第三回ゲスト:佐藤則夫(HELLHOUND, Mastermind)× 小金丸慧(Mysterious Priestess)

2015年10月2日 更新
第三回ゲスト:佐藤則夫(HELLHOUND, Mastermind)× 小金丸慧(Mysterious Priestess)
記事公開日:2015/09/14

Metallization.jp企画会議 第三回目

Metallization.jp企画会議 第三回目

L to R:
佐藤則夫(Mastermind, HELLHOUND),小金丸慧(Mysterious Priestess), 小川(Metallization.jp事務局), 別府伸朗

必ず岐路に立たされた時はこっち(HEAVY METAL)の道を選んでいた。(佐藤)

別府:今日はよろしくお願いいたします。お二人は面識があるのですか?

佐藤:HELLHOUNDが企画した「WACKEN出たぜバンドイベント」で今年の2月に初めて会って・・・

小金丸: 初めてじゃないです。HELLHOUNDが優勝した時の(METAL BATTLE JAPAN 2014で)・・・。

佐藤:そっかそっか、あの時の俺はぼ~っとしていたので。今、言われてみて、その前の年に優勝した人と話したなって(苦笑)。でもあの時にCharles Mingusを勧めてくれたよね?それは覚えているよ。あの後にCharles Mingus「道化師」とか「直立猿人」のCDを買って聴いたんだよ。

小金丸: 俺、そんなこと言いましたっけ?(笑)

佐藤:どんな音楽が好きなのかという話になって、JAZZって言ってたんだよ。「この野郎、カッコつけやがって」と思って(笑)。俺はMiles Davisが好きだから、Miles Davisなら分りますよって。そしたら「やっぱりMingusですよ、Milesはまだ甘いっすね」みたいな感じだったよ(一同爆笑)。

小金丸: 止めてくださいよ。全然甘くないですよ(笑)。

佐藤:それであのMysterious Priestess の生意気な野郎が言ってたなってCharles Mingusを聴いたら、カッコイイなって。影響受けてますよ、Mysterious Priestessには(一同笑)。

小金丸: やり辛いな(苦笑)。

別府:音楽の話をしたのはこの時以外にもありましたか?

小金丸: この時以外は殆ど無いですね。

佐藤:その時俺たちの主催ライブだったので、忙しくしていたのもあったから。でも(小金沢さんを)カワイイなと(笑)。

別府:年齢差も結構ありますよね。

小金丸: 僕は今年で24歳になりますが。

佐藤:ダブルスコアですね(一同笑)。

別府:そうなると、お二人の音楽遍歴も色々と違いがあるでしょうね。バンドを始めるまでどんな感じでしたか?

小金丸: 僕はかなりベタな感じになると思います。L'Arc-en-Cielを聴いていて、ギターをやりたいなと思って。それからヤング・ギター系のYngwie Malmsteen、Paul Gilbert、Steve Vaiが好きになったのですが、突然これじゃダメだって。このままだと型に納まっちゃう、ヤング・ギターに出る人たちを超えられないまま終わっちゃうと。それでまずJAZZを聴いてみようと、それが大学に入るちょっと前です。

佐藤:俺は30歳になって初めてJAZZって良いなって思ったのに(笑)。僕は一番初めに音楽を聴いたのはピンキーとキラーズとかフィンガー5とか、本当にちっちゃい頃だけど。小学校の高学年になって世良正則とツイスト、あれが俺のロック初体験。MASTERMINDでスタンドマイクにして歌っているのは、世良正則の影響だから(笑)。そんなこんなで、親戚のおばちゃんにトランジスタラジオを貰って。それで日曜の朝に早起きした時に、家族皆寝ているしラジオでも聴こうかと。それでポップスベストテンというラジオ番組でElton Johnの曲がかかっていて「外国の歌っていいな、凄い」と衝撃を受けて。その日の午後に友達と遊んでいる時に「知ってる?外国の歌って良いんだぜ」って言ったのを覚えています。それ位の衝撃でした。そこから流行りものを聴いていたんですよ。それから誕生日にラジオをくれたおばちゃんが「お前は音楽が好きだから、欲しいLPを3枚買ってやる」って。それで1枚がLeif Garrettのベスト、その次がARABESQUEの「HELLO Mr.MONKEY」、それと何故か1枚だけQUEENの「THE GAME」を買ったんですよ。そうしたら「何だこれ、凄い!」とビックリして、それからお小遣いを貯めてQUEENを全部聴いて。中学生になると皆色気づいてROCKとかPOPSとか聴くようになるじゃないですか、当時はSTYXの「PARADISE THEATRE」が流行っていて。「それ聴きたいね、ちょっと買いに行くしかない」と買いに行ったんですよ。行ったら売り切れで、その時のお店のBGMで流れていた曲がRAINBOWの「I Surrender」だったんですよ。それがもう衝撃で「うわ~、何だこのカッコイイ曲は」って思って、お店に人に「スイマセン、今かかっているのは何ですか?」って言ったら、あの手術着の「DIFFICULT TO CURE」のジャケットを出されたんですよ。「うわ~、このジャケットキツイな」って思ったんですけど、曲がカッコイイから買おうと思って。STYXを買うはずがRAINBOWを買って、そこからおかしくなった(笑)。帯に「HEAVY METAL」って書いてあって、ちょっと不良な友達にこういうのが好きだって言ったら、当時俺は『ノスケ』って呼ばれていたんだけど、「ノスケ、HEAVY METALって書いてあるの買ったら、全部カッコイイから」って言われて(一同爆笑)。それから帯見たら「HEAVY METAL」の文字を探して。それで次に買ったのが当時話題だったIRON MAIDENの1st。そこからですよ、もっとHEAVY METALにやられたのは。「Prowler」のテロレロレロっていうアームダウンと共に俺も坂道を転げ落ちていきましたよ(一同大爆笑)。当時、中学校ではDave Murrayとか聴いて「やべぇ、Ritchie Blackmoreより早弾きがスゲェ!」って皆言ってたから。今、考えるとそんなにスゴクねぇよって(一同笑)。

別府:則夫さんの時はIRON MAIDENだったのですね。僕の頃はEUROPEの「Final Countdown」だったかな?あれ、中学?高校?どっちだったかな?

佐藤:俺は高校の時にEUROPEの1stを聴いて、ヌルイぜって思って(笑)。当時はLOUDNESSとか聴いていたから。

別府:バンドを始めようと思ったのは?

佐藤:バンドは高校生の学園祭の時に皆で映画を撮って、それが完成した夜中にくっちゃべっていて。その時誰かが「俺、バンドやりたいんだよね」って言いだして。それで、それぞれが「俺、ギター」「俺、ベース」ってなって、それで「じゃあ、俺はヴォーカル」って成り行きで。それが9月位で、12月にクリスマスライブが学校であったからそれにQUEENとWHITESNAKEのコピーバンドで出た。オリジナルをやったのは、かなり後。高校を卒業して、大学入って出て就職してとなると、バンドももうやれないだろうなと思って。そしたらある日突然知らない人から家に「佐藤君ですか?」って電話が入って、当時はメールも携帯も無かったから。そこで「バンド辞めたって本当ですか?」って言われて、「ウチで今ヴォーカル探しているからやりませんか?」という内容でした。大学の時にVOW WOWのコピーバンドで、まだステージが逆にあった頃の吉祥寺のクレッシェンドに出たんですよ。その時のキーボードの友人のギタリストが見ていて、コイツとバンドやりたいって連絡してきた。その時はTHE BLUE HEARTSのコピバンでドラムでもやろうかな程度だったから、いいですよって。

別府:それってJACK HAMMERですか?

佐藤:そう。JACK HAMMERの前身バンドの曲が沢山あって、それの歌メロを変えてもいいならやるよって。それでOK貰ってやるよとなりました。

別府:で、JACK HAMMERを経てMASTERMINDとなるのですね。さて、続いては・・・

小金丸: 僕はそんなドラマチックな話は無いですよ、おかしいなぁ(一同笑)。単純に文化祭で楽曲は何でもいいからギターを弾いて。当時流行ってたGREEN DAYの有名な曲があるじゃないですか、「American Idiot」。

佐藤:うわぁ~、「American Idiot」! 文化祭の世代なんだ、何と!!!

小金丸: パンクで、先輩がそのリフを弾いていてカッコイイと。それでギターって「これ」なんだって思って。

別府:そういう世代だと、そのままメロコアに流れていく人が多いと思うのですが、何でHEAVY METALへ?

