。その時一緒にやってたりしたのが学校は違うけど同級だったハウリングブルの小杉だった。当時はレイザーってバンドをでカバーでSCORPIONSやIRON MAIDENも少しやったけど殆どオリジナルで勝負してた。スキルがどうのとか上手い下手はあったけど、行動自体は今と一緒でお客さんに見せるってことでは同じ。

NEMO:俺はライブハウスだろうが家だろうが演奏している時間が楽しくて、最初から自分の好きなことが職業に出来ないかなと思っていました。俺がバンド始めた頃はライブハウスに出るにもどうやったらいいのかが分からなくて昼のオーディションみたいなのに出たこともありました。その時に米米クラブみたいなバンドと対バンさせられて、その時に絶対こんなのはイヤだって誓って。まだメタルシーンとかは分からなかったけど、そういったところでやりたいって思っていました。それがプロフェッショナルにやりたいって考え始めた切っ掛けです。それが92年とか93年だったと記憶しています。

吉田: 千葉LOOKで一緒にやった時はまだ高校生だったね。

NEMO:初めてライブをやったのは中学生の時だった。

吉田: NEMOの頃は知らないけど、俺たちの頃は学校行くのにギター担いでいるのが多かったね。今は女の子がたまに担いでいるけど男の子では少ないね。

小川:92年だと私はUNITEDをよく見に行ってたね。

NEMO:「HUMAN ZOO」がリリースされた頃だね。

別府:その頃はバンドブームやスラッシュメタルのブームが落ち着いてきて、動員が減ってきた頃でしたよね。あと川崎のクラブチッタの来日アーティストの公演に日本のバンドがよく出ていたかなと。

吉田: LAAZ ROCKIT とか色々とやったね。

NEMO:俺は高校生で(機材など)良いものを揃えてこれからはこうやっていくって考えていた頃。ジャクソンギターを2本買って、マーシャルのアンプも買って。でも高校生だったから 車で機材を運ぶことが出来なくて(笑)

別府:二人が知り合ったのは?

吉田: 対バンだよね。その前に大谷さんが柏組で知り合いだったのもあるけど。それで俺も知り合って対バンしたりツアーに一緒に来たり。最初に会った時はベルボトム履いてたね(笑)

NEMO:履いてた、履いてた(笑)

吉田: ネルシャツにベルボトムで。

NEMO:ファーのコート!それは今でも大谷さんに言われるネタで、初めて大谷さんに会った時には髪の毛も今と同じ位に長くてベルボトム履いていて、しかも連れている彼女が外国人でどんな高校生だよって(笑)

吉田: 演奏が凄くて、すげぇ高校生だなって皆で言っていたな。

NEMO:俺は既にUNITEDは知っていて、ハリー先輩と初めて会った時は恐かったですね。大谷さんに紹介されて挨拶したんだけど、先輩だけは返事が無くて「あぁ?」って感じで睨まれましたからね、「ウワッ、恐い」って。尖ってましたね、最初は(爆笑)

ライブって生ものだから皆で目線を合わせながら音を出すってのは貴重なことだよ。(吉田)

別府:バンドをやっていて辞めたいとか思ったことはありますか?

吉田: 俺は音楽ではそうは思わなかったけど、バンド活動が嫌だなと思ったことは何度かあった。意見が合わなかったり、自分の意見が認められなかったりとか些細なことだけど。後は好きでやっていることだけどツアーが辛いなと思ったこともある。

NEMO:俺も同じで何回もありますよ。自分が思い描いているヴィジョンと尽く物事がずれていく時が多いです。バンドに対する力の入れ具合とかメンバーの人間関係とかもあったり、そういうのを感じるとこれからどうするんだって先が見えないこともあって。曲作っている時も才能無いなとか考えちゃったりとかもあるし。アルバムを作ったりツアーやったり、大きなことをやろうとする時のその瞬間まで落ち込んでいたりすることもあります(苦笑)

別府:そんな辛いこともあるのに何でバンドを続けられるのですか?