小金丸: 僕はある人からギターを習っていたのですが、その人がこんな世代の人で(と言ってメロイックサインを作る)。

佐藤:こんな世代ね(と言ってメロイックサインを作る)。

小金丸: Ritchie Blackmore大好き先生で、少し記憶が曖昧なのですがDEEP PURPLEのBBCのライブ映像を見せてくれて。「Child In Time」をやっていて、「なんじゃこれは、水戸黄門みたいでカッコいいぞ」って(笑)。そこからどんどんクラシカルな流れのギターをやりたいって。そうしたらYngwie Malmsteenを教えてくれて、早弾きにのめりこんで。それでハーモニックマイナー系を毎日練習してました。ふと気がついたらHEAVY METALの道を歩いていて。それで色々なバンドを探していて、今に至る感じです。その途中で、最初はCHILDREN OF BODOMのパクリみないな感じでしたが、オリジナルの楽曲を書き始めて。大学に入って今のバンドメンバーに出会って。それまでは文化祭で年一回程度何かやっていた感じでしたが、大学一年の時からちゃんとしたバンドをやり始めました。

佐藤:俺なんか大学卒業してからちゃんとしたバンド始めたからね。それまでLOUDNESSとVOW WOWのコピーバンドだったからね。だから「BIGになるぜ!」とかそんな大それたことは全く無かったから。

別府:でもバンドをやってオリジナルでやっていると、このままでは終われないなっていうのが出てくると思います。生活のある程度の部分を削ってまでバンドを続けていこうと思った切っ掛けみたいなものは何かありましたか?

小金丸: 僕は大学が音楽系だったので、そこに飛び込んでしまったから音楽以外の道は行けないかなって。

佐藤:凄いね。俺なんか幼稚園のハーモニカで、こういうのは女子に任せようって思ったからね(笑)。

別府:そうは言ってもHEAVY METALに凄いこだわりを感じますが。

佐藤:その・・・、多分こういうのって今バンドをやっている人にはいないと思うけど、俺は本当に冴えないクソガキだったんですよ。頭もたいして良くないし、カッコよくもないし、スポーツができるわけでも、何か特技があるわけでもない。でも、おばちゃんがくれたラジオから聴いたElton Johnが俺にとって特別なものだった。ROCKってフリーなものだと思うんですよ、特に70年代から80年代にかけて。僕の世代にもフリーなROCKな残り香があって、ミュージック・ライフとかを読んで色々と情報が入ってくると「こんな俺でもいいんだ」って。今はライブハウスシーンとかでも音楽がコミュニケーションのツールになっていると思う。例えばライブに行って友達に会ったりとか、ライブを見て皆で盛り上がるとか。でも、俺はそうじゃなかった。ダメな俺でもROCKは受け止めてくれていると感じて、そのROCKの中でもズキューンと胸を打たれたRAINBOWの「I Surrender」のイントロでコレだと思ったから。上手くは言えないんだけど、音楽やHEAVY METALに背を向けることは出来ない。もし背を背けたら、自分が自分では無くなってしまう。せっかく見つけた自分の宝物を手放すことは出来ないということが一番大きいし、今もそれを凄く感じる。俺みたいにいい歳こいてバンドをやっていると、他の人とは違うかもしれない。普通に中高大と出て企業に就職して、流れでバンドをやっていただけだけど、その間に音楽以外のことを切り捨てていっていることが本当に多いんだよね。こういう髪型をして一般の企業で働いていることとか、付き合っていた女の人から「結婚したい」と言われた時にバンドを選んだりとかさ。何度もHEAVY METALか普通の道かと何度も何度も岐路があったけど、全てHEAVY METALの道を選んできてた。HEAVY METAL生活の中心ではなかったけど、必ず岐路に立たされた時はこっち(HEAVY METAL)の道を選んでいた。個人的に悩んでもしたよ、例えば「同期のヤツが部長かよ、俺はまだこれだよ」とかね。そういったことに悩んだこともあったけど、タラレバの世界で、20代で当時付き合っていた人と結婚して、子供を育てて、普通のサラリーマンの生活をしていたとしたら、何かある時に「いや~、あの時バンドやっておけばよかった」って絶対思ったんじゃないかと。俺はこうやってバンドをやって、俺なりに色々やっているから「あっちも良かったかもな」と今なら思える。でも、それは後悔じゃないんだよね。あっちも良かったかもなってその程度で「あの時バンドやっておけばよかった」という後悔とは違う。

別府:そこまで惹かれたものは何だったのでしょうね。

佐藤:何だろうね・・・、「血」なのかね(笑)。カネちゃん(小金丸)はギターが上手かったんでしょ?俺なんかハーモニカの時点で挫折したからね(一同笑)。

小金丸: 僕も歌は下手だったし、ハーモニカもリコーダーもなかったから。実際ギターをやっている人って普通にしてたら全体的な人数が少ないじゃないですか。なのでここで上手くなったらチヤホヤされるかなって。身長とかコンプレックスがあったので、これ位はやっておこうかなって(笑)。

佐藤:いいね、それ(笑)。

小金丸: 動機で言えば不純ですよね(笑)。

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大きく見せていただけですよ(一同爆笑)。大きく見せないとやっていけんじゃいかなって。(小金丸)

別府:お二人は音楽をただの趣味で終わらそうという考えは無かったのですか?

佐藤:俺はオリジナルの楽曲でやっていくバンドに誘われたのが大きな分岐点。それを軽い気持ちでは受けたけど、自分で楽曲を作ってそれを良いと思ったら、皆に聴いてもらいたいって欲が出てきた。多分「それ」がずっと続いているのかなって。それを続けていると、それなりに良かったよって言ってくれる人も出てくるし。

小金丸: 僕も同じ様な感じですね、続けているのは。褒められたいから(笑)。

別府:逆に大きな挫折はありましたか?特に則夫さんはキャリアもあるので。

佐藤::実はWACKENのコンテストに出る前は完全に辞めるつもりでいたから。ただ「辞める」というのも色々と面倒臭いし、最後に「~~ライブ」とかやることですら面倒臭いと思っていたから。METAL BLESS JAPAN(注:国内HEAVY METAL系アーティストによる東日本大震災チャリティーキャンペーン)の2013年の3月のそこまではやるけど、その後は『病気治療』とか言ってフェイドアウトしちゃおうと。バンドというものを全て辞めてしまいたかった。バンドって音楽だけじゃないし、音楽以外のことが面倒臭い。それで俺の手に負えないとなってきてしまって。そうなると「これはもういいや」って。やってみたいことも何となく出来てたし、これ以上無理も出来ないなって。

小金丸: 僕はバンドで面倒臭いと思ったことは無いのですが(笑)。

佐藤:いいね~。

小金丸: 何が面倒臭くなってきます?

佐藤:それ、訊く?(笑)。メンバーにもよるけど「練習の日にちを覚えていない」、「レコーディングのスケジュールを全く覚えていない」、「ライブのスケジュールを全く覚えていない」、「この日までにこれをやっておいてねと言っても出来てない」とか。

小金丸: メンバー個人の意識ですね。

佐藤:Mysterious Priestessはメンバーの意識が高そうだもんな。

小金丸: 見えますけど・・・、飲んでるだけなんで分らない。メンバーと集まって焼肉してるとか(一同爆笑)。

別府:若い時ってそう時が多いんじゃないですかね。結構キャリアのあるバンドも、若い頃は皆で飲んでることが多かったってエピソードを耳にしますから。それで絆が強まっていくかと思いますけど。

佐藤:MASTERMINDは毎週ミーティングしていたから、高円寺の駅前の大将で常にミーティング。ヒドイ時は週に三回やってたよ(笑)。ミーティングは大事だよ。

小金丸: 大事ですよね(笑)。

佐藤:でも、そうじゃなくなってくる時があるのよ(苦笑)。

別府:そうなった時にどうするかですね。

佐藤:例えば、今はCDを作る方法ってプレスをするにしても何にしても情報があるけど、MASTERMINDが1stCDをリリースする時は何も知らなかったから。当時はパソコンがそれほど発達していなかったから、ジャケットにしてもどうやって作るんだろうって。それをバンドのホームページに書いたら全然知らない人から「僕、ロックのCDのジャケットを作ってみたかったから、やってみていいですか?」って書き込みあった。もうそれは助かります、お願いしますって。でも、他にも帯のデザインも盤面のデザインもしなくちゃいけない、どうしよっかって。当時は俺もピュアだったし、他のメンバーに相談しても分らないって。それで俺が案を出すんだけど、それじゃ嫌だって言われちゃう。だけど案を出してくるでもなく、どうしていいか分らないって。その繰り返し、それを何年もやっていたらもうイイヤってなっちゃうよね。

別府:そういったものが積み重なっていって引退を考えたのですね。正直なところ則夫さんが中心でMETAL BATTLE JAPANに臨んだのかと思っていました。

佐藤:METAL BATTLE JAPANはそれまでHONE YOUR SENSE、Mysterious Priestessと来て、そこでHELLHOUNDなんて予選も通らないだろうと思っていたから。そうしたら4月位に予選通ったけどって言われて、「はぁ?」って。さっきも言ったけどもう音楽活動辞めるつもりでギターにも指一本触れていなかったし、どうするのって思って一生懸命自分の曲を練習して。そうして(優勝は)「HELLHOUND」って言われた時は、キョトンとして大変なことになっちゃったって思った。

別府:そういったものが積み重なっていって引退を考えたのですね。正直なところ則夫さんが中心でMETAL BATTLE JAPANに臨んだのかと思っていました。

佐藤:METAL BATTLE JAPANはそれまでHONE YOUR SENSE、Mysterious Priestessと来て、そこでHELLHOUNDなんて予選も通らないだろうと思っていたから。そうしたら4月位に予選通ったけどって言われて、「はぁ?」って。さっきも言ったけどもう音楽活動辞めるつもりでギターにも指一本触れていなかったし、どうするのって思って一生懸命自分の曲を練習して。そうして(優勝は)「HELLHOUND」って言われた時は、キョトンとして大変なことになっちゃったって思った。

別府:そうなると「行くぜ、WACKEN!」って感じでは無かったのですね。

佐藤:全然。「何かスイマセン俺たちが」って感じでした。始まる前にパフォーマンス、曲の良し悪しや演奏技術など全て込みで選びますからと言われて。お客さんが何人来てどれほど盛り上がったとかでは無く、トータル的なことで選びますと言われて。だったら何で俺たち呼んだのさって思ったよ。これは正直無いなと思った(苦笑)。Mysterious Priestessのパフォーマンスとか凄まじいでしょ、だからそういった感じで選ばれてきたと思うから「まさか」と思うでしょ。Blackwind<Ba.>がWACKENに行ってやってみたいっていうのと、このままだと則夫さんが辞めちゃうからって言っていくれて(応募した)。全く迷惑な話で、お前がいなければって話だけど(一同笑)。

別府:Mysterious PriestessはWACKENに出たいと思ったのは何かヴィジョンがあってのことでしたか?

小金丸: 実は・・・、無いんです(一同笑)。それまでは半年に一回程度しかライブもやっていなかったし。Twitterか何かでMETAL BATTLE JAPANのアカウントにフォローされて、こんな大会があるんだって知って。これを機に少し頑張ってみようかなって、半年に一回が月一回位になればって(一同笑)。それで古い曲で応募して予選を通過して、その時に思い切ってメンバーを変えてみようって。それで元々ドラムで無理矢理キーボードにしていたヤツをドラムに戻して、今のキーボードの子を入れて。(METAL BATTLE JAPANって)ルールがあるじゃないですか、正式メンバーじゃないと出場できないって。そのキーボードの子にはとりあえず正式メンバーとしてホームページに書かせてと、その後はどうなってもいいからって(一同爆笑)。それで出たら、優勝しちゃったと。さっきも言いましたが活動も増やそうと思ったし、音楽性も変えてみようかなと。音楽性も見つめなおしたことで優勝したと思うから。それを認めてくれたのかなと思うと、もっともっと新しいことやオリジナル性を追求したくなったし。

別府:それで意識がかなり変わった感じですね。

小金丸: 意識高くなりましたね(笑)。

別府:そんな感じで優勝してドイツへとなるとかなりバタバタだったんじゃないですか?

小金丸: そうですよね。優勝した打ち上げの時にキャプテン和田さんに「Mysterious Priestessは今日演奏した曲の音源はあるの?」って。それで「無いです」って。

佐藤:ヒドイ(一同爆笑)。

小金丸: まだ出来たばかりの曲だからと言ったら、早くレコーディングしてドイツで配った方がいいよって。それで自分の周りにいるレコーディングエンジニアの友人に連絡とったりして。それで急いで2曲レコーディングして、それをWACKENで700枚配りました。ダンボール箱に入れて「FREE、FREE!」って言いながら配ったら、全部無くなりました。そうしたら「CD良かったよ」ってメッセージが送られてきたり、貰えなかった人からは「この住所に送ってくれ」とか。そういった反応があったのでレコーディングして良かったなって。和田さんのアドバイスはかなり生きてます。

佐藤:それを聞いて安心したよ。YouTubeの映像を見ていると演奏の動画上げてたりして「何だよ、こいつ等」って思ったりもしてたから(一同笑)。



別府:WACKENダイアリーを上げてますよね。電車に乗り込んでから始まっていて。凄く気合入っているんだろうなって思っていたのですが。

Mysterious Priestess - Wacken diary 1 - YouTube

ミスプリ、初海外、wackenオフショットその一、いや、これは、ホームビデオか。 日本出国~Wacken前夜祭まで その二http://www.youtube.com/watch?v=qdaZtDIz9No HP http://mysteriouspriestess.web.fc2.com/ Twitter ht...
小金丸: 大きく見せていただけですよ(一同爆笑)。大きく見せないとやっていけんじゃいかなって。

佐藤:Mysterious Priestessを好きだからYouTubeとかチェックしているんですよ。こんなピヨンピヨン弾きやがってとかやっかみも含めて(笑)。それでセンスの良いまとめ方をしていて、ムカつくなこいつ等とか思って(一同笑)。

小金丸: そんなにムカつかないで下さいよ(笑)。

佐藤:真面目な話、Mysterious Priestessの見せ方って凄く今風でスマートだよね。生まれた時から携帯がある感じがする。でもやっていることは変わらないのかなって。そっちがWACKENダイアリーとしたら、俺たちはずっこけ珍道中になっている感じで。バンドをやっていると凄くくだらないこととか、面白いこととか起きるんだよね。色々な考えがあるけど、俺はそれを見せても良いのかなって、見てる人は楽しんでくれているし。近頃ありがちな「今日は~~バンドの~~ちゃんと楽屋でイェ~イ」というのは「死ねや」って思うけど(苦笑)。バンドが今日はこんなバカなことがありましたって見せてくれたら、俺がファンなら面白いから。そういったことを凄く上手く見せてるなって。Mysterious Priestessの硬派な音楽の中で、そういったスキを作って見せていることが「上手くやりやがって、この野郎!」と思うんだよ、クッソ面白いなこいつ等って(笑)。上手いっていうとちょっと違うかもしれないけど、そういった見せ方が好きなんだよね。

別府:嫌な言い方をすればハッタリをかましているのかもしれませんが、それってバンドをやっていくのには重要ですよね。

佐藤:どう見せていくかだよね。

小金丸: ルックスとかも良くないから。

佐藤:ルックス?カワイイじゃん、ケツとか舐めてやろうかと思う位(笑)。

小金丸: 酔って無くてもそんなこと言うんですね(笑)。

佐藤:慌ててレコーディングしましたとか、親近感がグイっと出てこれで好感度上がるんじゃない(笑)。俺たちはもうパニック状態で、何かをやろうって言ってもできなかったし。とにかく演奏をちゃんとやれるようにしなくちゃってレベルだったから。

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人も多くて。緊張するよりも、事態がまだ飲み込めていない感じに近かったのかな。(佐藤)

別府:あの人数の前でやるって、かなりのプレッシャーだったんじゃないですか?

佐藤:凄かった!でもあんまりプレッシャーは・・・、KEEP IT TRUE FESTIVALにも出ていますから。

KEEP IT TRUE FESTIVAL / 2008

KEEP IT TRUE FESTIVAL / 2008

別府:KEEP IT TRUE FESTIVALに出た時は音源にもなっていますからね。

佐藤:MASTERMINDの時にはクラブチッタでもやっていますから。その時に思ったのは、人間の視界って限られているから100人でも1,000人でもそれほど変わりが無いなって。視界を動かしてもいつも同じ数の人しか見えないし。それにHELLHOUNDに至ってはやることだけで一生懸命だから、手を高く挙げることだけを意識していて。ライブハウスでやっていると天井が高いと違うよね。どう、変わらない?

小金丸: そんなに・・・。

佐藤:何だよ、クッソ~(一同笑)。だからと言ってWACKENで見た光景は普段と一緒では無かったけど、ド緊張するわけでもなかった。

小金丸: 流石ベテランですよね。僕はもう緊張しましたよ、とんでもなく(笑)。演奏中は記憶があんまり無くて。終わってみて、ああここで演奏したんだって思って。

佐藤:何日目にやったの?

小金丸: 同じですよ。時間はMETAL BATTLEの最後の方でした。

佐藤:俺たちは開場直後位で、METAL BATTLEをやっている会場が入口のゲート近くで。入ってきた人が何かやってるなって様子を見に来るから、人も多くて。緊張するよりも、事態がまだ飲み込めていない感じに近かったのかな。幕が開いたら人がワンサカいて、皆が「METAL、METAL」言って盛り上がっていてマジかって。WACKENに来ている人ってバカだと思うんですよ。「METAL」って言葉を言っているだけで高揚してくるんですね(一同笑)。バカばっかりで良かったな。凄いよね、WACKENは。

Hellhound Wacken 2014 - YouTube

小金丸: クレイジー野郎ばっかりで。

佐藤:日本から来たバンドってことで興味を持っていたしね。同じヨーロッパの大陸から来ているバンドでないってのもあるし。日本ならLOUDNESSがいる国だろうってのもあったろうし。

別府:僕はKEEP IT TRUE FESTIVALに行った時に日本のバンドの知名度の高さにビックリしたんですよ。日本のバンドのシャツを着ている人も多かったし。

佐藤:SABBAT、METALUCIFER、LOUDNESSは特に人気がありますよね。KEEP IT TRUEは本当にクレイジーだからね、この空間はいったい何なのだろうって。そこにいる8割位の人がパッチGジャンを着ているという、おかしいだろうって(苦笑)。それで皆が「キメTシャツ」で来る場所だよね。だから「今日はちょっと違うぜ、SABBATでキメるぜ」となるからかもね。

別府:これは則夫さんへですが、KEEP IT TRUE FESTIVALに出演となったのは?