吉田:やっぱりステージ立ったりした時の緊張感は普通の生活や人生を送っていたら味わえないと思うんだ、やったヤツじゃないと分からないし。失敗した時もあるけど成功したことも多い。その成功した時の喜びはお金には変えられないようなことが多いから、なんとか今まで続けてられたのもそこだと思うんだ。

NEMO:自分の作った曲とかメッセージとか見方を変えたらはっきり言って自己満足なんです。俺がただこれを言いたいからって発信して、それをオーディエンスが共感してくれた時の力って凄くて。そういうライブが出来た時って本当に忘れられない。だから嫌なことが本当に沢山あってもその力をステージに立つことによって得ることができるからそれを共有したいから続けられます。人生も一緒だと俺は思います。人生10個何かあったら、その10個全部が楽しかったり面白いわけじゃないと思いますから。

吉田:バンドってライブだよ。今はパソコンとか誰でも音楽作れちゃうかもしれないけど、ライブって生ものだから皆で目線を合わせながら音を出すってのは貴重なことだよ。

NEMO:レコーディングは良いものを作りたくて自分との戦いでアンプから出てくる音をチェックしたり少ない人間で決めていくけど、ライブは色々なバックボーンを持った人間がやって来て一つになるじゃないですか。そうなるとやっぱりライブが一番好きです。

別府:今までで印象に残ったライブってあります?

吉田:パッと思い浮かぶのはSLAYERと周った時かな。SLAYERも凄いと思ったけど、自己満足的なことなんだろうけどこんなことできるUNITEDも凄いだろって。ダメなライブは沢山あるけど(笑)

小川:あの時のUNITEDはカッコよかったですよ。

吉田:時代も良かったよ。

NEMO:俺は最近のライブは毎回最高と感じています。その中でもKREATORと一緒だったライブはヤバかったです。ロシアでSURVIVEとしては2回目のツアーだったんですけど、KREATORのファンが多かったんですけど前回のSURVIVEのツアーに来てくれたファンが来てくれたり。俺たちのライブが終ってKREATORのシャツを着たファンがKREATORのライブが始まっているのに俺たちと話をしていたり。「KREATORが始まっているよ」って言っても「お前たちは凄い、満足したよって。ミレが俺たちのCDを持って「お前たちSURVIVEだろ?最高だ!」って言ってくれたこともありました。

そのジャンルしか聞かないって人も日本のファンは多いと感じることもある。(NEMO)

別府:海外のファンと日本のファンの違いを感じたことはありますか?

NEMO:国が国なんで残虐性の高い音楽を求めているのかなって感じることはありました。よりタフなライブは盛り上がる感じです。

吉田: そういうのはNEMOの方が詳しいよね。

NEMO:まずは歴史が違います。俺たちが好きなメタルって色々いるけど分かりやすく言うとアメリカとヨーロッパじゃないですか。そのバンド達が何十年も掛けて作ってきたものの重みとファンのコミュニティが凄く根深いですよ。だからCDが売れないとか何だとか言ってもそれをサポートするファンが必ずライブに来てくれるから、バンドがツアーすれば何とかしてくれる。海外のバンドって年々ツアーのスケジュールが激しくなってきているじゃないですか。日本と違うのは音楽に対するファンのサポートが圧倒的に違って、それを作り上げる業界の人間も多いし、電話一本でどの国ともプロモーターが繋がっていたりもする。良いライブをやればそのプロモーターが翌日の公演の別のプロモーターに直ぐに電話をするんですよ。そうすると「昨日の公演は凄かったんだって」って期待の目で待っている。そうやって新しい繋がりもどんどん出来てくるから分かりやすい。国民性の違いはあるけど日本はそういった面では少し引っ込み思案かなと思います。どっちかと言えば日本では見えないところからサポートされているのかなって感じることが多いです。見えすぎて少し鬱陶しい時もあったりもたまにある反面、その中間がいないって感じることもあります。自分の経験から言えばバンドにとって海外はやり易いです。バンドの演奏に集中すれば色々な面をサポートしてくれるし、マネージャーはどんなに駄目なライブでも駄目出ししないし直せとか言ってこない。ツアーが終った時に次のレベルに行くにはこういうことをしなくちゃいけないって相対的に見てくれてアドバイスをしてくれる。マネージメントが気に入って契約したからそれを信用してくれて最高だって連発してどんどん調子に乗せてくれて、アーティストにとってはやり易いです(笑)。バンドのモチベーションを引き上げてくれて、ツアーの最終日とかになればかなり調子に乗ってますから。その上り調子のまま日本に戻ったら「俺たちヨロシク!」って雰囲気出るよなって。海外のバンドが日本に来ると自信に満ち溢れたドヤ顔で演奏していることが多いじゃないですか、そうなるのは多分こういった教育方針の違いもあるのかと思います。