佐藤:これは向こうから話が来て、Myspaceに音源とか上げていたら、フランスのINFERNO RECORDSのFabが興味を持ってコンタクトを取ってきて。それでFabから向こうでオーガナイズをしているBart Gabrielに話が行って、こいつら面白そうだから呼んでみようかってなってメッセージが来て。旅費とか自腹でしたけど、交渉して向こうのホテル代とかレンタカー代は出すよって。ケータリングは謎のメシで、やたらと細長い米が出てきたり。

別府:WACKENも旅費は自腹ですよね?

佐藤:自腹です。行ったらホスピタリティとかしっかりしてたよね。

小金丸: そうですね。

佐藤:俺たちの時はパスを貰って、メインステージじゃない方の楽屋には入れて。そこにケータリングもあって、メチャクチャ食べたよ。

小金丸: え~、本当ですか。変わったな。

佐藤:腹いっぱい食ったよ(一同笑)。年々変わっていってると思うよ、ビールも何でもあったし。でも、メインステージのではないから時間が経つと無くなっていっちゃうんだよね。Monster Energyが協賛だったから500mmの缶が4種類位置いてあって、体大丈夫かって位に水の様に飲んだよ(笑)。水はメインのフィールドの後ろにフリーで飲めるコーナーが俺たちの行った年から出来てたんだよね。多分、熱中症で亡くなった人が前の年にいたからかな。そっちはヌルヌル相撲?(笑)

Mysterious Priestess - Wacken diary 2 - YouTube

ミスプリ、初海外、wackenオフショットその二、これは、ホームビデオです。 その一http://www.youtube.com/watch?v=6jaKbWj1_Hg HP http://mysteriouspriestess.web.fc2.com/ Twitter https://twitter.com/M...
佐藤:ヌルヌル相撲をやって、WACKEN銀幕デビューですよ(笑)。WACKENの撮影隊に絡まれて、契約書を書いて。

佐藤:それってテントの前?

小金丸: テントの前でレジャーシートを敷いて、シャンプーやってヌルヌルしてたら(一同爆笑)。

佐藤:なかなかワイルドな一面を見せてくれたよね(笑)。

小金丸: 本当に使われたかどうかはわからないけど。連絡するって言ってたのに。

自分の頭の中を配信できることだけでイイかなって。(小金丸)

別府:WACKENから帰って意識が変わったりしましたか?

佐藤:それはもう変わりましたよ。変わった?

小金丸: 僕たちの中ではあんまり。でも話しかけられるのはWACKENからの話というのは増えましたね。あとWACKENで台湾のプロモーターから話が来て、台湾に呼ぶからTHE FACELESSと対バンしてくれと。台湾ではサインしてくれとか言われて、日本でサインなんかしたことないのに(笑)。自分で変わるというよりも、WACKENで知ってくれたことから知名度が上がっていた感じかなと。やっている音楽性を何かに合わせるといった意識の変化は無かったし。でも、頑張らなくちゃって(一同笑)。ちょっと有名になったから、もう少し有名になりたい、だったらプロモーションしっかりしようって。

別府:でも、それって凄い変化だと思うのですが。

小金丸: 本当に良い切っ掛け過ぎて。どうでしたか?

佐藤:俺たちはやっぱり染み付いているものがあるじゃないですか。「日本のライブハウスでやっているバンド」っていう考えを捨てなくちゃいけないと。WACKENでやってそれなりに反響があって、メンバー全員がその場でもう一度この場でやりたいって思った。けれども現実的にどうやったらまた行けるのかって。日本で普通にやっていたら声がかかることはまず無いから。じゃあWACKENでもう一度やるにはどうしたらいいのかって意識して、活動の環境を変えることを考えています。やっぱり衝撃的な体験であったし、メインステージでARCH ENEMYが昼の12時からやっている『そこ』に、俺たちはどうやったら出られるの?例えばテントのステージではイタリアのARTHEMISが出ていたのだけど、ウチのスタッフの子と知り合いの知り合いみたいな感じでメンバーと話をしていて。それで名前からしてメロスピだろうなってARTHEMISのステージを見に行ったら、パワフルでカッコイイバンドだった。そのバンドが一番小さいテントのステージで、日本の知名度で言ったらHELLHOUNDと同じ位のバンドが、パワフルでカッコイイのにまだこのステージなんだって。そうなったら俺たちが「本当に出たいね」だけじゃ済まされないなと。本当に具体的に出たいなら、どうやったらいいんだろうって真剣に考えて、今やっている。それで次の音源はWEB配信のシングルを作ろうかなと。それを安い値段で全世界の人に聴いてもらえる環境にする。それはレコーディングも終わって、マスタリングをAndy Larockeに頼んで。彼は今KING DIAMONDのツアーがあるからそれが終わったらやるよって言ってくれてます。その音源をHELLHOUNDの名詞代わりに全世界に配信する。(WACKENで)見た人たちは音源が欲しいって言ってくれたんですよ。「音源が欲しいけどどうしたらいい?」と言われたら、「分らないけどHMVだったら海外に出品しているから」とかでしか答えられなかった。それをシングルとして全世界に配信する。そうすれば興味を持って聴きたかった人も聴けるし、HELLHOUNDのことを知っている人も聴ける。そんな環境を作って、その反応を見て次にどうするのか、例えば業者に任せてiTunesにするのかとか。そしてそこでの反響を見てアルバムをどうしようかとか考えている。過去のアルバムも配信して、その間にニューアルバムをやって、そこでどこかと契約できたらまたWACKENに一歩近づけると思う。とにかく海外に向けての実績を作ることを念頭に置いてやっている。今はCDが売れない時代だって言われて、配信に移行しているでしょ。HEAVY METALの人たちはやっぱりアルバムをありきで考えていくけれども、俺は初めて何の気なしに聴いたElton Johnのこの曲を聴いて好きになったから。アルバムなんて先の話で、何よりお金が当時は無かったからシングル盤を買っていた。こういった曲があるよと教えられたら、そのシングル盤を買ってたから。今は形を変えてそういう時代に戻っているんじゃないかなって。アルバムで提示をするんじゃなくて、シングルで聴かせていく。だってTHE BEATLESだってそうだったでしょ?いきなりアルバムを作ったんじゃなくて、シングル曲を出していって。積み重ねてヒット曲が溜まったらアルバムにしようかって。それが元々あったミュージックビジネスの流れだったんじゃないかなって。気がつくとアルバムありきに、特にHARD ROCKやHEAVY METALはなっていって。1曲を聴かせて「気に入ったら次もどう?」とやっていくのが上手なやり方なんじゃないかなって。それが上手なコンテンツの見せ方かなと。う~ん、かっこいいね「コンテンツ」なんて言葉を使って(笑)。俺はよく「音楽のクオリティってなんなの?」って考えてますよ。今の日本のミュージックビジネスとかジャパメタ界隈の人ってクオリティてプロダクションの良さとイコールになっているけど、そうではなくて曲でしょって。『音楽のクオリティは曲じゃん』って。それをまずどうやって人に伝えていくかを考えないと、この先無くなっちゃうよ。良くて同世代のおっさん達がCDを買って終わっちゃう、そういう風にしかなれない。そこに一石を投じたい。イイじゃんシングル盤で、皆気軽に聴けるし。それの結果を見てからアルバムにするのかどうかは、その結果からの先の話。まずは『そこ』から始めないとって。

別府:それはWACKENに出て凄い変わったことですよね。

佐藤:まずは届けたいってことですよね。自分たちの音楽をいかに誰かに、世界の人たちに聴いてもらうか。それを考えなくちゃいけない。配信をすごく悪く言う人もいるけど、でも逆に言ったらそれはチャンスじゃないかな。アルバムだと売れないけど、一曲なら聴いてくれるんじゃないかなって。スマートフォンもかなり普及しているし、ダウンロードするクセが付いているなら、「これは」と引っかかったら聴くんじゃないかな。そこから先にどうやって付加価値を付けていくかは考えどころだけど。この間までは「配信、死ね」と思ってた人間だけど、ちょっとこれはイイんじゃないって最近は思ってきて(笑)。

別府:配信が悪いって考える人は結構多いですよね。

小川:僕らの世代はアルバムを買っちゃいますけど、若い子は違いますからね。

佐藤:俺がシングル盤を買っていたのはお金が無かったし、アルバムは無理でもシングル盤だったら、ちょっと親にねだれば買ってもらえたし。そんな感覚だったら、例えば1ユーロとかで配信したら聴いてもらえるかなって。それでハズレてもいいかなって(思ってくれるんじゃないかな)。あとiTunesもJAPANだとアカウントを作らないといけないらしいけど、年間5,000円位払えば色々なところに置いてくれる業者がいるから頼もうかとか。シングル志向で言えば、ちょっと離れるけど、昔の歌謡曲とかも簡単にスマホでアクセスできる環境を作ったら、皆ダウンロードして買うと思うんだよね。そういうファン層を掘り起していけば、ビジネス的にはいけるんじゃないかなと思う。今、眠っていて腐りそうな音源はどこにいってしまうのって。

小川:面白いですね。今はアルバムも配信しているけど、1曲からのバラ売りもあるじゃないですか。でもあればとアルバムの方が料金的にも割安だから、1曲だと少し損をするんじゃないかって感覚ですよね。

佐藤:ああ、そうですね。

小川:そこをシングルありきで考えて、シングルの積み重ねがアルバムなんだよっていうのがまた定着すれば、また違った流れを産むかもしれないですね。

佐藤:そこですね。80年代はそうだったわけじゃないですか。シングルがあって、ヒット曲があって、アルバムがあってで。それが同時だったとしても、シングルがリーダートラックとしてラジオとかでかけてもらって引っ張っていって。それを今はまたやれる環境じゃないかって。ちょっと前ならシングルCDやシングル盤をプレスするお金があったら、アルバムを作らなくちゃって感じだった。今はシングル曲のレコーディング費用さえあれば、ポンと(配信で)出せちゃうわけだから。そうなると曲の良さで勝負できる。HELLHOUNDみたいに単純な曲調のバンドはチャンスなんじゃないかな。また、(配信予定の曲が)良い曲なんですよ、フフフ。

別府:全世界の人に聴いてもらうということで配信を考えていらっしゃいますが、世界を考えた時に色々な壁があると思うのですよ。距離もあるし言語もあるし。そこはどう勝負していくか他に考えていることはありますか?例えばMysterious Priestessであればもろ日本色を出しているじゃないですか。それも手段の一つと思うのですが。

小金丸: ネット情報化の社会の中では、無理にアイコンとなるものや流行に合わせることも金銭的に繋がるものはそんなに変わらないんじゃないかなって感じていて。それで別に何をしようがしまいが、自分の頭の中を配信できることだけでイイかなって。そうなったら深く自分のカラーを出していこうって。英語は出来ないから日本語、王道のHEAVY METAL的なことも出来ないからHEAVY METALじゃないと言われても仕方ない違ったものを出したり。色々と「これはどう?」っと提供しています。

別府:そこでビジュアル的にも「和」の要素を強く出しているのは、海外を意識してなのですか?それとも自然に?

小金丸: 海外の人にも受けたいって気持ちは正直あります。自然となったというのが近いのですが・・・、でも周りに合わせた部分もあります(笑)。理由は単純なんですけどゲームが好きで、モチーフで日本神話が多いのですよ。そこからインスピレーションを受けて、自分のバンドに取り入れてみて。衣装も最近はそっちよりになっていって。

別府:海外の人と話をしていると、日本のバンドなんだから和の要素を出していった方がいいんじゃないのって言われることもあるのですが。海外を考えた時に「和の要素」って必要だと思いますか?それとも切り離していった方がいいと思いますか?

佐藤:俺たちは「Samurai Warrior」って歌っている位(笑)。歌詞とかで日本を意識させるワードを入れたりとかはするけど、ウチは音的にはそんなに必要とは考えていないかな。俺が弾けないし(一同笑)。

HELLHOUND "Samurai Warrior" at OSAKA RUIDO 2012.6.9 - YouTube

HELLHOUND "Samurai Warrior" at OSAKA RUIDO 2012.6.9 【短期集中企画 『週刊HELLHOUND』 vol.2】 2012.8.25 HELLHOUND presents "LONG LIVE THE LOUD" vol.4 『アンチ嬢メタルフェスティヴァル』 開催...
小金丸: 「日本人なんだからそういったことをした方がイイんじゃない」って言われたからってやるのが嫌なので。言われたから和服を着るわけではないし、言い方は難しいのですがそれが自分たちのセンスでそれを選んだので。間違った日本な感じは出したくないんですよ。「ニンジャ、ニンジャ」言われたとしても、そんな格好はしたくもないし(笑)

佐藤:じゃあ、俺たちはニンジャでやろうかな(一同爆笑)。

小金丸: だから自分中で自然に出たのが和風だったってことで、結果としてそれをやりたいんですよね。

佐藤:本当にそれが個性になっているよね。この見せ方だけど、サラっと出しているのがイイよね。

小金丸: 前面にイヤらしくは出したくないんですよね。

佐藤:それがムカつくんだよね、センスのあるとこ見せやがってって(笑)。WACKENに行った時もそうだし、他でもそうだけどそのバンドにしか出せない音を求めると思う。例えば何かに似ているバンドだったら、それは日本では良いのかもしれないけど、世界的に見たらオリジナルを聴くでしょ。Yngwie Malmsteenみたいでカッコイイと言われても、結局そういったリスナーはオリジナルのYngwie Malmsteenを聴くでしょ。そういうことだと思う。

小金丸: HELLHOUNDは楽曲的なオリジナルは追求していますか?

佐藤:いや、特に。俺の頭の中に浮かんだことだけをやっているから(笑)。今、アホな曲が一曲あって「この曲をやりたい」って奥さんに言ったら「バカじゃないの。でも、それでイイと思うわ」って。それを聞いて俺はギターを上手くなっちゃダメなんだなって。クソみたいな簡単な曲なんだけど、やりたいなって頭の中で渦巻いて。多分、弾けないし真似できないことがオリジナリティになるのかな。俺の音楽的想像力の限界もあるから、それが色々な人の考えた『こんな曲があったら面白いよね』というのと結構近い気がする。「Metal Warrior」にしてもそうなんだよね。あの曲は牛丼屋で牛丼食べた帰りに散歩しながら思いついた曲だったりもするから。そういう鼻歌レベルが大事なのかなって。そしてそれがHELLHOUNDのオリジナリティなのかもなと、良く言ったらね。

別府: HELLHOUNDの曲はキャッチーで、一発でサビを歌えますからね。

佐藤:終わった瞬間に皆が合唱してたりして嬉しいよね。音楽的能力が高くない分、覚えられるキャパが狭いから。思いついても3歩歩いたら忘れちゃうことも多くて、最後まで覚えたことでやっている。それを頭の中で何回も何回も繰り返して、もうちょっと先まで出来たなっていう感じだから覚えやすい。POPS世代だから。昔、VILLAGE PEOPLEのCDを聞いていたらサビだけで押しまくっているなと思ってたけど、俺らもそうだなって。VILLAGE PEOPLEの影響も案外受けているんだって(笑)。

 (6657)

仲良くなったところで、僕たちの音楽を聴いてくれるとは思わないバンドもいると感じるし・・・。(小金丸)

別府:2回ほど一緒にライブをやったとのことですが、お互いの客層の違いを感じたりはありましたか?

佐藤:どう?

小金丸:こういうお客さんが僕たちのライブにはいないですね(と言って、佐藤氏が着ていたパッチGジャンを指差す)。

佐藤:俺たちのライブも実はそうでもないよ。そういう『コア』な人からは「ニセモノめ」って言われるんだよね。すいませんね~、ニセモノで(一同笑)。

別府:海外のシーンもそんなに知っているわけではないけど、日本は世代で分かれていて交流ってあるのかなって思う時があるのですよ。

佐藤:確かにMysterious Priestessとかとやるとヤングなお客さんが多いと感じる、そういった人たちも楽しんでくれているとイイな思うし、そういう風に見える。さっきも言ったけど俺たちは『コア』な人たちからは眉をひそめられるかもしれないけど、普通のHEAVY METALを好きな人たちはちょっといいかなって思ってくれると思う。HEAVY METALを好きな人はそのこだわりを持っているから、HELLHOUNDを見たら声高に叫んでくれたらと。『これだよ!』って叫んでもらえるバンドになれたらと思っている。だからMysterious Priestessを聴いている若いファンも「あ~、これこれ!」って楽しんでもらえるのかなと。それが俺たちの強みだと思う。(若い年齢のバンドとやって)お互い広がれたらと思う。Mysterious PriestessはいきなりMETAL BATTLE JAPAN出て優勝して、WACKENに行ったバンドだから、俺らのファンの中には「何なの、こいつ等」って思ってた人も若干いた。でも、その人たちが実際にMysterious Priestessのライブを見て「スゲぇな、こいつ等」ってなっていたから、そういったものがどんどん広がって架け橋になっていけばと思います。