吉田: 俺たちがMETAL BLADEからリリースした時に俺たちからMETAL BLADEに対して何か注文を言ったりは無かったね。どちらかと言えばマネージメントでそういった話になってリリースしていたって感じだったね。ジャケットなんてどんなのになるかなんて聞かされてなかったし、実際出来たの見てビックリしたよね。そこまでメンバーが突っ込める様な雰囲気っていうのは当時は無かったね。

NEMO:ウチはマネージャーがヨーロッパを知り尽くしていて、バンドが何をしたいのかリクエストするだけです。それに合わせて動いてくれて今ならメールがあるからこんな条件だけどどうかなってきてYESかNOで答えるだけでやり易いですね。

吉田: やっぱり日本のメジャーレーベルで契約したりすると俺たちが言ってもなかなか動けなかったり、意向とは別に動いていたり難しいことがあったね。今、振り返ってそれが最悪だったとは思ってもいないし当時はそういう流れだったと思う。

NEMO:海外のファンは分かりやすい。どれだけ俺がお前たちのことを知っているか、好きなのかってそういった話しかしない(笑)。でもそれで俺たちはフランクに接することができると思います。

吉田: 韓国以外では、俺たちは20年前に行っただけだから。しかも特殊なフェスでレジェンド的な大御所も出る様なものだったからファンと接したってのは殆ど無かった。

別府:ファンレターとかでコンタクトを取ったりとかは無かったのですか?

吉田: それはヨコ先が全部やってて、それでどんな手紙が来たりとかは教えてくれたりはといったことはあった。

NEMO: 日本って音楽もカルチャーもブームが終ったらそこで一度閉じられて、それで続いていかないのかなって思います。例えばIRON MAIDENがブームになった時代があったとしたらそれが終ったらそこで一度終って、次の世代はMETALLICAから入ってきたりするんじゃないかと。掘り下げていってその繋がりを探る作業は海外のファンってどんどんやっていって、日本のファンは肌感覚でさらりと流れを知っているのかなって感じています。それって凄く違うと思います。

吉田: 洋楽だから…、だって洋楽って言い方変じゃない?海外で洋楽って言葉ないでしょ?ROCK、JAZZ、METAL、POPSってジャンルの括りはあるけど。洋楽って言葉は変だよ(苦笑)

NEMO:あとはジャンル分けが日本は細かいかなって思います。何でデスメタルだけでこんなに種類があるのかなって。例えば「これはGOREじゃないから違う」とかいう人もいたりして。デスメタルはデスメタルでいいんじゃないかなと思います。ジャンルに関係なく聞いて良いかどうかより、そのジャンルしか聞かないって人も日本のファンは多いと感じることもある。元々ROCKが根付いていているって歴史があってその根の深さもあるから仕方ないのかもしれませんが。

吉田: そこは仕方ないって言えば仕方ないと思う。

小川:そういった歴史があれば、やっぱり後から出てきたバンドも必死になると思います。

NEMO:バンドなんて水ものだけど凄い時代を築いたバンドがいれば、そのバンドみたいになりたいって出てくると思います。若い時の俺はOUTRAGEがいればあんなバンドになって最後には超えたいって思ってた。そういうバンドって今はいるのかなって。俺は俺でいいよとかになっちゃうとコミュニティも出来ないでシーンって成り立たないと、シーンはコミュニティだと思うから。俺たちがイベントを企画して「垣根を壊したいしこういうこともやりたい。だから一緒にやろう」って言っても「僕たちはちょっと違うから出ません」ってなったら「何それ?」ってなってしまいます。

吉田: そういうバンドって多いの?