別府:見ていると年齢の高い人は高い人で、若い人は若い人で分れちゃっているなと感じる時があるのですよ。先日、SERENITY IN MURDERのイベントに行った時に、若い人が沢山来ていて盛り上がっているんだなって。でもこういった若いファンは僕が普段行っている様なライブではそんなに見かけないなって。逆に、この日には僕が普段行っている様なライブに来る人たちは見かけなかったし。同じHEAVY METALって枠の中でやっているのに、何でだろうって思って。こういったことがずっとこのまま続いていったら、世代世代で完結して歴史として繋がっていかないんじゃないかなって思ったり。海外は年代ごとに聴いていって、ちゃんとHEAVY METALを歴史できっちり追っているけど、日本は例えばLAMB OF GODが好きだったらその周辺だけ、JUDAS PRIESTって知らないという人がいたりとか。IRON MAIDENとSONATA ARCTICAが一緒にやった時もそういったことを感じたのですよ。

佐藤:ちょっと話がそれるかもしれないけど、そこでこれなんですよ(と言って一枚のフライヤーを取り出す。)。色々と考えていて、今はライブハウスのレベルで考えると機会の損失が激しいと思う。MASTERMINDでやっていた頃は、ハコがブッキングしていて「MASTERMINDってライブ凄いな。お前ら、有名なバンドをドンドンブッキングしてやるからバンバンやれ」って言われて。「やりたいってバンドがあったら言ってくれ、ブッキングしてやるから」とも言われてた。そう言われてガーッとやっていった。今は「イベント」で、バンドやイベンターが集めるから、そこの1回のライブで集客があればOKという感じでしょ。バンドがライブでお客さんを含めての交流が殆ど無いと思う。例えば年齢のいった人たちのイベントって、大御所バンドがトリで中堅が3バンド位、前座に2バンド位、そんな感じで皆が皆その世代世代の時間帯しか見ていない感じがする。そうじゃなくて、いま出したフライヤーのイベント(吉祥寺クレッシェンドで2015年8月8日に開催されたLONG LIVE THE LOUD。チケットはSOLD OUTでした。)では同じ様なレベルのバンドを集めて、若い人たちがお互いを競い合わせる感じ。大御所や中堅バンドがいると「先輩!」って感じになるけど、ROCKってそうじゃないじゃん。どんなに偉いヤツだろうと「この野郎!」ってツバ吐いて言わなくちゃダメだと思うんですよ。それが体育会系のピラミッドが出来ていると。それを全部無しにして若手だけで競わせて、その時のお客さんをお互いが引っ張り合って、次にこの日出たバンドのライブに引っ張られたお客さんが見に来てくれる様な流れになればと。それがシーンの活性化になるんじゃないかと。勿論、俺たちおっさん連中もそいつ等に押されない様に競えればと。偉い人が偉いことを言ってそれに「ヘヘ~」って従うのはROCKじゃない。SEX PISTOLSなんかLED ZEPPELINのことを「ツマラナイ音楽を作る時代遅れの恐竜野郎のクソジジイ」って言ってたでしょ。NIRVANAだってヘアメタルを「ふざけんなカスだぜ」って言ってやってたでしょ。カスだとか言うわけじゃないけど、そういった意気込みを持って負けないぜと競うことが出来ればと。このままだと「今日のイベントは100人入りました。良かったね~」で終わっちゃう。俺たちULTIMATE NETWORKでやっていた時にヌルイとか言われてたんだよ。バンド同士の仲は良かったけど、お互いをライバル視してバチバチでやっていたから。ライブの時は終わるまで口もきかねぇって感じでやっていて、見て良かったらその時初めて話をする。そんな感じだったし、そういう風にやっていきたい。

LONG LIVE THE LOUD

LONG LIVE THE LOUD

吉祥寺クレッシェンドで2015年8月8日に開催されたLONG LIVE THE LOUD。チケットはSOLD OUTでした

2015.08.08 LONG LIVE THE LOUD Message from HELLHOUND - YouTube

別府:今はお客さんを食うって感じが少ないですね。

佐藤:そうそう、無いね。

別府: MCでは呼んでくれてありがとうになっちゃうし。

佐藤:楽屋でやってよ(笑)。あと物販情報ね。

小金丸:二人、おっかないですね。

別府:昔、競いあってた時代のバンドってそういう「ありがとう」MCって少ないと思うんですよ。別に「ありがとう」って言うことが悪いってことじゃ無いのですが。

佐藤:そうは言っても、俺もありがとう言っちゃうしね、そういうところはフリーダムだから(一同笑)。この前のWACKENのイベントでウチのメンバーも含めてMysterious Priestessを好きになった人が多くて、チェックし始めた人もいるから。それがまた次に繋がっていくことであったから。俺はそういった仲良しなところには入れてもらえない『Mr.HEAVY METAL』だから(笑)。うん、何か少し違う流れは作りたいよね。

別府:このままで言ったら廃れちゃうって感じることが多いんですよ。

佐藤:さっきも話に出たけど、世代世代で固まってライブハウスに100人、200人で終わっちゃうシーンになっちゃうかな。どうなんですかね。

別府:どのバンドもそれは考えていることなのかもしれないですね。僕は若いバンドと交流があまり無いから、若い世代の人たちがシーンについてどう考えたりしてるか知りたいけど。

小金丸:僕たちはシーンから外れているので、全く交流が無いし(一同笑)。

別府:それは何故ですか?逆に関わりあいたくないってことですか?

小金丸:それも含めてですかね。気取っていると捉えられるかもしれませんが、今のところそういうことに興味が無いんですよ。仲良くなったところで、僕たちの音楽を聴いてくれるとは思わないバンドもいると感じるし・・・。僕たちがHEAVY METALって認知されるのかなって思うこともあるし。毎日「HEAVY METALって何だろう」って自問自答することが多いです。僕たちはHEAVY METALのフィールドでやっていっていいのかなとか。

別府:では、どういったとこでやっていくとか考えていたりしますか?

小金丸: シーンとかも存在しているのか分らないんですよ。そういう大きなシーンってありますか?

佐藤:大きくはないけど(あると思う)。ジャンルではなく、シーンが細分化されていると思う。

小金丸: それはシーンと言えるのですか?

佐藤:うん・・・、確かにね。

小金丸: 何で?例えばCROSSFAITHのお客さんをどうやって引っ張ってきますか?そう考えると開拓していくしかないのかなと。僕の中ではHELLHOUNDってHEAVY METALの「歴史」を表現していると思うのですよ。伝統的な感じがするし。僕はそれを否定するのではないのですが、「アンチHEAVY METALの歴史」なところがあるんですよ。もっと表現していくものもHEAVY METALを守るぞってものは無くて。必然的にお客さんもHEAVY METALな感じでなくてボーダーな感じでいいし。そういう先輩バンドからお客さんを引っ張ってくるぜという気にもなっていなくて。だからさっきの話を聞いていて、そういった考えもなかったから逆に新鮮でした。・・・どうすればいいんですかね?(笑)

佐藤:でもそれはメンタリティ的には、俺ととても似ていると思う。俺はそれをHEAVY METALのフィールドで考えていたんだよ。俺はジャパメタ全否定派なんですよ。MASTERMINDをやる時に、ジャパメタはやらないって決めていたんですよ。自分が聴いてカッコイイと思えるHEAVY METALをやっていきたいって気持ちでMASTERMINDをやっていたし。だからジャパメタ界隈の人たちに打ち解けることなく、面識も無くやっている。でもそういったところから始まると思うんだよね。ROCKという音楽自体を親が聴いているから、ROCKには反抗の音楽としての歴史があったのに、そういう面が無くなってきている。でも、反抗心が無いROCKなんて面白くないと思うんですよ。そういうところに対してカネちゃんが「HEAVY METALって言われても分らないから、俺たちは俺たちの音楽をやります」ってスタンスが独自性やオリジナリティを生み出していると思う。俺はジャパメタのライブに行って、その界隈の彼女やお姉ちゃんが前列に並んでいるのを見て、そういうのがイヤだった。そんな時にLOUDNESSの「EUROBOUNDS」のビデオに出ているクレイジーなヨーロッパのキッズを見て、俺がやりたいのはこういう音楽なんだという思いだけで今までやってきた。今になって交流が出た時に「・・・謙れなくて俺、ごめん」って。でもね、そうやってROCKの歴史って塗り替えられると思うんですよ。だからカネちゃんの考え、「そういう風に伝統なんて守れないです」って言われても、それはそれで凄く良いと思う。俺たちは俺たちのやり方をやっていくし。WACKENに出る様なバンドは皆それぞれ気合入っていると思う。だからこの間もHONE YOUR SENSEも入れて3バンドでやった時も、普段だったら絶対に交わらないバンドがやって楽しかったしさ。楽しかったろ?

小金丸: はい。

佐藤:よし、楽しいって言え(一同爆笑)。来年はETHEREAL SINを入れてできたら面白いかなと思う。シーンについて考える人がいて、そうでない人がいて別の流れを作って、それがどこかのタイミングで交わればいいんじゃないかなって。それが見る側なのか演る側なのかだけど。演る側の結びつきを求めることは多いけど、音楽にコミットして見る側が繋がるのが薄いかなって。それをどうやってこちらが提示していくのか、それとも見る側がどうしていくかかな。俺は、好きなミュージシャンが昔聴いて好きだった音楽を聴いてみたいとかあるんだけど、どう?

小金丸: 勿論、好きなミュージシャンがどういったものが好きだったか聴きたいですよ。(好きなミュージシャンが)Stevie Ray Vaughanを好きだって言ったら、聴いていたし。

別府:それは一緒なんですね。

小金丸: でも、ROCKの歴史を学ぼうっていうことはなかったんですよ。DEEP PURPLEだったら「MACHINE HEAD」で、KING CRIMSONだったら「RED」とか。そういった単位でしか聴いていなくて、そうなると歴史的な追い方とは違うかなと。このバンドだったらこのアルバム、それで終わりが多いです。

佐藤:でもアルバムを聴いていったら、その前のアルバムも聴いてみたくならない?

小金丸: なりますね(笑)。

佐藤:そうやって聴いていくと、特に70年代だとアルバムによって全然音楽性違うよってならない?俺はKING CRIMSONは全部好きなんだよ。でもYESは「FRAGILE」と「CLOSE TO THE EDGE」は好きだけど、「TALES FROM THE TOPOGRAPHIC OCEANS」はちょっとキツイなと。

別府:「BIG GENERATOR」の頃になるとかなりPOPになるし。

佐藤:それはそれで良い作品だけど、そんなに入れ込めないなって。

好きな音楽だからこそ、こだわりがあってライトに聴けない。(佐藤)

別府:話は変わりますが、則夫さんの発言で「HEAVY METALに背を向けられない」って発言がありましたよね。僕は外敵というかちょっと毛色の違うものが入って来た時の則夫さんの反応をいつも注目しています。いわゆる「嬢メタル」って出てきた時に一番最初に反応して、色々と発言していていましたよね。

佐藤:やっぱりHEAVY METALが好きだしね。ああいう音楽が好きじゃないってのもあったし(苦笑)。俺はHEAVYMETALが好きで、だからって何でも許せるっていうわけではない。好きな音楽だからこそ、こだわりがあってライトに聴けない。俺は本当にHEAVY METALが好きで、HEAVY METALが史上最強の音楽だと思っている。だけど嬢メタルの人たちってそうじゃないでしょ、特にヴォーカル。ギターとかベースはHEAVY METALが好きかもしれないけど、ヴォーカルは違う。ヴォーカルは全員「私は歌うことが好きです」って言っているんですよ、皆そう。俺はそれに対して「何なのそれ?」って思う。俺は「歌うことが好きなんじゃなくて、HEAVY METALが好きなんだよ、HEAVY METALを歌いたいんだ!」って。「私はROCKが好きで、ROCK以外歌うことができない」って人がいない。プロデユーサーありきでバンドをやっていると感じる。

別府:作られた感がありますよね。

佐藤:それが顕著に表れたのが、カルメンマキとキノコホテルの件だと思う。そこで絡んできた人の中に「お前は歌い手なんだから、そんなこと言う権利がないし、著作権者には話は通っているんだから」って。だけどそれは違うでしょ。「歌うことが好き」な人にはそれで良いかもしれないけど、カルメンマキみたいに『自分の歌』を歌いたい人の為に作られた曲なんだから。それは「著作権云々だけでなく、私の歌でもあるんだよ」って。「お前それをJanis Joplinにも同じことを言えるの?」って読みながら思ったよ。だからそういったところの発想が違うと思うんだよね。今や根本的な発想が違うんだなと。ROCKの歌でその人にしか歌えないのが好きだから。ところで歌とかどうなの?ファクター的にMysterious Priestessの音楽の中で、どういった位置づけなの?

小金丸:ヴォーカルは楽器的ですね。あまり「ソウル」とか意図的にはそういう面を出さない。そういったものを出すと楽曲的に変わっちゃうかなと。歌えないというのもあるけど(笑)。CHILDREN OF BODOMとかを聴いていてもそうかなと感じていて。最初はこんなの歌じゃないだろって思っていたけど、彼らはグロウルの役割とかも考えていて曲に落とし込んでいて。そういった精神を持ち込みたいなと。本当は歌いたいけど、歌えないのもあるから(一同笑)。声を歪ませて、楽曲を歌的でないものにする。インスト的なものに声のノイズ的なものが乗っているという考えでインストでもいいんじゃないかって、楽器の一種で考えてやってます。

佐藤:わかる、それは。それを上手く曲に落とし込めているから、そこがセンスなんだよね。

小金丸:常々考えながらやっていて。POPSみたいに「Aメロ→Bメロ→サビ」っていうのが多分ダメなんですよね(一同爆笑)。

佐藤:今度作ってみれば?

小金丸:最初は作っていたんですけどね。

佐藤:グロウルって俺たちには新しいからね。俺たちはギタリストありきの世代だったから。それに俺が歌えてた方だから。ヴォーカルは人気者がやっているバンドが多かったけど、俺は違うって。俺は人気無いなと思っていて。モテるやつには「ふざけんなよ、負けねぇよ」ってやってた(笑)。あとギターにも負けたくなかったし。「ギター凄いね、上手いね」でなく、バンドとしては引っ張っていくのはヴォーカルだと思っているから。そこは絶対に譲れないというのがある。

小金丸: 元々自分もANGRAとかSONATA ARCTICAみたいな歌ありきのメロスピの方が好きだったのですが、今はこういう解釈もあるよってやっていて。歌的じゃないヴォーカルも最初から違和感なく聴けていたので。

佐藤:カッコだけグロウルとかインチキデス声ってのがダメでね、一時期かなりいたよね。Angela Gossowが出てきたら、お姉ちゃんが皆ね。

小川:増えましたよね。

佐藤:◎◎◎とかふざけんなよって。そこに彗星の如く登場したのが、スター窪田道元だよね。カッコイイグロウルとか声はこういうもんだぜって、蹴散らしてくれてスカっとしました。

窪田道元(DOUGEN KUBOTA)

窪田道元(DOUGEN KUBOTA)

Vocal。AFTERZERO/Thousand Eyes/UNDEAD CORPORATION 、サポートVoでVeiled in Scarletで歌ってます。 Thousand Eyes 2ndAlbum【Endless Nightmare】9月16日発売!!
別府:1つのアイコンのいるバンドが出ると、似たようなバンドがいきなり増えますからね。

佐藤:来年はBABYMETALみたいなバンドがいっぱい出てくるよ。多分もうカワイイお姉ちゃんを用意できないから、ちょっとイタイ感じのお姉ちゃんがアイドルっぽいことをやって。俺たちの神バンド並みのテクニックどうよみたいなのを率いて。そういうのがもう1~2年は出てくるんじゃないかなって。

別府:則夫さんはBABYMETALってダメなんですよね?

佐藤:実はこの前見て「良いな」って思った(一同爆笑)。この間、MTVか何かでヨーロッパツアーの様子をやっていて、これだけツアーをやって世界を周っているとちゃんとお客さんに向かって歌っているんだなって。俺がBABYMETALが一番イヤだったのは『覚えていることをやっているだけ』ように見えたこと。お客さんが1人でも100人でも1000人でも変わらない、何だろうと変わらない。それがショウビジネスという人もいるけど、違うでしょって。1人だったら1人のパフォーマンスがあるし、100人でも1000人の時でもそう。その時の空気で変わるじゃん。でもそれを版で押した様に同じことをやっていたから、気持ち悪くて見ていられなかった。だから完全に否定していた。それがこの前みたら「あれ、ちょっと良いじゃん」って(一同笑)。俺は皆がBABYMETALって言い始める前から知っていたんだよ、実は。「イジメ、ダメ、ゼッタイ」がシングルで出た時にだよ。聴いて好きじゃないけどこんなのがいるんだって。でも、この間は少し心動かされたよ。それを言っちゃうと・・・、ね、だから言わないようにしている(笑)。WACKENでBABYMETALのシャツを着ているやつに○○ってやったら、「Why?」って言われたよ。

別府:海外のHEAVY METAL系の雑誌や関係者も賛否両論ありますよね。

佐藤:少し前にカンナムスタイルがアメリカで流行ったでしょ。あんなノリが一部であるよね。日本のオタク文化、カワイイ文化と世界的に根強くあるHEAVY METAL文化が上手く合体しているから、商品としては本当に素晴らしいよね。X-JAPANが人気あるとかのレベルじゃないと思う。もう完全に芯を食っていると思う。2~3年したら解散して『「私は本当はヘビメタなんてやりたくなかったんです」ってインタビューを俺が読んで激怒する』、そこまでで全部だと思う(笑)