NEMO:そういうバンド多いですよ。

吉田: この前のヨコフェスは垣根無かったじゃん。

NEMO:あれは80年代や90年代の日本の良き部分が出たんだと思います。

吉田: あれをメタルバンドだけでやったら面白くなかったし、色々な人達が出たから面白かったと思う。

NEMO:メタルもハードコアも一緒にやっていたのがシーンとしては昔の日本らしさだったのかなって。小さなコミュニティのカルチャーが情報交換しあったり。今の日本のライブハウスでハードコアの人達と仲良くなるなんてことは少ないと思います。ウインドミルってカッコいいねってメタルのファンが言うことも無いし、逆にハードコアの人達がヘッドバンギングってカッコいいから俺たちも髪伸ばそうかなっていうのも無いし。そう考えると俺たちが今いるところは細分化していったところにいるのかなって。

小川:そこはアーティスト同士で構築していくのではなくて、周りも関わっていけたらと。

NEMO:サッカーがJリーグになった時みたいな仕掛け、マイナースポーツがいきなりメジャースポーツになって今まで知らなかった人も「サッカーって面白い」って言えるような仕掛けが必要だと思います。そういった仕掛けを今の日本では俺たちミュージシャンがやっている部分が多くて、そうなると限界もある。リハーサルをやる時間が何時間もあるのに、対バンどうしようとか、ステージの演出どうしようかとか本当に色々あるからそうなるとどうしてもそういった仕掛けの面が手薄になります。やった後に満足はするけどもう少し協力してくれる人がいたらもっと出来ることあるのになって歯軋りすることが多い。

吉田: そういうコミュニティに関しては海外の方がスゴイんだろうね。

NEMO:モニター担当のヤツだってドヤ顔でやりますから。

吉田: UNITEDは海外のスタッフとやることが多いけど、意識がプロフェッショナルで向うのスタッフは他に口出しさせない様にキチンとプライドを持ってやるから。ボランティアみたいにやってくれる人が多くて申し訳ないし助かるけど、人手が足りないからやってあげてこっちも人手が足りないからお願いできないかなって感じになっている。そういう形ではなくてお互いがプロフェッショナルに出来る様な、そんな音楽業界全体の深みが違うと感じる。

NEMO:日本のシステムって利益を欲しがることが多いとも思います。CDをリリースしたら利益、ライブをやったら利益って。俺はミュージシャンが置かれる立場ってそうじゃないと考えています。それを平気で見せちゃうから、結局それかよって嫌になっちゃうと思います。ミュージシャンは夢を売る仕事だと思うから、そこはお金とは違うって答えるミュージシャンは多いのではないかと。例えば今日はいいリフを沢山弾いたからギャラを5万円プラスしたよって言われても「それ何だよ」って冷めちゃうじゃないですか。それよりも良いライブをやったらその感動を次に生かせるようにできたらなって。それが後々にお金や確固たるものになればいいと思います。

別府:日本って島国ってのも不利なところもあると思のですよ。島国だからツアー来るにも行くにも飛行機でお金かかるし。広いアメリカや陸続きのヨーロッパとそこが大きな違いかなと思います。

吉田: 一つの産業になっているね。

NEMO:日本は大きなところは東名阪だからそこだけツアーしていったらすぐに萎んでしまうから。そう考えるとどんどん海外に出て稼いでくればいいと思う。やるからには覚悟を決めて日本の感覚に捕らわれないでおかしくしてしまったらいいと思います。プロフェッショナル中のプロフェッショナルなんてどの業界も一握りだと。海外だって色々あると思います。俺たちは最初韓国でとにかく外の世界を知りたかった。隣の国で見た目も似ていて感覚も近いのかなって部分はあったけど、海外ってことに対して考え方が変わっていきました。国内の変なライブで大金を払うなら一回でもいいから外国に行ってみて外の世界を見るのもいいと思います。今はそれが容易にできる時代だし、そういう考え方もありだと思う。

吉田: 俺はビジネスとして考えるのはどうかなって部分もある。別に自分が楽しめるとこだったら積極的にやるわけで楽しめるヤツが思いっきり楽しめば・・・、ビジネスはいいかなって(笑)。シーンは後からくっ付いてくるのかなって思う。