別府:BABYMETALのバックに付いている人、仕掛け人って凄くキレ者だと思うんですよ。仕掛けが上手いし。

佐藤:海外でウケたのは事故みたいなもんで、多分向こうのプロモーターが付いて周ったのもラッキーだったと考えている。一番それがラッキーだったと思うよ。それを見て一番悔しがっているのは俺たちじゃなくて、秋元康だともね。AKB48を日本のコンテンツとして日本の政府と一緒になって売り出そうとしていたら、そんなのを手の届かないレベルでBABYMETALがやっちゃったから。BABYMETALのファンがお前ら正統派メタルに拘ってざまぁって言ってるけど、一番ざまぁあなのは秋元康ですよ。その証拠に日本の民放にほぼBABYMETALって出てないでしょ。こんなことがありましたよってニュース位で、現地からの中継も無いし。

佐藤:完全にBABYMETALは外タレ化していると思うから、それはそれでいいかなと。あれはあれで変に毒されずやっていったらと思う。興味は凄くあるし、日本のポピュラーミュージックであそこまで海外の音楽シーンの芯を食ってウケたのって初めてだと思うしね。どうなっていくのか注目しているよ。

別府:僕は否定でなく、BABYMETALで初めてHEAVY METALを知ったような人を、特に子供を、どうやったらHEAVY METALの世界に引っ張るかを考えた方が建設的かなと思うんですよね。僕も最初はかなり嫌悪感持っていたけど、子供が「キツネ~」とかやっているのを見たら勝てないと思ったので(笑)。

佐藤:俺はバチンと頭を叩きますけどね(一同爆笑)。ウチの娘は「メロイック~」ってやりますから教育はバッチリです(笑)。

別府:あとはBABYMETALってフロントを変えていってずっと続いていくんじゃないかなって。「卒業」と「入学」を繰り返してね。どうします、娘がBABYMETALに入りたいってなったら?

佐藤:間違いなく「行け!」って言いますね(一同爆笑)。

別府:そこは「行け!」って言うんですね(笑)。

佐藤:やりたいって言ったらやらせますよ。そして「メロイックサインとRonnie James Dioについて語ってこい!」って言いますね。お父さん、教えてあげるから(一同爆笑)。

奥中:(BABYMETAL)本人たちにHEAVY METALのことは教えてないのですよね。

佐藤:そう、アイドルとして本人たちはやっているから。

奥中:大御所たちとやって時にプレッシャーを感じちゃうから教えてないって。

佐藤:だって「ろぶはるふぉーどさん」って言っちゃってるからね。あとは「めたりかさん」、初めて聞いたなって(一同爆笑)。

別府:知らないから物怖じしないんでしょうね。Rob Halfordのことも「髪の毛の無いおじいちゃん」位にしか思ってないかもだし。

佐藤:ちびまる子ちゃんに出てくる友蔵じいちゃんに似てる高い声の出るおじいちゃんとかね。

別府:●●●さんもネタに使われましたからね。画像のネタに。そういった様に人物をネタに使うことも、それをやって「超えちゃう」ってことも凄いなと。

佐藤:「分っている人たち」だからだろうね。分ってなかったらアソコまで行けないだろうしね。SONISPHERE FESTIVALで映像流されたら●●●さんも笑うしかないだろうから。勝てないよね。

別府:海外ではBOOTLEGのLPが出ているんですよね。それがピクチャー盤なのですが、立ち居地を表しているのかなと。

佐藤:「KAWAII」文化だからね。

別府:秋葉原のアニメ文化が具現化した様にも思えるんですよ。DIR EN GREYも少しアニメ文化とリンクしたからという話も耳にしたけど、それとはちょっと違うし。

小川:アニメは強いね。POPの歌手にしろアニメを歌っていると海外でも強いですよね。それだけで知名度が全然違うし。アニメの主題歌に(バンドの楽曲が)使われるとなったら?

佐藤:魂売りますよ、良い曲を書くよ(一同爆笑)。話は変わりますが、今度9月に気仙沼の「サメロックフェス」というのに出るんですよ。
(2015年9月5〜6日に開催終了、対談時は未開催)

小川:何でサメなんですか?

佐藤:気仙沼ってフカヒレの名産地だったと思いますよ。そのフェスはスキニメイジってバンドのメンバーが運営しているんですよ。メンバーでHELLHOUNDを凄く好きな人がいるらしくって。今年、気仙沼でメンバー皆でやりたいと言っていたフェスをやるのでHEAVY METAL代表としてHELLHOUNDに出てくださいと。「気仙沼にHEAVY METALを聴いている人が少ないので、HEAVY METALを分らせてあげてください」って(笑)。普通の人に「ヘビメタのおじちゃんだよ」って行こうかなと。ウォータースライダーとかも置いて、家族連れも楽しめる様なフェスになるみたいで。それだったら子供を泣かす勢いでやりますよって(一同笑)。

別府:子供を泣かせたらそれがトラウマになってHEAVY METALシーンが小さくなっちゃうじゃないですか(笑)。

奥中:でもスキニメイジの人はそれを求めているんじゃないですか(笑)。それ位HEAVY METALが好きだって話が入ってますから。

佐藤:なまはげ感覚でいかせていただきます(笑)。それが小さな一歩かもしれないけど、気合入ってない人でも「これこれ、こういうのが好きなんだよ」という風に楽しんでくれる状況が少しでも作れたらとは思います。

小金丸: 僕はあまり話してませんが、全部先輩が代弁してくれたので。

佐藤:今後LONG LIVE THE LOUDのFacebookのページは海外に日本のバンドを紹介していくページにしていこうかなとも考えていて。Facebookは海外からもアクセスしやすいですから。

小川:僕たちのやっているMetallization.jpも将来そういったサイトになるようにと考えているんですよ。日本語のサイトでも海外ではプラウザの翻訳機能が優れているので見ることができるんですよね。そういう時代になっているんですよね。

 (6653)

佐藤則夫

メロディック・パワーメタル・バンドMastermindのVocal、またCrossfireの名でピュア・ヘビーメタル・バンドHellhoundのG&Voとして活動。幼稚園のハーモニカで音楽的才能が皆無だと気付いた割には何故か未だに奮闘中。最近はヘビメタおじさんになる事を目指してます。
HELLHOUND

HELLHOUND

Crossfire - Hysteric Preacher (vocals & guitar)
Lucifer's Heritage - 666 Strings Samurai (guitar)
Blackwind - Bleeding Sniper (bass)
Satanic Assult Terrorizer (drums)

Mysterious Priestess(ミステリアス・プリーステス)

Mysterious Priestess(ミステリアス...

Mysterious Priestess(ミステリアス・プリーステス)

小金丸 慧 - Kei Koganemaru (Founder,Gt&Vo)
山田 友章 - Tomoaki Yamada (Gt)
秋元 修 - Shu Akimoto (Dr)
藤岡 久瑠実 - Kurumi Fujioka (Key)
2010年結成、4人組メタルバンド "Mysterious Priestess"(ミステリアス・プリーステス)。日本神話を基調とした創作世界観に加え、他ジャンル的な要素、アッパーなハーモニーなどを取り入れた新しいメロディックなメタルのサウンドを呈示する。Metal Battle Japan2013に優勝し、ドイツのメタルフェス"Wacken Open Air 2013"に出演。2015年8月 約2年振りとなる新作CDが発売。

Mysterious Priestess最新音源情報

Mysterious Priestess / 夢国ノ義士

Mysterious Priestess / 夢国ノ義士

タイトル:『夢国ノ義士』 (Yumeguni no Gishi)
Artwork 久原英之 Hisahara Takeshi

2015年8月5日(水)全国CDショップ / ライブ会場にて発売
価格 1,600円(税抜)
発売元 KickStart Records
販売元 ULTRA-VYBE, INC

<収録曲>
1. 開闢(Kaibyaku)
2. 産霊ノ追憶 (Musuhi no Tsuioku)
3. 満願ノ夜明 (Mangan no Yoake)
4. 夢国ノ義士 (Yumeguni no Gishi)
5. 八岐ノ大蛇 (Yamata no Orochi)
6. 草薙ノ剣 (Kusanagi no Tsurugi)
7. 終焉 (Syuen)

MYSTERIOUS PRIESTESS - 満願ノ夜明 Mangan no Yoake (Official Music Video) - YouTube

2015.08.05発売、Mysterious Priestessの2nd Album「夢国ノ義士」より 「満願ノ夜明(Mangan no Yoake)」 ----------------------------------------­---------- 撮影/編集:奥田侑史 Yuji Okuda 撮影協力:...