NEMO:もっと海外に出ていくことが増えたら国内のシーンももっともっと魅力的になると思います。今まで見えなかった部分に価値も出てくるとも思う。それって逆輸入とは違うと思うし、その言葉自体嫌い。逆輸入したい為に海外に行っているわけではないから。俺たちがプロフェッショナルって言っている部分は海外に出るとプロフェッショナルでないところが多いから。楽しくやるバンドも必要だけど死ぬような思いをして真剣にやるバンドも必要。それでビジネスって部分で考えたらボコボコにやられた方がいいと思います。そういうバンドが日本に帰ってきて、それまでは歪みがどうとかエフェクターがどうとか言っていたバンドだったのが「アンプに直で大丈夫だよ」ってさらりと言って凄いライブを見せたら、それだけでシーンが盛り上がると思います。それって単純に有能なミュージシャンが増えるわけですから。今はアマもプロも一緒にやっている状況だと感じています。金貰っているのがプロとかそういうのではなくて、プロって意識の問題だと思います。金を取ったってチューニングも出来ないようだったらプロじゃないし、それはウソでしょ。話がまとまらなくなってきた(笑)。本当に言いたいことは多いから。

吉田: お客さんは大事だよ。お客さんを満足させようとするのがプロなんじゃないかな。それは昔から変わってないけど。

NEMO:ライブは基本それですから。例えばファンが払ったお金が全てバンドとは関係無いところに搾取されたとしても、ファンはバンドに払っていることに変わりはないから。それでファンが「今日来て良かった。明日から頑張ろう」ってなればミュージシャンとしては本当に嬉しいから。

吉田HALLY良文(UNITED)× NEMO(SUR...

吉田HALLY良文(UNITED)× NEMO(SURVIVE)

業界全体が閉鎖的で新参者に厳しくて道を譲らないと感じることもある。(吉田)

別府:日本のアンダーグラウンドシーンって昔からのコミュニティの意識が強くて新規のファンが入り込めないってことをよく言われますが、それについてはどう思いますか?

吉田: 内輪ノリになるってこと?それでもいいと思う、楽しみ方は自由だと思うから。俺たちはカッコいいライブを見せることしか考えられないし。

NEMO:俺はこう見えて結構気遣いなんで、ライブハウスでの人間模様がステージから見えてしまう。ギター/ヴォーカルなのでずっとお客さんが見えてしまうから「あいつ下向いて退屈そうだな」とか感じたり(笑)。好き勝手やるのはいいけど、嫌な思いをして帰って欲しくないなと思います。初心者でライブハウスに初めて来る人もいれば百戦錬磨で庭になっている人もいるから、そこで楽しくシェアができたらと思います。あとはミュージシャンとファンがお互いリスペクトしあって良い関係は築ければと思います。フランクに接してくれることは全く構いませんが、その距離を上手く保てない人には困ることもあります。

吉田: 業界全体が閉鎖的で新参者に厳しくて道を譲らないと感じることもある。自分の取り分は絶対渡さないって人が多いし。

NEMO:俺なんか大変ですよ、この年でまだ若造扱いですから(笑)

小川:仕事は仕方ないにしてもファンからしたら音楽は好きな対象なのでそうなって欲しくないです。

吉田: メタルってそういうのが顕著かな。

NEMO:メタルのファンって命懸けなのかなって感じることがあります。ファンはライトな感じで接してないから、結果閉鎖的になるのかなと。大好きで絶対的なものだからそうなるのは仕方ないのかなとも思うし。恋愛と一緒でそれしか見えなくなるから。

小川:私も最初はそうだった(笑)

NEMO:それは日本だけじゃなくて全世界そうなだと思います。PANTERAやKORNが出て来た時ってそうだったと思います。

吉田: 新しいものが出て来た時って拒否反応を示すヤツって絶対いるから。カッコいいものじゃないと受け入れ辛い。

別府:名前は出しませんが最近話題の某バンドとかの拒否反応も強いですね。

吉田: 外国の人で「これはメタルじゃないよ」とかバカなこと言うことある?

NEMO:今、俺たちの衣装を作ってくれているアメリカの女性の人がいるんだけど、ある日衣装の打ち合わせと関係ないメールが来てその内容を読むと超怒っていたことがあって。あのバンドは何だって書いてありました。

吉田: 外国の人で?

NEMO:その人は今GWARのヴォーカルになった人だけど「私は日本の素晴らしいバンドを知っているけど、あのバンドがメタルの看板掲げてFROM JAPANって言っていたら他の日本のバンドはどう思うの?」って。「私はメタルのコミュニティやバンドが好きだからふざけたことをして欲しくない。日本人がどうこうっていうのではないし、日本人が好きだけど、ただああいった誠意のないものにメタルって付けて欲しくない」ってそういった内容のメールが来ました。

吉田: そういう反応をするん人もいるんだね。でも日本のフェスだってそれ抜きじゃ成り立たないでしょ?

NEMO:理想としてはメタルだけでやって欲しいと思いますが…。

吉田: 本当は純粋なメタルバンドだけでシーンが盛り上がっていればそんなに反発も無いのかもしれないけど、そういうのが盛り込みながらイベント感を出していかないと成り立たないのかな。それを考えるとシーンとしては成熟していないと思う。

小川:なので盛り上げたいなと考えています。

吉田: それをどう成熟させていくのかって考えても難しい。

別府:話は少し外れますがSlipknotみたいなバンドって日本だったら絶対生まれてないと思うのですが。

NEMO:ああいったリミッターぶち切れたバンドは出てこないでしょうね。それは良い悪いは別として日本人は真面目に物事を捉えるからだからだと思います。

今はバンド以外でも楽しみの選択肢が多いからそうなってしまうのかな。(NEMO)

別府:地方のシーンとか感じていることはありますか?

吉田: 地方はちょっとでも行かなくなるとお客さんの顔がガラっと変わっていることが多い。UNITEDがよくツアーに行っていた頃は地方の顔になっているバンドが必ずいて、そのバンドが呼んでくれてその土地のバンド集めてイベント組んでくれた。三年とか行かないとそこで仕切っている子たちの顔が変わっていることも多い。やっぱりもっと東京で頑張らないといけないし、そうじゃないと伝わらないと思う。

別府:年齢やキャリアで考えたらUNITEDはそうですけどSURVIVEもガンガンやっていくのはちょっと違うと思うのですが。

吉田: 本当だったら元気のある若いバンドがガンガンやってくれるといいのだけど…。

NEMO:キャリアはあるけどシーンを見ると俺たちでも年下の方から数えた方が早いから 。若手バンドだと思って話してみると意外と年が変わらないってバンドも多いから(苦笑)

吉田:20代のヤツらがやっているバンドって本当に少なくなったよね?

NEMO:今はバンド以外でも楽しみの選択肢が多いからそうなってしまうのかな。

吉田:昔に比べて女の子にモテる選択肢が増えたのか(苦笑)

NEMO:今はメタルやるとモテないでしょって思われるから、そのイメージを払拭しないと。俺くらいでしょ、モテてるの(笑)

吉田:ああいう風になりたいってモデルがいることも重要だよ。

小川:NEMOさんやハリーさんみたいになりたいとか。

吉田:俺になりたいって子、いないな(笑)。やっぱり成功した人がいないと若い子も入ってこられないのかな?ジミー・ペイジやエリック・クラプトンみたいなレジェンド的な人がいればいいけど、日本にはいないじゃない。長渕さんや矢沢栄吉さんといった人がメタルにも出ないとダメなのかなと思う。でも音楽って勝負事じゃないとも思うんだよ、勝ち負けじゃないし。

NEMO:ハリーさんがロックンロールライフに磨きをかけてどんどんレジェンド作っていかないと(笑)

吉田:死んじゃうよ(苦笑)。若い子がガンガンやってカッコいいことやって欲しいし、それをやってくれないと。俺とかは見ないことも多いけど、インターネットとかで昔に比べて色々分かるようになった部分もやり辛くなっているとこもあるのかとも思う。

NEMO:矢面に立っている人間なんか情報を遮断していったらやりたいようにやれると思います。二次元の世界で何を言ってもそこで終わりだし。その人は直接面と向かって言えないと思うし、逆にそんなことを気にしていたら何も言えない。バンドどうですかって言われたら「最高でございます」、ロックンロールって何ですかって言われたら「夜は早く寝て真面目にやることです」なんてことしか言えなくなるし、すっとぼけた面白い発言も出来なくなるから(苦笑)。音楽ライターさんでもそういった環境を意識している人が多いと思います。ライターさんでもSNSとか使えるじゃないですか、そこでイエスマンを増やしていって昔より文章が緩いなって感じることが多い。何か気にしているでしょって。あとは現場にも来てくれる人は少ないと思う。

吉田: 文章が書き辛くなっているかもしれないのかな。やんちゃじゃないと新しいものや面白いものが出来ないと思う。

別府:大騒ぎしていても実際現場では大したことにはなっていないってことも多いと思います。

NEMO:そういったところにも首を突っ込んで何かを言いたいだけなんだと思います。この間も某バンドの来日が中止になって何百人も騒いでいる様だったけど、少し考えてみればそのバンドにそんな動員も無いしその騒動に乗っかって何か言いたいだけなのではと感じました。日本人はバーチャルな世界が好きな国民なのかなとも思いました。

小川:ライブの気持ち良さとか分かって欲しいけど。最初はバーチャルから入っても仕方ないと思うけど、実際の現場を体験すると色々感じることはあると思うのだけど…。

NEMO:それだけでショートムービーが作れると思います。初めてライブハウスに行って、昔ながらの恐いお兄さんがいてどうしようかって入口でビビッて入ってこられないシーンがあったり (笑)

吉田: 話変わるけど昔のライブハウスって本当に恐かったよ。

NEMO:昔のアンチノックで何回失神しそうになったか、入りだけで嫌だなって(笑)

吉田:今はあれだけピリピリした空間て無かったから異次元だった。

NEMO:あの緊張感が逆に良かった。

別府:情報も今みたいに無かったし、都市伝説みたいな話も多かったですよ。僕は田舎に住んでいたから情報が捻じ曲がって入ってました(笑)

吉田: 自分が実際そこに行って体験しないと分からなかったから緊張して行ったし。

NEMO:あの恐いけど行きたい、どうしようってのが良かったと思います。恐いもの見たさじゃないけど、どんなことがあるのか見たかった。

吉田: そもそもライブハウスってそういうところであって欲しい。

NEMO:お金払ってあの暗がりに入る時って緊張と興奮があって、これからワルになるんだって思いもあったから(笑)

別府:お客さん同士も意識してピリピリしてたり。

NEMO:あの野郎DISCHARGEのシャツを着てイキがってやがるなんて思ったり。

吉田: もうそういう雰囲気のところは少ないかな。

吉田HALLY良文(UNITED)× NEMO(SUR...

吉田HALLY良文(UNITED)× NEMO(SURVIVE)

あとはフレッシュな人が出てこないとダメなんじゃないかな。皆年を取っていくし。(吉田)

NEMO:メディアの話に少し戻るけど、俺たちはこの前ロシアでとんでもない目にあってそれなんか最高のネタだと思っていたのですが、さらりとそういったメディアの人達に伝えても話を聞こうってならないですから…。「じゃあ次のアルバムは?」って話になって「何だよアルバムかよ」って(笑)。ローリングストーン誌が好きで音楽の話だけじゃなくライフスタイルの話とかをしているじゃないですか。例えばリリックがどうのこうのとか作風がどうのこうのとか新しいアルバムが出たらそういう話になるけど、そうじゃなくて1人1人の生活とか生い立ちとかに注目してもいいと思います。そうするとファンにもアーティストが面白いキャラクターとして捉えられたりすると思うし、そうなればまた違った魅力を伝えられると思います。ありものだけを拾った風にしているだけであれば誰が書いても同じじゃないかなって。

吉田: ギター奏法がどうのこうのって言っても今は見ないし読みたいと思わないんじゃないかな。

NEMO:だったら逆にそういう雑誌でそのギタリストのルーツと生い立ちに迫るってのがあったら、ここからあの人はああいった奏法になったのかとかあいつのハングリーさはここから来ているのかとか想像するのが楽しくなると思います。そういう部分にクローズアップする本が少ないのではないかなと。単純に同じものを何十年も与えられてそれを喜んで読むっていうのも気持ち悪いと思いますが。これだけインターネットも普及していたらファンはもっと色々な情報を欲しいのではないかなと。どれだけ売れるかは分からないけど、絶対にどこにも出てこない情報とかを紙であえてやるってことは意義があると思います。

小川:私は怒られる位のことをやっていきたいですよ。

NEMO:メタルシーンに少し遊び心があってもいいと。あまりにガチガチな話ばっかりで遊びの無い人が多いとつまらないし、ヘヴィメタルって中に色々なものがあっても俺は楽しいと思います。全部染まって語り口調までそうなっちゃうと余計なお世話かもしれないけど心配なって、もしそういった人に会うことがあればで「もうちょっと楽しんだほうがいいよ」って言うと思います。皆がもっともっと色々な意味で楽しめたらもっと良い意味でメタルのシーンが広がっていくと思います。

吉田: 何でも書きすぎると言っていること信用出来なくなることもあるんじゃないかな、この人の本当に好きなものは何なのだろうって。仕事だから仕方ないかもだけど何でもやっていたら説得力が無くなると思うけど。

NEMO:ファンも発信の場が多くなってるからプロの人達にも毎回プロ根性を感じさせる様な面白い文章を書いて欲しいですよね。

吉田: ライブレポとか言い回しが全部一緒で気になるのはセットリストだったり写真だったりするし。

NEMO:昔はクセのある文章だけどグッとくるものがあった、大袈裟過ぎて面白かったり。ライブレポも関係者席で余裕を持って見るよりもギュウギュウになったフロアで見たお客さんのレポが生々しくて面白いことあるから。もう愛が違うんですよ、お前このライブレポ重すぎるよって位に熱かったりするから。

吉田:あとはフレッシュな人が出てこないとダメなんじゃないかな。皆年を取っていくし結局書いてる人が同じだから。

別府:バンドやりたい人が少なくなっているのと一緒で音楽ライターになりたいって人も減っていると思います。

NEMO:まるで音楽業界が世間一般からどんどん孤島になっていくような感じなのかな(笑)

吉田: ROCKとか年配の人の楽しみになっているよ。この前のBOSTONの来日なんかおじさん達が大合唱だったし。レジェンド的なバンドはチケットも高いしお金を持っている世代の楽しみになっているところもあると思う。

NEMO:俺はジャンルは違うけれど長渕が大好きで、コンサートは必ず行くんですよ。スゴイなと思うのが、何の努力もしないでずっと「とんぼ」とかを歌ってたら俺らより上の世代の人達が一緒に歌って終わりだと思うけど、年齢ごとその年その年のやり方があって必ず若いファンがいて代謝しているのが見えることなんです。かわいい女の子とかB-BOYSとかロック好きなヤツとか色々なジャンルのヤツも来ていて。昔だったらやらなかったパーソナルな部分を掘り下げていってそういうことが必要だと思います。音楽の話を抜きにした友達トークみたいなインタビューもありなんじゃないですかなとか。

別府:最後にお互いやってみたいことはありますか?

吉田:今年大阪のTRUE THRASH FESに雪で行けなかったので来年は行く方向で話していて、あとは曲作りを始めて次の作品作りかな。後は・・・、無いね(爆笑)。いい曲作ってライブをやる、それだけだよ。

NEMO:ニューアルバムがやっと出来るんでこれからリリースするとことか、全世界を嫌というほど旅して、色々色々です。

UNITED

UNITED

UNITED

MASATOSHI YUASA vocal SINGO OTANI guitar YOSHIFUMI "Hally" YOSHIDA guitar AKIHIRO "yoko" YOKOYAMA bass AKIRA drums

SURVIVE

SURVIVE

SURVIVE

Vo,Gt - NEMO Ba - SINJILOW Dr - SHINTAROU

関連する記事

関連するキーワード

著者